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07 - 18 - 2024

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ペプシコ
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各バリュエーション指標の業界平均水準と同程度か、わずかに下回る水準で取引されており、割安感があるように見える。
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ペプシコ(PEP)の将来性:予想配当利回りは3.29%で配当性向は65%!最新の2024年第2四半期決算は好調も株価は割安?

イアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、ペプシコ(PEP:配当王・予想配当利回り 3.29%・配当性向 65%・1株当たり配当金7.92ドル)の2024年7月11日に発表された最新の2024年度第2四半期決算と配当推移に関するトレンド、さらに、同社の財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。 
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • ペプシコはスナックと飲料の世界的リーダーであり、ペプシ、マウンテンデュー、ゲータレードなどのブランドを所有しています。
  • 同社は直近発表した2024年度第2四半期決算で堅調な成長を示し、また、過去52年間連続して増配を実施している米国株配当王の一角を担っています。
  • 同社の現在の株価は164ドルである一方で、弊社算出の一株当たり本質的価値は191.48ドルとなっていることから、現在の株価には割安感があるように見えます。

ペプシコ(PEP)の概要

セクター:飲料(ノンアルコール)

現在の株価:164ドル

時価総額:2,263億1,000万ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:191.48ドル

安全マージン:13.95%

過去5年間の配当成長率:6.50%

配当落ち日:2024年6月7日

配当支払い日:2024年6月28日

予想配当利回り:3.29%

過去5年間の売上高成長率:8.40%

過去10年間の売上高成長率:4.60%

ペプシコ(PEP:配当王 / 予想配当利回り 3.29% / 配当性向 65%)はスナックと飲料の世界的リーダーで、ペプシ、マウンテンデュー、ゲータレード、レイズ、チートス、ドリトス等の、世界でよく知られた家庭用ブランドを所有している。

同社は世界のスナック市場を支配している一方で、炭酸飲料(CSD)、水、スポーツドリンク、エナジードリンクなど多角的な事業展開で、コカ・コーラ(KO)に次ぐ世界第2位の飲料メーカーでもある。

コンビニエンス食品が総売上の約55%を占め、残りを飲料が占めている。

また、同社は米国と海外に製造・販売能力の大部分を所有しており、海外市場は総売上高の40%、営業利益の3分の1を占めている。

そして、同社は2024年7月11日に2024年度第2四半期決算を発表している。

さらに、同社は過去52年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。


ペプシコ(PEP)の収益と成長に関して

ペプシコ(PEPの2024年度第2四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は2.28ドル(前四半期:1.61ドル)、希薄化後のEPSは2.23ドル(前四半期:1.48ドル)となっており、前四半期と比較していずれも大幅な増加となっており、堅調な成長トレンドを示していると言える。

また、1株当たり売上高も16.317ドルと、前四半期の13.225ドルと比較して成長を示している。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は6.60%で、過去10年間の年平均成長率は5.20%となっており、同社は中長期にわたり、継続して力強い業績を実現していることが分かる。

また、今後10年間、同社業界は安定した成長を遂げると予想されていることからも、同社の業績には明るい見通しがあると言える。

以上より、ペプシコは、一貫した利益成長と堅調な財務実績により、市場におけるレジリエンスを示しており、長期的な投資先として魅力的な選択肢となっているように見える。

※チャート上の値は年間ベースであり、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の直近4四半期の合計値


ペプシコ(PEP)の財務パフォーマンスに関して

ペプシコ(PEP)の財務パフォーマンスを、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきたい。

まず、過去5年間のROICの中央値は11.63%となっており、これは同社が投下資本に対して11.63%のリターンを生み出していることを示している。

これを過去5年間のWACCの中央値である5.07%と比較すると、ROICがWACCを上回っていることから、同社は大きな経済価値を生み出していることがわかる。

ROEも堅調で、過去5年間の中央値は50.90%となっており、効率的な資本配分と収益性を示唆している。

過去10年間のROEのトレンドを見ても、最低水準では31.22%、最高水準では98.52%と、継続して高いパフォーマンスを実現していることが分かる。

さらに、ROICも8.94%から22.32%の範囲で推移しており、こちらも継続して高いパフォーマンスを達成していると言える。

そして、WACCは長年にわたり比較的安定しており、一貫した資本コストを示している。

全体として、継続して資本コストを上回るリターンを生み出すペプシコの能力は、資源の効果的な管理と株主への価値創造を実現していることを示唆している。


ペプシコ(PEP)の配当に関して

ペプシコ(PEP)は、過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は6.50%で、過去3年間の配当成長率は7.10%となっており、さらに、同社は52年間連続で増配しており、米国株配当王の一角を担っている。

