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11 - 02 - 2024

やや強気
レディット
やや強気
レディット(RDDT)は独自の強みを持っており、ユーザー基盤と収益化のさらなる成長が期待されることから、同社株式を長期保有することで、その成長の恩恵を享受するチャンスがあると見ています。
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レディット(RDDT)の将来性:最新決算を受けて株価は40%の大幅上昇もその理由とは?

ジェームズ・ フォードジェームズ・ フォード
  • 本稿では、注目の米国企業であるレディット(RDDT)の2024年10月29日に発表された最新の2024年第3四半期決算の分析を通じて、同社の株価が大幅に上昇した理由、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • レディットは最新の決算において売上高が前年同期比68%増となり、株価は40%も上昇しています。
  • 同社のビジネスモデルは広告、スポンサー付きコンテンツ、プレミアム会員から成り、海外展開を強化してデイリーアクティブユーザー(DAU)数も増加しています。
  • 一方で、広告収入への依存やユーザーエンゲージメントの低下、規制のリスクも抱えており、今後の成長には競争力の維持が必要です。

レディット(RDDT)に関して

レディット(RDDT)はIPOから1年も経たない中で、10月29日に発表された最新の2024年第3四半期決算における好調な業績を受け、株価が40%急騰しています。

この銘柄は売上高成長と利益率の改善を続けており、さらなる成長も期待できそうです。

本稿では、同社に関して、以下の内容について解説していきます:

・ビジネスモデル

・注目する理由

・バリュエーションと目標株価

・リスク要因

・結論

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レディット(RDDT)のビジネスモデル

レディット(RDDT)のビジネスモデルは、広告販売、プロモーションコンテンツ、そしてプレミアムサブスクリプションで構成され、売上高は広告、スポンサー投稿、および広告なしで閲覧できる「Reddit Premium」から生まれています。

2005年に設立された同社は、ユーザー(Redditors)が「サブレディット」と呼ばれるトピック別の掲示板で様々な話題を共有し、議論するための世界最大級のディスカッションプラットフォームの一つです。

テクノロジーやエンタメ、特定の趣味に特化したコミュニティまで、多岐にわたるトピックがあり、多様な会話が活発に行われています。

(出所:The Business Model Analyst)

同社の収益モデルは、主に広告、プレミアム会員、パートナーシップの3つの柱で成り立っています。

ターゲティング広告により、広告主は管理型広告やセルフサービス広告を通じて、特定のコミュニティに効率よくリーチできます。

また、広告なしで閲覧できる「Reddit Gold」と呼ばれるプレミアム会員制度は、定期収益をもたらす重要な要素です。

さらに、企業との提携によるスポンサー付きコンテンツも大きな収益源となっています。

同社の広告収入は2019年の1億1900万ドルから2021年には約2億6170万ドルに増加し、プレミアム会員も堅調に伸び、収益の第2の柱として貢献しています。

レディット(RDDT)の最新の2024年第3四半期決算発表

2024年第3四半期、レディット(RDDT)は前年同期比68%増の3億4840万ドルの売上高を達成し、ウォール街の予想である3億1480万ドルを大きく上回りました。

(出所:レディットの2024年第3四半期決算資料

収益性も向上し、調整後EBITDAマージンは前年同期から30ポイント以上増加して27%に達しました。

GAAPベースの1株当たり利益(EPS)は0.16ドルで、市場のアナリスト予想の-0.06ドルを上回る好成績を収めました。

この収益性により、同社は多くの高成長テクノロジー企業をリードしており、海外市場へのさらなる投資を後押しする要因となっています。

ユーザーの増加も好調で、デイリーアクティブユーザー(DAU)数は前年同期比47%増の9720万人に達しました。

(出所:レディットの2024年第3四半期決算資料

特に海外展開が好調で、同社の自動翻訳機能の導入が大きく貢献しています。

この機能はすでにフランス語やスペイン語に対応しており、今後はドイツやブラジルを含む30カ国以上に展開予定です。

この戦略により、海外市場におけるデイリーアクティブユーザー(DAU)数は前年比44%増、海外市場における売上高は57%増と急成長しています。

そして、同社の機械学習技術の向上により翻訳効率が高まり、総売上高の1%未満という低コストを実現しています。

また、広告の表示頻度とエンゲージメントの向上によって、ユーザー1人当たりの平均売上高(ARPU)は14%増加しました。

ただし、同社は広告単価を前期と同水準に保っており、広告の密度を増やすことによる短期的な効果には限界があると認識しています。

広告の増加がユーザー体験に悪影響を与える可能性があるためです。

これはかつてメタ・プラットフォームズ(META)が採用し、その成長に制約をかけたアプローチでもあります。

レディット(RDDT)の魅力

独自のプラットフォーム設計

レディット(RDDT)はユーザー主体のディスカッションとコンテンツに重きを置き、個人のプロモーションやビジュアル中心のSNSとは一線を画しています。個人ではなくトピック中心の設計が、他のSNSと一味違った魅力を生んでいます。

