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02 - 05 - 2024

やや強気
ファイザー
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全体として、ファイザーは弊社算出の本質的価値とPEGレシオからは割安に見えるが、投資家は相対的に高い実績PERと株価売上高倍率を考慮して分析すべきである。
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ファイザー(PFE)今後の株価見通しとは?最新の2023年第4四半期決算分析を通じて将来性に迫る!

イアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、ファイザー(PFE:予想配当利回り6.24%・配当性向90%・1株当たり配当金0.42ドル)の2024年2月6日に発表された最新の2023年度第4四半期決算と配当推移に関するトレンド、さらに、同社の財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • ファイザー現在の株価は26ドルで本質的価値と比較して割安に見える一方で、予想配当利回りは6.24%と高い水準にあり、安定した配当成長を示しています。
  • 2023年第4四半期の収益は前四半期と比較して改善したものの、前年同期を下回り、長期的には革新薬の開発と市場シェア拡大が成長の鍵とされています。
  • インサイダー取引は少ないものの、機関投資家による高い保有率が見られ、流動性も中程度で取引の多くはダークプールで行われています。

ファイザー(PFE)の概要

セクター:医薬品

現在の株価:26ドル

時価総額:1,520億6,000万ドル

一株当たり本質的価値:38.57ドル

安全マージン:30.18%

5年間の配当成長率:4.60%

配当落ち日:2024年1月25日

配当支払い日:2024年3月1日

予想配当利回り:6.24%

5年間の売上高成長率:17.80%

10年間の売上高成長率:6.00%

ファイザー(PFE:予想配当利回り6.24%)は世界最大級の製薬会社であり、年間売上高は500億ドル近い(COVID-19製品の売上を除く)水準となっている

かつては多くの種類のヘルスケア製品や化学薬品を販売していたが、現在は処方薬とワクチンが売上の大半を占めている。

トップセラーには、肺炎球菌ワクチン「プレブナール13」、抗がん剤「イブランス」、心血管系治療薬「エリキス」などがある。

ファイザーはこれらの製品を世界的に販売しており、海外売上高は総売上高の50%近くを占めている。

そして、海外売上高の中では、新興市場が大きな貢献をしている。

また、同社は2024年2月6日に2023年第4四半期決算を発表している。

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ファイザー(PFE)の収益と成長に関して

ファイザー(PFE)は、前四半期の一株当たり0.17ドルの損失に対して、2023年第4四半期の一株当たり0.1ドルの利益を報告しており、同社の業績は前四半期から大幅に改善した。

しかし、1株当たり1.14ドルの利益を計上した前年同期と比較すると、まだ低い水準にあることが分かる。

売上高に関しては、同社は2023年第4四半期に1株当たり2.523ドルを計上し、前四半期の2.344ドルをわずかに上回ったが、1株当たり売上高は4.228ドルに達した前年同期に比べ大幅に減少している。

長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでの過去5年間のEPSの年間平均成長率(CAGR)25.50%で、10年間の年平均成長率は5.90%を達成している。

これらの数字は、過去10年間の同社の成長率が中程度であったことを示している。

業界の成長予測では、医薬品業界は今後10年間、医療ニーズの増加、高齢化、医療技術の進歩などの要因によって安定した成長が見込まれている。

この成長は、同社が市場シェアを拡大し、売上高を増加させる機会を提供することが期待される。

過去の財務レバレッジの度合いについては、同社は長年にわたり比較的安定した財務構造を維持してきた。

同社が成長できるかどうかは、革新的な医薬品を開発し続け、新市場に進出し、コストと投資を効果的に管理できるかどうかにかかっている。

全体として、ファイザーの2023年第4四半期の収益は前四半期と比較して改善したものの、収益と売上を伸ばすという課題には依然として直面していることが伺える。

しかし、業界の成長見通しが良好で、財務レバレッジが安定している同社は、将来の機会を活用し、長期的な成長を促進する可能性を秘めているように見える。


ファイザー(PFE)の配当に関して

ファイザーは、過去5年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は4.60%であり、過去3年間では、3.60%の成長率を維持している。

このことは、同社が長期にわたって株主に配当金の増額を約束することを示している。

財務の健全性に関しては、同社のEBITDA有利子負債倍率は6.95と低い水準にあり、これは、同社が強固なバランスシートを有し、債務を容易に返済できることを示唆している。

さらに、ファイザーは6.24%という比較的高い予想配当利回りを提供しており、これは、投資家が配当金の支払いを通じて大きなリターンを期待できることを意味する。

直近の四半期を見ると、ファイザーは現金で1株当たり0.42ドルの配当を支払っており、この配当の権利落ち日は2024年1月25日で、支払日は2024年3月1日となっている。

