07/27/2024

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フィリップ モリス インターナショナル
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フィリップ・モリス(PM)の将来性:予想配当利回りは4.5%!配当性向は90%と高水準も最新の2024年2Q決算は好調!

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  • 本稿では、フィリップ・モリス(PM:予想配当利回り4.57%・配当性向90%・1株当たり配当金1.3ドル)の2024年7月23日に発表された最新の2024年度第2四半期決算と配当推移に関するトレンド、さらに、同社の財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • 同社は、世界有数のたばこ製品メーカーで、約180カ国で事業を展開しており、代表的なブランド「マールボロ」を含む多様な製品ポートフォリオを持っています。
  • 最新のでは、非経常損益項目を除くEPSが1.59ドル、希薄化後のEPSは1.54ドル、1株当たり売上高は6.085ドルといずれも前四半期比で上昇する着地となりました。
  • 同社の過去5年間の非経常損益項目を除くEPSの年平均成長率は3.10%、過去10年間は1.50%であり、今後10年間も成長と収益性の向上が期待されています。

フィリップ・モリス(PM)の概要


レーティング:中立

バリュエーション:フェアバリュー並み

リスクレベル:低リスク


セクター:タバコ製品

現在の株価:113ドル

時価総額:1760億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:110.07ドル

安全マージン:-2.83%

過去5年間の配当成長率:2.80%

前回の配当落ち日:2024年6月21日

前回の配当支払い日:2024年7月8日

予想配当利回り:4.57%

過去5年間の売上高成長率:3.40%

過去10年間の売上高成長率:1.60%

フィリップ・モリス(PM:予想配当利回り4.57%・配当性向90%)は、世界有数のたばこ製品メーカーであり、約180カ国で事業を展開しています。同社は、代表的なブランド「マールボロ」を含む多様な製品ポートフォリオを持ち、世界中の市場で高いシェアを誇っています。特に、フィリップ・モリスは「IQOS」と呼ばれる加熱式たばこ製品を推進し、従来の燃焼型たばこからの転換を図っています。IQOSは、煙を発生させないことで有害物質の排出を抑え、消費者の健康リスクを軽減することを目指しています。

フィリップ・モリスは、2008年にアルトリア・グループ(MO)から分離独立しました。アルトリア・グループは米国内での事業を担当している一方、フィリップ・モリスは米国外の全ての市場で事業を展開しています。この分離により、フィリップ・モリスはグローバル市場に特化した戦略を展開しやすくなり、アルトリア・グループは米国内市場に集中することが可能となりました。

ビジネス上のユニークな特徴として、フィリップ・モリスは科学的研究と技術革新に巨額の投資を行っており、これにより業界内での競争優位性を確保しています。また、同社は持続可能な成長を追求し、環境に配慮した事業運営や社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。さらに、地域ごとの消費者ニーズに対応したマーケティング戦略を展開し、各市場でのブランドロイヤルティを強化しています。投資家にとって、フィリップ・モリスは伝統的なたばこ事業と新興の加熱式たばこ事業をバランスよく運営する企業として、安定した収益と成長性を提供する魅力的な投資先と言えるでしょう。

そして、同社は2024年7月23日に2024年度第2四半期決算を発表しています。


フィリップ・モリス(PM)の最新の2024年度第2四半期決算に関して

フィリップ・モリス(PM、2024年6月30日に終了した最新の2024年度第2四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は1.59ドル(前四半期:1.50ドル)、希薄化後のEPSは1.54ドル(前四半期:1.38ドル)、また、1株当たり売上高も6.085ドル(前四半期:5.655ドル)といずれも前四半期比で上昇しました。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、下記のチャートからも分かる通り、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は3.10%で、過去10年間の年平均成長率は1.50%となっており、足元では緩やかに成長が加速しており、ポジティブな兆候であると言えます。

また、今後10年間の同社業界の成長予測は、同社にとってプラスの軌道を示唆しており、さらなる成長と収益性の潜在的機会を示しているように見えます。

※チャート上の値は年間ベースであり、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の直近4四半期の合計値


フィリップ・モリス(PM)の財務パフォーマンスにに関して

フィリップ・モリス(PM)の財務パフォーマンスを、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC)、加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

まず、同社の財務パフォーマンス指標は、全体として、過去5年間の好調な傾向を示しています。

過去5年間のROAの中央値は17.57%で、同社が資産を効率的に活用していることを強調しています。

さらに、過去5年間のROICの中央値は29.84%で、過去5年間のROCの中央値は179.76%となっており、これらも同社の効果的な資本配分と経済的な価値を生み出す能力を示していると言えます。

そして、これらの指標を現在のWACCの水準である6.13%と比較すると、いずれもWACCを上回っていることからも、同社が経済的価値を生み出すことに成功していることを意味しています。

また、下記のチャートからも分かる通り、過去10年間のWACC、ROICの推移を見てみると、同社の一貫した財務パフォーマンスと経済的な価値を生み出す能力をさらに裏付けていると言えます。

