08/30/2024

やや強気
ネクステラ・エナジー
やや強気
ネクステラ・エナジー(NEE)の現在の株価は80ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である94.86ドルよりも低いことから、同社の現在の株価は割安である可能性を示しています。
ネクステラ・エナジー(NEE:配当金0.515ドル・予想配当利回り2.5%)の将来性:最新決算と今後の株価見通しに迫る!

landscape photography of grass field with windmills under orange sunsetイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、ネクステラ・エナジー(NEE:配当貴族:予想配当利回り2.56%・配当性向58%・1株当たり配当金0.515ドル)の最新の2024年度第2四半期決算発表と配当推移に関するトレンド、さらに、同社の財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • 同社は、フロリダを拠点とし、風力と太陽光発電に強みを持つ再生可能エネルギー企業で、フロリダ・パワー&ライトとネクステラ・エナジー・リソーシズという二つの主要事業セグメントを展開しています。
  • 同社は、安定したキャッシュフローと過去25年以上にわたる連続した増配により、インカム投資家にとって魅力的な配当株とみなされています。
  • 財務面では、ROICがWACCを下回っており資本効率の悪化が見られる一方、インサイダーによる株式の売却も散見されることから、市場の投資家は同社に対するリスクを慎重に見極める必要があるでしょう。

ネクステラ・エナジー(NEE)の概要


レーティング:やや強気

バリュエーション:やや割安

リスクレベル:中程度


セクター:公益事業

現在の株価:80ドル

時価総額:1644.9億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:94.86ドル

安全マージン:15.63%

過去5年間の配当成長率:10.90%

次回配当落ち日2024年8月30日

次回配当支払い日2024年9月16日

予想配当利回り:2.56%

過去5年間の売上高成長率:7.20%

過去10年間の売上高成長率:2.30%


関連用語

安全マージン(Margin of Safety):株式の内在価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、内在価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。

売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。


足元の株価推移

(出所:筆者作成)

ネクステラ・エナジー(NEE:配当貴族:予想配当利回り2.56%・配当性向58%・1株当たり配当金0.515ドルは、米国を代表する再生可能エネルギー企業であり、特に風力と太陽光発電において圧倒的な市場シェアを誇ります。フロリダ州に本社を構える同社は、フロリダ・パワー&ライト(FPL)と、ネクステラ・エナジー・リソーシズという二つの主要事業セグメントを持ちます。

フロリダ・パワー&ライトは、フロリダ州最大の規制電力会社で、約600万の顧客に電力を供給しています。フロリダ・パワー&ライトは34ギガワットの発電能力を持ち、ネクステラ・エナジーの連結営業利益の約70%を占めています。また、再生可能エネルギー部門のネクステラ・エナジー・リソーシズは、米国とカナダ全域で発電し、電力を販売しています。発電能力は、天然ガス、原子力、風力、太陽光を含め、34ギガワット以上に達しています。

財務状況に関しては、ネクステラ・エナジーは堅調な収益成長を続けており、安定したキャッシュフローを生み出しています。また、同社は、25年以上にわたり連続して配当を増加させていることからも、米国株配当貴族の一角を担っており、インカム投資家にとって魅力的な配当株としての地位を確立しています。

また、ネクステラ・エナジーは、長期的な成長の基盤を固め、再生可能エネルギー市場におけるリーダーシップを維持し続けるために、持続的な投資を行っています。この戦略により、同社は将来的にも持続可能なエネルギー分野での成長を期待されています。

そして、同社は2024年7月24日に2024年第2四半期決算を発表しています。


ネクステラ・エナジー(NEE)最新の2024年度第2四半期決算に関して

ネクステラ・エナジー(NEEは、2024630日に終了した最新の2024年度第2四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPSEPS without NRI)は0.96ドル(前四半期:0.988ドル)、希薄化後のEPSは0.79ドル(前四半期:1.1ドル)、また、1株当たり売上高は2.949ドル(前四半期:2.79ドル)と、いずれの指標でも前四半期比を下回るという着地となっています。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、下記のチャートからも分かる通り、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は11.40%で、過去10年間の年平均成長率は5.90%となっており、中長期的に継続して大きな成長を実現していることが分かります

さらに、今後10年間の同社の業界成長予測は引き続き良好であることから、ネクステラ・エナジーのような再生可能エネルギー企業は、クリーンエネルギー・ソリューションの需要増加から恩恵を受けることが予想されます。

非経常損益項目を除くベースでのEPS

(年間ベース:直近4四半期の合計値

(出所:筆者作成)


関連用語

EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。

非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。

希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。

1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ネクステラ・エナジー(NEE)の財務パフォーマンスに関して