ユーザーベースと市場シェアの拡大

レディットのデイリーアクティブユーザー(DAU)数は約1億人に達し、他のプラットフォームを上回る成長スピードを見せています。特に、イーロン・マスク氏によるTwitter(X)の買収後、Twitterがシェアを失う中で同社の成長が目立ちます。メタ・プラットフォームズの20億のデイリーアクティブユーザー(DAU)数と比べると、同社にはまだまだ拡大余地があります。

海外展開の強化

最近の海外展開では自動翻訳を活用し、英語圏外のユーザーにもアクセスしやすくしています。多言語コンテンツがGoogleなどの検索エンジンでヒットしやすくなるため、さらなる自然成長も期待できます。

収益源の多様化

同社の主な収益源は依然として広告ですが、データライセンスやeコマースにも乗り出し、新たな収益チャンネルを確保しつつあります。これは、収益モデルを多角化している他の企業(Xなど)と同様の動きです。

安定した財務基盤と収益性

急成長する一方で、同社はすでに調整後EBITDAベースで黒字化を達成しており、財務の安定性が際立っています。拡大するユーザーベースと多様化する収益源により、長期的な投資先としての魅力が増しています。

レディット(RDDT)のバリュエーション:買収時の目標価格

以下の表は、Twitterの買収に関する「The Last Bear Standing」による詳細な投稿から引用しています。

(出所:The Last Bear Standing

この表から、Twitterがどのような指標や倍率で買収されたかがわかります。

例えば、TwitterはEV/売上倍率で7.8倍、ピーク時EBITDAの46倍で買収されています。

当時Twitterは業績が低迷していましたが、買収者であるイーロン・マスク氏は、それでも復活できると判断したようです。

では、レディット(RDDT)の現在のバリュエーションを見てみましょう。

同社株式は現在、EV/売上倍率16.63倍で取引されていますが、EBITDAがまだマイナスのためEV/EBITDAは算出できません。

ただし、将来の数値は予測は可能です。

(出所:Seeking Alpha)

2027年までに同社の売上高は約2倍となり、25億ドル超に達すると予測されています。

また、経営陣はEBITDAマージンを長期的に40%にすることを目標としており、これが実現すれば利益は10億ドルに到達します。

もし、同社が同様の倍率で売却される場合、インフレを考慮して50倍にすると、企業価値は500億ドルに達し、現在の約3倍の価値となります。

もちろん、この仮定には若干の誤差が含まれる可能性があり、ピークマージンに達するまでにはさらに数年かかるかもしれません。

それでも、2030年までに同社がこの水準に到達する可能性は十分にあると考えており、むしろ控えめな見積もりかもしれません。

そして、私がこのように考える理由は以下の通りです:

・予測が上方修正される可能性がある

・レディットにはさらに高い倍率がつく可能性がある

レディット(RDDT)への投資リスク

レディット(RDDT)への投資にはリスクもあります。

特に、広告収入への依存度が高いため、経済変動や広告トレンドの影響を受けやすいという点です。

また、ユーザーのエンゲージメントも重要で、これが低下すると広告主にとっての魅力も減少します。

多様なコンテンツを提供する同社ですが、議論を呼ぶ投稿が増えると規制当局の関心を引き、広告主が離れるリスクもあります。

さらに、同社は多くのユーザーと高度な広告ネットワークを持つ他の大手ソーシャルメディアとの競争に直面しており、広告シェアの獲得は簡単ではありません。

ボランティアのモデレーターに依存していることもリスクで、最近の不満の高まりがプラットフォームの安定性に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、データプライバシーやセキュリティの問題、収益性の確保の難しさ、偽情報に関する論争も、同社の評判や株価に悪影響を与える可能性があります。

成長を維持するためには、競争が激しいソーシャルメディア市場で革新を続ける必要があり、停滞すれば他社に遅れを取るリスクがあります。

レディット(RDDT)に対する結論

レディット(RDDT)は独自の強みを持っており、ユーザー基盤と収益化のさらなる成長が期待されます。

そして、私は上述の理由から、同社株式を長期保有することで、その成長の恩恵を享受するチャンスがあると見ています。

また、その他のレディット(RDDT)に関するレポートに関心がございましたら、こちらのリンクより、レディットのページにアクセスしていただければと思います。


アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード

📍米国マクロ経済&テクノロジー担当

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