また、現在の予想配当利回りは3.29%で、投資家にとって配当を通じた健全なリターンを提供していることを示している。

一方で、EBITDA純有利子負債倍率は2.75倍と中程度の範囲にあり、同社が利益に対して妥当な水準の負債を抱えていることを示唆している。

ただし、この比率は驚くほど高いという訳ではないが、同社業界の動向を考えると、今後の同行には一定の注意を払う必要があるかもしれない。

さらに、配当性向は65%となっており、同社が利益の妥当な部分を配当として株主に分配しており、将来の増配の可能性を残していることを示している。

現在の配当性向を過去の最高・最低水準と比較すると、同社は現在、持続可能な範囲内で推移していることがわかる。

全体として、ペプシコの配当実績は堅調で、安定した配当の成長率と管理可能な負債水準となっているように見える。

ただし、投資家は、同社が負債と収益の健全なバランスを維持しているかを確認するために、今後もEBITDA純有利子負債倍率を注視すべきであろう。

予想配当利回り:3.29%

配当性向:65%

配当カバレッジ・レシオ:1.34

過去5年間の配当成長率:6.50%

EBITDA純有利子負債倍率:2.75倍


ペプシコ(PEP)のバリュエーションに関して

ペプシコ(PEP)のは現在の株価は164.76ドルで取引されており、弊社算出の一株当たり本質的価値である191.48ドルよりも下回って取引されていることから、割安で取引されている可能性がある。

また、直近過去12カ月間の実績ベースのPERは23.91倍で、同様に直近過去12カ月間の実績ベースの株価売上高倍率は2.48倍、直近過去12カ月間の実績ベースのEV/EBITDA倍率は16.09倍となっている。

さらに、直近過去12カ月間の実績ベースのPEGレシオは4.08となっており、株価フリー・キャッシュフロー倍率は32.39倍となっている。

加えて、予想PERは20.25倍となっており、同社は本質的価値より若干割安な水準で取引されているように見える。

これらの指標を5年平均、10年平均と比較すると、同社は株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率と予想PERの観点からやや割安と思われる。

各指標の業界平均水準は異なるが、同社はこれらの評価指標において同社業界の水準と同程度か、わずかに下回る水準で取引されている。

以上より、全体として、現在のペプシコの株価は、同社へのロングポジションを新たに取得しようと検討している投資家にとって、妥当なエントリー・ポイントを提供しているように思われる。


ペプシコ(PEP)のリスクとリターンに関して

ペプシコ(PEPのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、長期債務残高は過去3年間で29億ドルと増加しており、潜在的な流動性リスクが高まっているように見える。

さらに、営業利益率は年平均-2.8%で一貫して低下しており、収益性の低下を示している。

加えて、過去3ヵ月間には、1万2,248株のインサイダーによる同社株式の売却が確認されており、これはインサイダーが同社株式の今後の見通しに対して自信を持っていないことを示唆している可能性がある。

一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアが7となっており、また、アルトマンのZスコアも3.98であることから、健全な財務状況と倒産の可能性が低いことを示している。

さらに、ベニッシュのMスコアは- 2.58となっており、同社が利益操作を行っている可能性が引くことを示唆している。

加えて、PBRとPERは3年ぶりの低水準に近く、潜在的な割安感を示している。

そして、上記のチャートにもある通り、予想配当利回りも3年ぶりの高水準に近く、投資家に配当を通じて魅力的なリターンを提供している。

全体として、ペプシコにはいくつかのリスクがあるが、強力な財務指標とバリュエーション水準は、ある程度の安定性と今後の成長の可能性を示唆しているように見える。


ペプシコ(PEP)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

過去12ヶ月間、ペプシコ(PEP)のインサイダーによる同社株式の買い付けはなかったが、インサイダーによる同社株式の売却は5件あり、同社の役員や経営陣の間で弱気なセンチメントがあることを示している。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.47%である点にはご留意いただきたい。

一方、機関投資家の同社株式の保有比率は43.53%と比較的高く、機関投資家が同社株のかなりの部分を保有していることを示している。

このトレンド分析は、同社に対する内部関係者の慎重な見通しと、機関投資家のより強い関心といった構図を示している。

以上より、投資家は、ペプシコへの投資を判断する際には、これらの要因も考慮するとよいだろう。


ペプシコ(PEP)の流動性に関して

ペプシコ(PEP)の直近営業日の1日の出来高は4,059,266株で、過去2ヶ月の1日の平均出来高は5,390,852株となっており流動性は継続して高い水準にあることが分かる。

また、同行株式のダークプール指数(DPI)は36.91%で、取引活動の大部分がダークプールで行われていることを示している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。

全体として、ペプシコは強い流動性と取引活動を示しており、トレーダーや投資家にとって流動性の高い魅力的な投資対象となっていると言える。

ペプシコ(PEP)の米国における特許取得に関して

2019年から2024年にかけて、ペプシコ(PEP)は米国で合計292件の特許を取得している。

各年の取得特許数は変動しており、最も多かったのは2019年の59件、最も少なかったのは2024年の37件となっている。

全体として、2022年にはわずかに増加したものの、2019年から2024年までの取得特許数は全般的に減少傾向にある。


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