ネクステラ・エナジー(NEE)の財務パフォーマンスを、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC)、加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

まず、過去5年間のROICの中央値は3.91%で、過去5年間のWACCの中央値である3.57%をわずかに上回る着地となっています。

また、より長期的なトレンドを見ると、過去10年間のROEの最高値は21.28%、最低値は7.94%で、同社のROEにばらつきがあることを示唆しています。

さらに、過去10年間のWACCの中央値は3.66%は、現在のWACCの水準である6.97%より低く、同社が経済的価値を創造する能力に影響を与える可能性があります。

しかし、足元のROICとWACCの水準を見てみると、下記のチャートからも分かる通り、短期的にはROICがWACCをわずかに下回っています。

これは、同社が投資した資本に対して得ている利益の率が、その資本の調達コストを下回っていることを示唆しています。

そして、このことから、同社の資本効率が悪化しており、経済的な価値を生み出せていない可能性が示されているようにも見えます。

※基本的には、ROICがWACCを上回ると、企業が投資した資本に対してコスト以上の利益を生み出していることになります。これにより、企業は実際に価値を創出しており、株主にとって魅力的な投資先となります。企業がROICでWACCを上回ることで、持続的な成長や株主へのリターン向上が期待できます。

そのため、ROEのばらつきやWACCの長期的な上昇は、一貫して経済的な価値を生み出す上での同社の課題を示している可能性があります。

以上より、ネクステラ・エナジーの資本配分戦略と経営効率をさらに分析することで、同社の経済的価値創造能力に関するより深い洞察が得られるでしょう。

(出所:筆者作成)


関連用語

総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。

自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。

投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。

ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。

加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ネクステラ・エナジー(NEE)の配当に関して

ネクステラ・エナジー(NEE)は、下記のチャートからも分かる通り、過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は10.90%、過去3年間の成長率は10.10%となっており、一貫した配当の成長を実現しています

さらに、同社は、25年以上にわたり連続して増配を行っていることから、米国配当貴族の一角を担っております。

配当指標に関しては、同社の予想配当利回りは2.56%で、配当性向は58%となっています。

過去10年間の配当性向と比較すると、現在の配当性向の水準は平均的、且つ、健全な水準にあると言えます。

また、過去10年間の予想配当利回りは1.65%から3.64%の範囲で推移しており、現在の予想配当利回りの水準はこの範囲内にあると言えます。

一方で、同社の現在のEBITDA有利子負債倍率は5.60倍と高水準であり、財務リスクの高さと債務返済に関する潜在的な懸念を示唆しています。

基本的には、EBITDA有利子負債倍率は2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すとされています。

そのため、同社は、持続可能な成長を確保し、投資家の信頼を維持するために、負債水準をより適切に監視・管理するように努めるべきであると言えます。

以上より、高水準のEBITDA有利子負債倍率を考慮すると、投資家はネクステラ・エナジーが将来の債務管理能力と持続的な配当成長を確保できるかどうかを注意深く見守る必要があるでしょう。

予想配当利回り:2.56%

配当性向:58%

配当カバレッジ・レシオ:1.57倍

過去5年間の配当成長率:10.90%

EBITDA有利子負債倍率:5.6倍

DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

(出所:筆者作成)

Dividend Yield:予想配当利回り

(出所:筆者作成)

Dividend Payout:配当性向

(出所:筆者作成)


関連用語

1株当たりの配当金:企業が株主に支払う配当金を、発行されている株式の総数で割った値。これにより、株主が保有する1株あたりに受け取ることができる配当金の金額が示される。

配当成長率:企業が過去数年間にどれだけ配当金を増加させたかを示す割合。配当成長率が高いほど、企業が株主に対して利益を還元する意欲が強いことを示す。

予想配当利回り:企業が次年度に支払うと予想される配当金を現在の株価で割った割合。投資家にとって、どれだけのリターンを配当として受け取ることができるかの見込みを示す。

配当性向:企業の純利益に対して、どれだけの割合を配当金として支払っているかを示す指標。計算は、配当金を純利益で割って算出され、配当性向が高すぎると、企業の成長投資に使える資金が減少する可能性がある。

EBITDA有利子負債倍率:EBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)に対する有利子負債の割合を示す。企業の有利子負債が利益によってどれだけカバーできるかを示す指標で、低いほど財務的な健全性が高いとされている。

配当カバレッジ・レシオ:企業の利益が、支払われる配当金をどれだけ上回っているかを示す指標。計算は、利益(通常は純利益かEBITDA)を配当金で割ることで算出され、配当カバレッジ・レシオが高いほど、配当が持続可能であると考えられている。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ネクステラ・エナジー(NEE)のバリュエーションに関して