これは、定期的な配当金分配で株主に報いるという同社のコミットメントを示すものであるように見える。

さらに、同社の配当実績をセクターと比較すると、ファイザーが競争力のある配当利回りを提供していることがわかる。

以上より、配当収入を優先する投資家は、特に同じセクター内の他の企業と比較した場合、ファイザーの配当支払いに魅力を感じるかもしれない。

予想配当利回り:6.24%

配当性向:90%

配当カバレッジ・レシオ:0.22

5年間の配当成長率:4.60%

EBITDA有利子負債倍率:6.95

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ファイザー(PFE)のバリュエーションに関して

ファイザーの現在の株価は26.93ドルであり、弊社算出の一株当たり本質的価値である38.57ドルより低く、株価が過小評価されている可能性を示している。

また、PEGレシオは0.69となっており、予想される利益成長率に対して株価が割安である可能性を示唆している。

一方で、実績PERは74.81となっており、投資家が1ドルの利益に対して高い価格を支払うことを望んでいることを示唆している。

さらに、株価売上高倍率は2.62となっており、投資家が売上高1ドルに対して2.62ドルを支払うことを望んでいることを示しており、これは5年および10年の平均よりも高い。

加えて、EV/EBITDAレシオは18.73で、業界平均と比較してEBITDAの高倍率で取引されていることを示している。

全体として、ファイザーは弊社算出の本質的価値とPEGレシオからは割安に見えるが、投資家は相対的に高い実績PERと株価売上高倍率を考慮して分析すべきである。

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ファイザー(PFE)のリスクとリターンに関して

同社株のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。

第一に、同社の税率は平均より低いようであり、短期的には収益を押し上げるかもしれないが、長期的には持続可能でないかもしれない点にはご留意いただきたい。

第二に、売上総利益率は年平均-4.4%のペースで低下しており、潜在的な収益性の課題を示しているように見える。

さらに、配当性向は90%と高く、配当が持続可能でない可能性も示唆している。

加えて、1株当たり売上高も過去12ヵ月で減少している。

そして、投下資本利益率は加重平均資本コストを下回っており、資本配分の非効率性を示唆している。

また、アルトマンZスコアの2.34はグレーゾーンにあり、同社が財務上のストレスを受けている可能性を示唆している。

致命的なしきい値である1.8を下回ってはいないものの、投資家は注意を払う必要がある。

一方、プラス面では、BeneishのMScoreは-2.74で、同社が利益操作を行っている可能性は低いことが分かる。

また、営業利益率は拡大しており、これは一般的にポジティブな兆候である。

さらに、PBR、株価、株価売上高倍率は10年来の低水準に近く、潜在的なバリュー機会を示唆している。

そして、配当利回りも10年来の高水準に近づいている。

結論として、ファイザーにはいくつかの注意すべきポイントがある一方で、考慮すべきポジティブな要素もあるのが現状である。

投資家は、投資判断の前に上記のリスクとリターンを慎重に検討すべきである。


ファイザー(PFE)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

ファイザーの過去12ヶ月間のインサイダーによる同社株四の取引は限られており、2件のインサイダー買い取引と1件のインサイダー売り取引のみであった。

これは、同社の取締役や経営陣が積極的に株式を売買していないことを示唆している。

また、ファイザーのインサイダー所有率は僅かに0.28%で、同社株式のごく一部がインサイダーによって所有されている点にはご留意いただきたい。

一方で、ファイザーの機関投資家保有比率は46.16%と高く、同社株式のかなりの部分が投資信託や年金基金などの機関投資家によって所有されていることを示している。

これは、これらの大口投資家が同社の業績と成長の可能性に自信を持っていることを示唆している。

全体として、ファイザーのインサイダー取引は限られている一方で、機関投資家の保有比率が高いことから、大口投資家は同社の業績に信頼を寄せていることが分かる。


ファイザー(PFE)の流動性に関して

ファイザーのダークプール指数(DPI)は30.42%となっており、これは、同社株式の取引活動の大部分がダークプールで行われていることを示している。

※ダークプールとは、機関投資家が公開市場を離れて大量の株式ブロックを取引する私設取引所のこと

また、同社株式の過去2ヵ月間の1日平均出来高は51,241,369株で、直近の取引日の出来高は50,389,963株となっている。

全体として、ファイザーの流動性は中程度であり、取引活動のかなりの部分はダークプールで発生しているようである。

投資家は、株価の取引ダイナミクスと潜在的な価格インパクトを評価する際、これらの要因を考慮する必要がある。

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アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏

📍バリュー・インカム担当

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