やや強気マッチ・グループ・インクマッチ・グループ / MTCH / 強気:ティンダーで有名なマッチングアプリ関連株の株価・強み分析と今後の見通し・将来性

- オンライン・デーティング・プラットフォームのマッチ・グループ(MTCH)は割安に評価されており、足元好転の兆しがあるため、魅力的なリスク・リターンの機会を提供しているように見える。
- 同社の売上高成長率は2024年には年平均成長率10%で安定すると予想されており、具体的な業務改善計画も用意されている。
- 同社の株価は、現在、その成長の可能性と2024年までに10億ドルのフリーキャッシュフローを達成する可能性をベースとし、想定将来フリーキャッシュフローの10倍の価格で取引されている。
マッチ・グループ(MTCH)への投資テーマ
マッチ・グループ(MTCH)は、ティンダー(Tinder)やマッチ・ドット・コム(Match.com)を含むオンライン・マッチングアプリを提供するテクノロジー会社であるが、投資家の人気を失っており、市場の同社への期待値は低下している。
しかし、足元、株価は好転の兆しを見せている。
そして、私は、同社株式が、現在、今年度の予想フリー・キャッシュ・フローの10倍の価格で取引されていると見ており、年平均成長率10%の事業が、フリーキャッシュフローの10倍で評価されるべきではないと考える。
そのため、マッチ・グループの現在の株価水準は、投資家に魅力的なリスク・リターンを提供すると見ている。
なぜマッチ・グループ(MTCH)なのか?なぜ今なのか?
マッチ・グループは、ティンダーやマッチ・ドット・コム、OkCupidなど、様々なオンラインデートプラットフォームを運営している。
これらの出会い系プラットフォームでは、有料ユーザーはプロフィールを作成し、潜在的なロマンチックなパートナーと出会うことができる。
マッチ・グループは、人々がつながり、チャットし、上手くいった場合には、実際にオフラインで会うためのテクノロジーとプラットフォームを提供している。
基本的には、オンライン・プラットフォームの利便性を通して、恋愛関係を求めている人を見つけ、つながる手助けをしているのである。
話は変わるが、1月にエリオット・インベストメント・マネジメントがマッチ・グループの約10%の株式を購入している。
そして、私はエリオットのやり方をよく理解している。
彼らは、自らの投資先に、フリーキャッシュフローマージンを改善し、株主価値を高めることに専念させるのである。
実際に、セールスフォース(CRM)やツイッター(ツイッターが上場していた頃)で、彼らの戦略が見事に機能するのを私は自身の目で見てきた。
このような背景を踏まえ、次に同社の財務について説明しよう。
マッチ・グループ(MTCH)の売上高成長率:2024年に年平均10%で安定する可能性
マッチ・グループは、2024年には年平均10%の売上高の成長が可能だと考えている。
2023年第3四半期で既に9%を達成し、2023年第4四半期の見通しも11%を指していることを踏まえると、これは妥当な数字だと考える。
そして、投資において最も重要なのは市場の投資家の期待値である。
私は、企業が下記の2つのことを実現した際に投資することが勝利の方程式であることをしばしば自身の経験から学んできた。
- 四半期毎に成長率が減速している
- 今後1年以内に経営を安定させる具体的な計画があること
そして、読者の皆様には、「どんなビジネスにもサイクルがある」ということに留意してほしい。
私は、恒常的な成長ビジネスなど存在しないと考えている。
ソフトウェアセクターでも、セクターが好調な時期と不調な時期がある。
マッチ・グループについても同じことが言える。
投資をするときは、常に12ヵ月先のことを考えるべきである。
そして、12ヵ月以上先のことは考えるべきではない。
なぜなら、どんな投資家も将来を正確かつ定期的に予測することはできないからである。
しかし、市場が常に6カ月先を見据えていることを知った上で、12カ月先を見据えるようにすれば、根本的な変化が訪れたときに、それに対応することができる。
では、次に、マッチ・グループのバリュエーションについて説明しよう。
マッチ・グループ(MTCH)のバリュエーション:将来フリーキャッシュフローの10倍は割安
マッチ・グループは2023年の最初の3四半期で36%のNon-GAAPベースの営業利益率を達成している。
とはいえ、2023年第3四半期において、Non-GAAPベースの営業利益率が38%と高くなっていることに留意されたい。
そして、マッチ・グループは2024年について「少なくとも23年に達成すると予想される水準は達成するはずだ」と述べている。
したがって、2024年のNon-GAAPベースの営業利益率は37%になる可能性があると見ている。
その結果、2024年に同社は13億ドルのNon-GAAP営業利益を達成できることになる。
そして、私は、これが最終的に2024年に10億ドル近いフリーキャッシュフローにつながると考えている。
これは、同社がトップラインの年平均成長率10%で成長しながら、将来のフリーキャッシュフローの10倍で値付けされていることを意味する。
一方で、マッチ・グループは33億ドルの純負債を抱えている。
しかし、同社は事業が安定したフリーキャッシュフローを生み出す過程を歩んでおり、今後1年以内に10億ドルのフリーキャッシュフローがフォワード・ランレートとして出てくる可能性があるのであれば、投資家はバランスシート上の同社のレバレッジ水準を考慮しても、同社株式に関心を持つのではないかと見ている。
実際に、経営陣は2023年第3四半期の投資家向けのレターで次のように述べている。
「アプリストアの現金受領のタイミングもあり、24年にはフリーキャッシュフローが大幅に増加すると見込んでおり、これにより資本利益率も増加するはずである。」
以上のレターの内容は、フリーキャッシュフロー10億ドルという私の予想が2024年のある時点で達成される可能性が高いことをサポートしていると見ている。
マッチ・ドット・コム(MTCH)に対する結論
私の評価では、ティンダーやマッチ・ドット・コムを含むオンライン・デーティング・プラットフォームであるマッチ・グループは、投資家の間で人気を失っているが、足元、潜在的な好転の舞台を整えていると考えている。
今年のフリーキャッシュフローを10倍とした同社の株価は、2024年に年平均成長率10%で成長するビジネスを過小評価しており、魅力的なリスク・リターンのシナリオを提供していると見ている。
同社のフリーキャッシュフロー10倍というバリュエーションに目を向けると、その堅実な成長ポテンシャル、さらに、30億ドルの純負債があっても2024年までに10億ドルのフリーキャッシュフローを達成する可能性を考慮すると、同社株価は割安に放置されていると考える。