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12 - 08 - 2023

やや強気
ONEOK
やや強気
2024年の成長見通しが堅調で、配当利回りも十分にカバーされおり、最近の買収により同社の原油事業がさらに強化されていることから、同社に対して強気で見ています。
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ワンオーク / OKE / 予想配当利回り5.6% / 強気:高配当エネルギー銘柄の株価分析と今後の見通し(前編)

ヴェンカット・ ラガーヴァンヴェンカット・ ラガーヴァン
  • 世界の人口増加は、エネルギー商品への需要増に繋がると予想されている。
  • 中流(Midstream)企業は安定したオペレーションを維持し、高い利回りを提供している。
  • ここでは、5.6%の予想配当利回りを誇る中流企業、ワンオーク(OKE)を取り上げたい。

はじめに

世界人口が増え続ける中、エネルギー安全保障の確保は、多様な社会の拡大するニーズを維持し、経済発展を促進し、希少なエネルギー資源をめぐる競争から生じる地政学的緊張を緩和するために、ますます重要になっている。

国際エネルギー機関(IEA)は、2050年のエネルギー源は炭化水素が主流になると予測し続けていることから、私たちは、慎重に選択した自らの投資を通じて、この粘り強い需要から利益を得たいと考えている。

エネルギー投資家としては、下記の3つのセクターから選択することになる。

  1. 上流部門(Upstream):石油・ガス価格に直接連動して利益を上げる探鉱・生産会社。 そのため、株価は変動しやすい。

  2. 下流部門(Downstream):原油や天然ガスの精製を行い、ガソリン、暖房油、塗料などの製品に加工する。これらの事業は、原料であるエネルギーと生産物である精製品の価格差という、異なる変動要因に直面する。需給次第では、スプレッドは乱高下し、予測不可能なものになる可能性がある。

  3. 中流部門(Midstream):炭化水素を安全に貯蔵、輸送、処理するためのインフラを所有し、維持している企業である。中流企業は、何マイルものパイプライン、貯蔵能力、分留施設を所有し、商品価格に連動するのではなく、手数料ベースの契約を通じて業界にサービスを提供している。

地球から採掘された原料炭化水素は全て精製業者に運ばれ、処理されなければならない。

その後、商品を貯蔵し、輸出するために港まで輸送する必要がある。

これら全てを行うのが中流企業である。

中流企業はその資産で石油業界にサービスを提供し、商品や原料を直接生産することはない。

そのため、商品価格に左右されることはないのである。

エネルギー・パイプラインは、多くの点で有料道路の所有に似ている。

建設には時間と資本支出がかかるが、一度、大仕事を終えれば、あとはインフラを利用する人々から料金を徴収することができるからである。

気候変動に焦点を当てた法律や、エネルギー・パイプライン・プロジェクトに対する実質的な反対もあり、新しいパイプラインの政府承認を得ることは重要な課題である。

これは成長の妨げになる一方で、設備投資や競合他社を抑制することにも繋がる。

ここでは、地道な事業で高い利回りを期待できる中流企業2社に注目したい。

ワンオーク(OKE:年間予想配当利回り:5.6%)

ONEOK(OKE:ワンオーク)は、天然ガス液(NGL)および天然ガスパイプラインの50,000マイルのネットワークで、鉱物資源の豊富な盆地と国内の主要市場の中心地を結び、全米の精製能力の50%以上に対応している米国の大手中流企業である。

同社は、従来、天然ガスとNGLの供給に注力してきたが、2023年9月25日に完了したマゼラン・ミッドストリーム・パートナーズの買収により、原油と精製品の事業を拡大した。

(出典:2023年度第3四半期投資家向けプレゼンテーション資料

同社の輸送能力の95%以上は契約輸送であり、顧客は帯域を利用するか否かにかかわらず、料金を支払う必要がある。

これにより、同社の収益の安定性と予測可能性が高まるという仕組みになっている。

2023年度の調整後EBITDAは50億ドルから51億ドルを見込んでおり、年間配当17億ドルを十分にカバーすることができる。

同社は投資適格BBB級のバランスシートを維持し、25年以上にわたって安定した増配を続けている。

現在の四半期配当は年率5.6%の利回りであり、2024年度の調整後EBITDAは60億ドルで、レバレッジ比率は4倍を下回ると予測している。

同社は手数料ベースの事業を展開しているため、コモディティ価格の変動に左右されないのが特徴である。

過去10年間、ウェスト・テキサス・インデックスのボラティリティが高いにもかかわらず、同社は一貫して調整後EBITDAを伸ばしてきた。

これこそ、持続可能な配当収入を得るために活用すべき中流事業の強みである。

(出典:同社投資家向け資料)

安定した5.6%の利回りからも、同社株式は、インカム・ポートフォリオに加えるのに最適な銘柄であると考える。

また、投資家は、同社の事業拡大プロジェクトが始動するにつれて、このキャッシュフロー・マシンから、継続的に一定の配当の増額が期待できるだろう。

※続きは「ウィリアムズ・カンパニーズ / WMB / 予想配当利回り5% / 強気:高配当エネルギー銘柄の株価分析と今後の見通し(後編)」をご覧ください。