ネクステラ・エナジー(NEEの現在の株価は80ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である94.86ドルよりも低いことから、同社の現在の株価は割安である可能性を示しています。

一方で、株価売上高倍率やEV/EBITDA倍率は業界平均を上回っており、これらの指標からは同社の株価が割高である可能性が示唆されています。

また、実績PERは過去5年および過去10年の平均よりやや高く、実績ベースの収益に基づくと株価が相対的に高い可能性があります。

一方で、予想PERは実績PERより低く、将来的な収益成長が期待できることを示唆しています。

総じて、ネクステラ・エナジーは業界平均に比べてプレミアム価格で取引されているようですが、予想PERが将来の成長の可能性を示唆しているようにも見えます。

以上より、投資家は、ネクステラ・エナジーの株式を評価する際には、同社の成長見通しや業界のトレンドを考慮するべきでしょう。

(出所:筆者作成)


上記グラフにおける関連用語

Price:現在の株価

Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値

DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価

DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価

Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価

Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価

赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値


関連用語

実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。

株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。

株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。

EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。

PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。

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ネクステラ・エナジー(NEE)のリスクとリターンに関して

ネクステラ・エナジー(NEEのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います

まずマイナス面では、過去3年間で新たに発行された296億ドルの長期債務は、同社のレバレッジや債務管理能力に対する懸念を呼び起こしています。

さらに、営業損失と低い税率は、財務の不安定さや利益成長の持続可能性に疑問を投げかけているようにも見えます。

加えて、資産が急速に増加している一方で、売上高の成長が追いついていないことから、効率性の低下が示唆されています。

また、同社インサイダー(内部関係者)による同社株式の売却や1株当たりの売上高の減少も、同社株式への投資リスクを高める要因となっています。

また、株価が1年来の高値に近づいていることや株価売上高倍率がピークに達しつつあることから、バリュエーションに対する懸念も浮上しています。

さらに、上述の通り、足元のROICがWACCを下回っていることは、資本効率の悪さを示しています。

さらに、2.56%という歴史的に見てやや低い配当利回り水準や、1.23という低いアルトマンのZスコアは、財務リスクを一層際立たせてています。

ベニッシュのMスコアが低いことは会計操作のリスクが低いことを示しているものの、上述の要因を考慮すると、ネクステラ・エナジー株式には一定のリスクがあると言えるでしょう。


関連用語

財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。

アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。

ベニッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。

ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ネクステラ・エナジー(NEE)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

過去12ヵ月間、ネクステラ・エナジー(NEE)のインサイダーによる同社株式の取引は比較的少なかったようです。

この期間中に、インサイダーによる株式の購入は2件、売却は5件確認されており、同社の取締役や経営陣の間で意見が分かれている可能性が伺えます。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率は0.25%と低く、インサイダーによる同社株式の直接的な保有が限られていることを表しています。

一方、機関投資家による同社株式の保有比率は76.52%と非常に高く、機関投資家が同社に対して強い信頼を寄せていることがわかります。

以上より、同社のインサイダー取引のトレンドを分析すると、過去1年間でインサイダーは同社の株式を購入するよりも売却する傾向が強かったことが示されています。

このことから、インサイダーの間で同社に対する前向きな見通しが薄れているのか、或いは、何らかの懸念があることが示唆されているのかもしれません。

投資家は、今後も継続してネクステラ・エナジーのインサイダーによる同社株式の取引を注視し、経営陣が業績や将来にどれだけ自信を持っているかを見極める必要があるでしょう。

(出所:筆者作成)


関連用語

インサイダーによる自社株式の保有比率:企業の経営陣や役員、主要株主(一般的に10%以上の株式を保有する人)が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。インサイダーが多くの株式を保有している場合、彼らが企業の将来に自信を持っていると見なされることが多い。

機関投資家による株式の保有比率:投資ファンドや保険会社、年金基金などのプロの機関投資家が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。機関投資家の保有比率が高いと、その企業が市場で信頼されていると判断されることがある。


ネクステラ・エナジー(NEE)の流動性に関して

ネクステラ・エナジー(NEEの流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は5,175,701株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は8,562,465株となっており、同社株式に対する一貫した取引があることを示唆しています。

そのため、流動性を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっているように見えます。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は40%となっており、取引活動の約半分がダークプールで行われていることを示しています。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性があります。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性があります。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言えます。

全体として、ネクステラ・エナジーは流動性が高く、一貫した取引活動が行われていることからも、流動性を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっているように見えます。


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