やや強気クアルコムクアルコム(QCOM)の株価下落は押し目買いのチャンス?経営陣が例年12月よりも早く株式報酬を受け取った意味とは?

- 本稿では、足元で株価が下落傾向のクアルコム(QCOM)に関して、同社経営陣が例年の12月のタイミングよりも早く株式報酬を受け取った点を中心に詳細な分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- クアルコムは、今年後半にモバイルSoCの需要が集中し、特に中国のハイエンドスマートフォン市場でシェア拡大が期待されています。
- 経営陣が決算発表前に株式を取得したことからも、株価の上昇と業績予想の上方修正の可能性が意識され、短期的な投資チャンスがあるように見えます。
- クアルコムのSnapdragon Eliteプラットフォームの採用や中国市場での優位性から、クアルコムはリスクに対してリターンが大きい投資先と考えています。
本稿では、注目の米国半導体銘柄であるクアルコム(QCOM)に関する投資アイディアを解説していきます。
短期的に株価が上昇し、大きなパフォーマンスを発揮する理由がいくつかあると感じています。
きっかけとなったのは、アモン・クリスティアーノCEOをはじめとする経営陣が、例年12月のタイミングよりも早く報酬として同社の株式を受け取ったことです。
(出所:BamSEC)
クアルコムは通常11月初旬に決算を発表するのですが、なぜ決算発表前に株式を取得したのか気になり、少し調べてみたところ、簡単な理由に行き着きました。
ミンチー・クオ氏が報じているように、クアルコムのモバイルSoC(システムオンチップ:CPU、GPU、メモリ、通信モジュール、I/Oインターフェースなど、コンピュータや電子機器の機能を一つのチップに集約した半導体のこと)は今年後半に需要が集中し、平均販売価格(ASP)の上昇と市場シェアの拡大が期待されています。
特に中国のハイエンドスマートフォン(最新技術を搭載し、性能や機能が非常に高いスマートフォン)市場でシェアを伸ばし、サムスン電子(005930.KS)向けには独占供給を行う予定です。
(出所:Medium)
私はクアルコムの株価は割安だと思っており、もしこれから大きな転換点を迎えるなら、短期的な戦略的な買いを検討すべき時期かもしれないと見ています。
投資家によっては、短くて1四半期程度の期間での投資を考えるべきかもしれませんし、株価が上昇し、アナリストの予想が上方修正されることで、長ければ1年ほどの期間を視野に入れることもできるでしょう。
私の予想では、今回の決算を受けて予想はすぐに上がる可能性が高いと見ています。
クアルコムは現在、割安であまり注目されていない銘柄です。
しかし、データを見てください。
最大動作周波数はアップル(AAPL)のA18(モバイル向けのプロセッサ)やMediaTekのDimensity 9400(モバイル向けの高性能SoC)を上回っています。
これが単に発熱が大きい効率の悪いチップなのか、それとも世代を超えた驚異的な進化を遂げたのかは不明ですが、非常に注目すべき成果を上げているのは確かです。
(出所:クアルコムのHP)
これらすべてを踏まえると、非常に興味深い状況であると見ています。
同社の株価はこれから動き出しそうで、現在の株価は割安であるように見えます。
さらに、経営陣が株式付与のタイミングを前倒ししたことも示唆的です。
多くの投資家は、中国市場の弱さやアップル向けの部品供給の減少を理由に売りポジションを取っているようにも見えますが、注目すべきプラス要因もいくつかあると考えます。
たとえば、XiaomiがSnapdragon Eliteプラットフォーム(クアルコムが開発したモバイル向けの高性能プロセッサのシリーズ「Snapdragon」の中でも、特にゲーミング性能に特化した機能や技術を搭載したプラットフォーム)を採用したことや、Huaweiが生産効率の問題で5ナノメートルチップを製造できなければ、中国のスマートフォン市場全体がクアルコムに傾く可能性があります。
これらの要因や株式付与の前倒しを考えると、リスクに対してリターンが非常に大きくなる可能性があると見ています。
私はこの投資アイデアを3〜6か月の短期〜中期の戦略として捉えています。
ただし、大統領選挙直後ということで、相場が大きく変動する可能性もあるため、その点は注意が必要でしょう。
では、今後のクアルコムの動向に注目したいと思います!
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