中立オラクルすべて表示オラクル(ORCL:Oracle)予想配当利回り1.1%・配当性向31%・中立:最新の2024年4Q決算速報&財務分析と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- オラクル(ORCL:予想配当利回り1.14% / 配当性向31%)は、1977年に設立され、データベース技術と企業資源計画(ERP)ソフトウェアを提供するテクノロジー企業。
- 直近の2024年度第4四半期決算では、非経常損益項目を除くベースでのEPSは1.63ドルで、前四半期の0.968ドルから大幅に増加。
- 過去5年間の配当成長率が14.20%で、安定した成長を示しているが、EBITDA純有利子負債倍率が4.06倍と高く、財務面でのリスクが高い点には注意が必要。
オラクル(ORCL)の概要
セクター:ソフトウェア
現在の株価:141ドル
時価総額:3883億9000万ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:110.1ドル
安全マージン:-28.34%
過去5年間の配当成長率:14.20%
次回配当落ち日:2024年7月11日
次回配当支払い日:2024年7月25日
予想配当利回り:1.14%
過去5年間の売上高成長率:12.90%
過去10年間の売上高成長率:9.40%
オラクル(ORCL:予想配当利回り1.14% / 配当性向31%)は、世界中の企業にデータベース技術と企業資源計画(ERP)ソフトウェアを提供しているテクノロジー企業である。
1977年に設立された同社は、初の商用SQLベースのリレーショナル・データベース管理システムのパイオニアである。
現在、オラクルは175カ国に43万社の顧客を持ち、13万6,000人の従業員を抱えている。
そして、同社は2024年6月11日に2024年度第4四半期決算を発表している。
オラクル(ORCL)の収益と成長に関して
オラクル(ORCL)の2024年度第4四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは1.63ドルで、前四半期の0.968ドルをと比較して大幅に増加している。
また、1株当たり売上高も伸びを示し、前四半期の4.711ドルから5.041ドルに達している。
これらの業績は同社の好調な直近四半期の実績を反映しており、全体として前四半期を上回る着地となっている。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は9.00%で、過去10年間の年平均成長率は9.60%となっており、同社の過去10年間の業績は安定しているように見える。
さらに、同社の業界は今後10年間、安定的に成長すると予想されており、同社の将来的な収益ポテンシャルには明るい見通しが示されている。
全体として、オラクルの最新四半期決算は、ハイテク業界の有望な成長と安定性を示した内容となっている。
オラクル(ORCL)の配当に関して
オラクル(ORCL)は長年にわたり一貫した配当支払い金額における成長を示しており、過去5年間の配当成長率は14.20%で、過去3年間の配当成長率は15.40%と安定した成長を示している。
また、予想配当利回りは1.14%で、配当を通じた投資家への適度なリターンを反映していると言える。
加えて、同社は、過去数四半期にわたり一貫して1株当たり0.4ドルの配当金(DPS)を支払っている。
しかし、EBITDA純有利子負債倍率は4.06倍で、理想的な基準値である2倍を上回っている。
これは、同社のEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)に対する負債負担が大きく、財務面でのリスクが高いことを示しており、今後の同社の経営、並びに、継続した配当の支払いに影響を与える可能性がある点には注意が必要である。
そして、同セクターと比較すると、同社の配当の成長率は評価できるが、EBITDA純有利子負債倍率が高いため、同社の財務レバレッジが懸念されるというのも現状である。
以上より、投資家は、長期的に持続可能な配当支払いを確保するために、オラクルが負債水準を効果的に管理する能力があるかを監視する必要があるだろう。
予想配当利回り:1.14%
配当性向:31%
配当カバレッジ・レシオ:2.32
過去5年間の配当成長率:14.20%
EBITDA純有利子負債倍率:4.06倍
オラクル(ORCL)のバリュエーションに関して
オラクル(ORCL)の現在の株価は141ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である110.1ドルを上回っており、割高感を示している。
また、株価売上高倍率は7.52倍となっており、投資家が同社の売上高に対して、大きなプレミアムを支払うことを望んでいることを示唆している。
加えて、EV/EBITDA倍率も21.31倍となっており、EBITDAに基づくと、株価が比較的割高なバリュエーションで取引されていることを示している。
これらのレシオを同社の過去5年平均、10年平均、業界平均と比較すると、同社の株価は現在割高なバリュエーションで取引されていることがわかる。
以上より、足元の高いバリュエーションからも、短期的には更なる上昇の可能性が限られている可能性があるため、このような高いバリュエーションでポジションを取得する際には、投資家はより一層慎重になるべきである。
オラクル(ORCL)のリスクとリターンに関して
オラクル(ORCL)のリスク評価分析では、主に投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まず、同社の総資産は売上高を上回るペースで増加しており、潜在的な非効率性を示している。
また、売上高総利益率は年平均-2.4%で低下しており、収益性の低下を示している。
さらに、インサイダーによる同社株式の売却が活発となっており、インサイダーにより過去3ヶ月間で288万5000株が売却されている一方で、新規の買い付けは確認されていない。
そして、営業利益率も過去5年間、年平均-4.6%で低下している一方で、株価は10年ぶりの高水準に近く、株価売上高倍率も7.52と10年ぶりの高水準となっている。
加えて、予想配当利回りは1.14%と、5年ぶりの低水準に近くなっている。
一方でプラス面では、ベニッシュのMスコアは-2.54となっており、基準値の-1.78を下回っていることから、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示している。
全体として、マージンの減少、割高なバリュエーション指標、インサイダーによす自社株の売却、財務ストレス指標の組み合わせは、オラクルへの投資に関連するリスクについての懸念を提起しているように見える。
オラクル(ORCL)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
オラクル(ORCL)の過去12ヶ月におけるインサイダー取引分析では、インサイダーによる同社株式の買い付けがゼロであったのに対し、インサイダーによる売却は14件確認されており、インサイダーによる自社株売却のトレンドが顕著に見られている。
この高水準のインサイダーによる自社株の売却は、取締役や経営陣を含む同社のインサイダーが、同社株価の将来的なパフォーマンスに自信を持っていない可能性を示している。
また、インサイダーによる同社株式の保有比率は41.89%と高水準にある点にもご留意いただきたい。
一方で、機関投資家の同社株式の保有比率は27.43%と相対的に低く、機関投資家の存在感が薄いことを示している。
全体として、インサイダー取引のトレンドと保有比率のトレンドからは、同社インサイダーと機関投資家の間でオラクルの見通しに対する慎重な見通しがあることを示唆している。
そのため、投資家は同社に関する投資判断を下す際、これらの要因を慎重に考慮する必要があるだろう。
オラクル(ORCL)の流動性に関して
オラクル(ORCL)の流動性は高く、過去2ヶ月間の1日の平均出来高は8,103,967株で、直近営業日の1日の出来高はは10,438,643株となっており、継続して活発な取引が行われていることが分かる。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は41.53%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
全体として、オラクルの流動性は十分なように見えるが、投資家はダークプール取引が値動きに与える影響に留意する必要があるだろう。
そして、高い取引量と1日の平均取引量は、同社が活発な取引を行う流動性の高い銘柄であることを示唆しており、流動性の高い銘柄を探している投資家にとって魅力的な銘柄となる可能性がある。
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