01/31/2024

やや強気
マッチ・グループ・インク
やや強気
フリーキャッシュフローの50%以上を株主に還元するという同社のコミットメントと、2024年のフリーキャッシュフローが11億ドルと持続可能であることを踏まると、同社からは強固な資本リターンを期待できるのではないかと考えている。
マッチ・グループ / MTCH / 強気:ティンダー銘柄の最新の2023年4Q決算・競争優位性分析と今後の株価見通し・将来性

a person holding a cell phone in their handマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • マッチ・グループ(MTCH)は、2024年1月30日に2023年第4四半期決算を発表している。
  • 分散投資の観点から同社に注目しており、足元のバリュエーションは将来フリー・キャッシュ・フローの10倍未満となっている。
  • アメリカ大陸での有料課金ユーザーが減少していることは懸念材料だが、同社はフリーキャッシュフローの50%以上を株主に還元するというコミットメントを掲げており、2024年のフリーキャッシュフローは11億ドルと持続可能な見通しであることから、堅調な資本還元が期待できる。
  • トップライン、ボトムラインともに前年同期比7~9%の拡大、さらに自社株買いによる5%の押し上げが予想されることから、同社株式に対して「強気」で見ている。

マッチ・グループ(MTCH)への投資テーマ

マッチ・グループ(MTCH)は、今年のフリーキャッシュフローの10倍未満の倍率で取引されている。

同事業は30億ドルの純負債を抱えているが、同社が年間10億ドル以上のフリーキャッシュフローを生み出していることもご留意いただきたい。

2023年第4四半期には、アメリカ大陸における有料課金ユーザーが前年同期比で12%減少するなど、同社への投資テーマに欠点がない訳ではないが、将来フリーキャッシュフローの10倍程度のバリュエーションであれば、それらの不安材料も許容されるのではないかと見ている。

さらにマッチ・グループは、フリーキャッシュフローの50%以上を株主に還元する意向を再確認している。

これは、時価総額の5%以上が株主に還元されることを意味し、ボトムラインの収益性の伸びと相まって、2025年夏までに私の同社株式への目標株価である60ドルを目指す上でのサポート材料となると見ている。

マッチ・グループ(MTCH)の当面の見通し

マッチ・グループは、ティンダー(Tinder)、マッチ・ドット・コム(Match.com)、オクキューピッド(OkCupid)などのオンライン・デート・プラットフォームを運営し、有料ユーザーがプロフィールを作成し、ロマンチックなパートナーに出会えるよう支援している。

同社は、オンラインプラットフォームを通じて人々がつながり、チャットし、現実の出会いをアレンジするためのテクノロジーを提供している。

そして、エリオット・インベストメント・マネジメントは1月、マッチ・グループ株式の約10%を取得している。

エリオットの手法は、例えばセールスフォース(CRM)やピーボディ・エナジーBTU)、ツイッターのように、フリーキャッシュフローのマージンを高め、株主価値を高めることで知られている。

この種の事業再生は一朝一夕にできるものではないが、彼らは経営を安定させることで、資本に対するリターンを得ようと躍起になっているはずである。

とはいえ、マッチ・グループのアメリカ大陸における有料課金ユーザーが前年同期比12%減という事実は、コロナ・パンデミック後のユーザー減少がまだ続いていることを示している。

そのため、同社のアメリカ大陸における数字は、今後数四半期、注視すべき数字であると見ている。

というのも、同社が売上高成長率を安定させるために価格決定力に頼ることには限度があると考えるからである。

ある時点で、同社は有料課金ユーザーの数字を安定させなければならず、そうでなければ、私は同社株式の売却を検討するだろう。

以上より、今後、アメリカ大陸におけるの数字が2四半期連続で15%ダウンした場合は、この株から撤退することを検討したい。

マッチ・グループ(MTCH)の売上高成長率は年平均成長率で9%程度

次年度のガイダンスでは、年平均成長率(CAGR)は高いところで9%となっている。

経営陣はおそらく保守的なガイダンスに努めており、2024年が終わった時点では、年平均成長率は10%に達する可能性が高いと私は見ている。

既に述べたように、2024年第1四半期のガイダンスは、多くの人が予想していたよりも魅力的なものではなかった。

しかし、私は同社への投資テーマの根拠を同社の成長再開に置いていたわけではない。

私が注目しているのは、次に述べる非常に強力なフリーキャッシュフローである。

マッチ・グループ(MTCH)のバリュエーション:フリーキャッシュフロー10倍未満

マッチ・グループに対する私の投資テーマは、ひとつの図に要約できる。

赤い矢印は、2023年にマッチ・グループが生み出したフリーキャッシュフローの額である。

そして青い矢印は、2024年に同社が生み出すフリーキャッシュフローの予想額である。

参考として、マッチ・グループは2024年にNon-GAAP調整後の営業利益率が少なくとも36%になると予想している。

上手くいけば、この年は37%に達する可能性もあるのではないだろうか。

そして、これは13億5,000万ドルに相当し、2023年から前年比約7%増となる。

実際のところ、これらの数字は左程エキサイティングに見えないかもしれないが、私のここでの主張は、同社の強力なフリーキャッシュフローは、運転資本の搾取に起因するものではないということである。

これは強力で持続可能な11億ドルのフリーキャッシュフローであり、同社は2024年に実現する道筋をたどっている。

その上、同社は今年、時価総額の約5%を自社株買いとして還元するとしている。

まとめると、トップラインとボトムラインは前年比7%から9%の成長があり、さらに約5%が自社株買いでもたらされる。

そして、同社の売上高成長率が2023年上半期のように四半期ごとに減速することがなくなり、事業が安定していることを投資家に納得させることができれば、将来フリーキャッシュフロー10倍のバリュエーションに留まることはないだろうと見ている。

その際には、私は市場の投資家は少なくとも15倍の将来フリーキャッシュフローを支払うことを望むだろうと見ている。

つまり、マッチ・グループは2025年夏までに1株当たり60ドル近く(自社株買いを含む)で評価される可能性があるのではないかと見ている。

マッチ・グループ(MTCH)に対する結論

アメリカ大陸での有料課金ユーザーの減少は若干の懸念をもたらすが、フリーキャッシュフローが10倍以下というバリュエーションは魅力的なエントリーポイントを提供しているように見える。

そして、フリーキャッシュフローの50%以上を株主に還元するという同社のコミットメントと、2024年のフリーキャッシュフローが11億ドルと持続可能であることを踏まると、同社からは強固な資本リターンを期待できるのではないかと考えている。

さらに、トップラインとボトムラインの両方で前年比7~9%の成長が見込まれることに加え、自社株買いによる5%の押し上げも、私の強気の見通しを後押ししている。

結論として、私個人にとって、マッチ・グループは魅力的な投資機会であるように映る。