やや強気オン・セミコンダクターすべて表示オン・セミコンダクター(ON)最新の2024年2Q決算発表:業績は好調も株価急落!今後の株価見通しと将来性を徹底分析!
ダグラス・ オローリン- 本稿では、2024年7月29日に発表された、オン・セミコンダクター(ON)の最新の2024年第2四半期決算を分析していきます。
- 最新の決算では、調整後EPSが市場予想を上回り、売上高も微増するなど、概ね良好な業績を報告しています。
- 自動車部門は前年比で売上高が15%減少したものの、産業部門では市場の安定化の兆しが見られました。
- 同社は在庫管理を成功させ、SiC技術を活用した競争力強化を進めており、今後の長期的な成長ガイダンスに基づけば、同社の株価には35%以上の上昇余地があるように見えます。
オン・セミコンダクター(ON)の最新の2024年度第2四半期決算に関して
2024年度第2四半期決算
・調整後EPS:0.96ドル(ファクトセット予想:0.92ドル)
・売上高:17億4,000万ドル(ファクトセット予想:17億3,000万ドル)
2024年度第3四半期ガイダンス
・EPS:0.91ドルから1.03ドル(ファクトセット予想:0.97ドル)
・売上高:17億ドルから18億ドル(ファクトセット予想:17億8,000万ドル)
・Non-GAAPベースの粗利益率:44.4%から46.4%
オン・セミコンダクター(ON)2024年7月29日に、最新の2024年度第2四半期決算を発表しており、概ね良好な業績となっているように見えます。
売上高は横ばいからわずかながらの増加が予想され、現在の市場環境で望まれる最大限の結果を達成しているように見えます。そして、皮肉なことに、他社の業績を大きく悪化させた産業部門が同社の業績を支えました。
では、決算説明会の遣り取りで注目すべき点を幾つか見ていきましょう。
(原文)In line with our expectations, automotive revenue declined 11% quarter-over-quarter to $907 million, a decline of 15% over the same quarter last year. From the time we embarked on our transformation in Q4 2020, which included a strategic shift to focus on automotive, our automotive revenue has nearly doubled, largely driven by increasing content for vehicle electrification and ADAS. Our industrial revenue was $468 million, down 2% sequentially and 23% versus the second quarter of 2023. As we noted in our Q1 call, we are seeing pockets of stabilization in this market.
(日本語訳)予想通り、自動車部門の売上高は四半期ごとに11%減少し、9億700万ドルとなり、前年同期比では15%減少しました。2020年第4四半期から自動車分野に注力する戦略転換を始めて以降、自動車関連の売上高はほぼ倍増し、主に車両の電動化とADASの増加が要因です。産業部門の売上高は4億6,800万ドルで、前四半期比で2%の減少、前年同期比で23%の減少となりました。しかし、第1四半期の発表で述べたように、この市場には安定化の兆しが見られます。
全体として、オン・セミコンダクターは在庫管理をうまく行い、SiCの目標を達成しており、さらに、同社の産業部門の予想外の好調さに私は驚かされました。自動車部門はほぼ底に近い状況にあると思いますが、産業部門がどのような展開を見せるかはまだ分かりません。
※SiC(シリコンカーバイド):主に電力半導体デバイスに使用される材料であり、オン・セミコンダクターの製品ポートフォリオにおいて重要な役割を果たしている。同社は、SiC技術を活用して、特に高効率な電力変換が求められる市場での競争力を強化している。
また、私は下記の財務モデル(Financial Model)をそのままの通り考慮し、同社の本来の価値を見極めたいと考えています。
財務モデルの加速
(出典:2024年第2四半期決算資料より)
※Revenue:売上高
※Gross Margin:粗利益率
※Operating Expenses:営業費用
※Operating Margin:営業利益率
※CapEx:資本的支出
※Free Cash Flow:フリー・キャッシュフロー
皮肉なことに、通常このような企業は長期的なガイダンスに沿った水準で取引されることが多いですが、私は今回は違うと思っています。もし彼らがその長期ガイダンスを達成すると考えるなら、下記の私の簡単なバリュエーションの計算からご覧いただけるように、現在の株価である70ドル近辺と比較すると、同社の株価には35%以上の上昇余地(Price Upside:97.15ドル)があるのではないかと考えており、オン・セミコンダクターは魅力的な投資先になってきていると見ています。
関連用語
※Revenue:売上高
※Growth:成長率
※Operating Margin:営業利益率
※EBIT:利払前・税引前利益
※FCF Margin:フリー・キャッシュフロー・マージン
※FCF (Billion):フリー・キャッシュフロー(10億ドル単位)
※Discount Period:割引期間
※Disc. FCF:割引後フリー・キャッシュフロー
※Discount Rate:割引率
※Exit Multiple:期間終了時の株価倍率
※FCF in Period:期間内のフリー・キャッシュフロー
※Exit FCF:期間終了時のフリー・キャッシュフロー
※Total EV:企業価値合計
※Debt:負債
※Cash:現金
※Market Cap:時価総額
※Shares:株式数
※Value per Share:1株当たりの価値
※Price Upside:株価の上昇余地
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