全体として、フィリップ・モリスは継続して効果的に資本を管理し、力強いリターンを生み出し、株主のために経済的価値を創造しているように見えます。


フィリップ・モリス(PM)の配当に関して

フィリップ・モリス(PM)は、過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は2.70%で、過去3年間の配当成長率は2.80%となっています。

また、足元の予想配当利回りは4.57%で、配当収入重視のインカム投資家にとって魅力的なリターンを提供しています。

さらに、配当性向の点では、現在の配当性向は90%と高い水準となっており、一見、今後の継続的な配当支払い能力に対して不安の残る内容であるようにも見えます。

加えて、足元の90%という配当性向の水準は、過去10年来の高水準である101.0%をわずかに下回る水準となっていることからも、今後も継続して配当性向の推移には注目する必要があると言えます。

しかし、たばこ産業自体が成熟した産業であること、さらに、同業他社の配当性向も比較的高いことを踏まえると、一般的に理想の水準とされる60%以下というラインを上回っていても、そこまで懸念材料ではないとの見方もあります。

財務面では、EBITDA純有利子負債倍率は3.52倍と比較的高く、基準である2倍を超えて推移していることからも、今後も同倍率の水準は継続的にチェックをするべきでしょう

特に、同倍率が4.0を超えると財務リスク一層懸念される点にはご留意ください。

全体として、フィリップ・モリスの配当成長率は安定しているが、配当性向が高水準にある点に加え、EBITDA純有利子負債倍率が高いことからも、財務の健全性と持続可能性を確保するため、EBITDAに対する負債水準に今後も注意を払う必要があるように見えます。

予想配当利回り:4.57%

配当性向:90%

配当カバレッジ・レシオ:1.09

過去5年間の配当成長率:2.80%

EBITDA純有利子負債倍率:3.52倍

※DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

Dividend Yield:予想配当利回り

※Dividend Payout:配当性向


フィリップ・モリス(PM)のバリュエーションに関して

フィリップ・モリス(PM)の現在の株価は113ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である110.07ドルをわずかに上回っており、やや割高なバリュエーションであることを示唆しています。

一方で、実績PERは同社業界平均と同水準となっているが、株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率は5年平均と10年平均を下回っており、割安感があると言えます。

さらに、予想PERは実績PERより低いことからも、さらなる収益成長が期待できることを示唆しているように見えます。

全体として、フィリップ・モリスの株価は概ね過去の平均値や同業他社と比べて妥当なバリュエーションで取引されている一方で、予想PERに基づくと、さらなる成長の可能性を示唆しているようにも見えます。


フィリップ・モリス(PM)のリスクとリターンに関して

フィリップ・モリス(PMのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います

まずマイナス面では、同社は過去3年間に総額195億ドルの多額の負債を発行していることから、財務レバレッジと利払い債務が増加する可能性があります。

さらに、同社の総資産は過去5年間、売上高成長率(3.4%)よりも高い成長率(14%)で推移しており、資産活用における非効率の可能性を示唆しています。

また、同社の株価は史上最高値圏にあり、株価売上高倍率も2年来の高水準となっています。

加えて、足元の予想配当利回りは4.57%と依然として高水準を維持しているものの、5年ぶりの低水準に近づいており、配当収入を求めるインカム投資家にとっては、以前と比較した場合、現在の水準からの投資に対する魅力はやや低下しているようにも見えます。

一方でプラス面では、ベニッシュのMスコアは-2.61となっており、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆しており、さらに、アルトマンのZスコアが 3.29であることからも、同社が強固な財務体質を保持していることを示しています。

以上より、投資家は、フィリップ・モリスへの投資判断を下す前に、これらのポイントをより慎重に比較検討すべきであるように見えます。


フィリップ・モリス(PM)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

フィリップ・モリス(PM)のインサイダー取引分析に基づくと、過去12ヶ月間に8件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されている一方で、同期間にインサイダーによる買い付けはありませんでした。

これは、同社の取締役や経営陣を含むインサイダーが同社の株式を売却しており、潜在的にインサイダーが同社の今後の株価見通しに対して自信を持っていないことを示している可能性があります。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.51%である点にはご留意ください。

逆に、機関投資家による同社株式の保有比率は68.03%とかなり高い水準にあり、機関投資家が同社株により大きな存在感を示していることを示唆している。

全体として、インサイダー売りの傾向とインサイダー保有比率の低さは、投資家に同社の将来性に対する懸念を抱かせる可能性がある一方で、リサーチをしっかりと行った上で投資の意思決定をする機関投資家の割合が7割程度になっていることは投資家に安心感を与える内容であると言えます。

以上より、投資家は、フィリップ・モリスへの投資判断を下す前に、これらのインサイダー取引活動をチェックし、市場全体のセンチメントを考慮することが不可欠であると言えます。


フィリップ・モリス(PM)の流動性に関して

フィリップ・モリス(PM)の流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は4,869,504株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は6,842,028株となっており、同社株式に対する一貫した取引があることを示唆しています。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は28.62%となっており、取引活動の一定の部分がダークプールで行われていることを示しています。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性があります。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性があります。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言えます。

全体として、フィリップ・モリスは魅力的な流動性と取引活動を示しており、加えて、ダークプール取引においても顕著な存在感を示していることが分かります。

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