やや強気インベスコ S&P 500 等ウェイト ETF【最新】米国株の今後の見通し:今日の米国株に投資するには?引き続き、イコールウェイト型のS&P500に注目!

- AIへの熱狂ぶりに、米国株式市場にバブルが形成されつつあるとの見方もある。
- しかし、AI関連銘柄のパラボリックな動きからも、市場には新規投資のチャンスは十分に残されていると見ている。
AI (人工知能)の代名詞であるエヌビディア(NVDA)の大幅増益を受けて、強気相場が本格化している。
同社の株価とAI産業に関連する株価は目もくらむような高さまで上昇し、株式市場に再びバブルが発生する懸念が高まっている。
実際に、バリュエーションが利益を上回って上昇し続ければ、バブルとなる可能性がある。
しかし、広範な市場(幅広い銘柄)が相応に評価され、基礎的な経済ファンダメンタルズが依然として堅調であることを踏まえると、それはバブルではないとの見方も可能であるように思える。
それでも、この二分化された市場は投資家に難題を突きつけており、今週のアップデートで私が注目したいのはこの点である。
「今年の最大の勝者を追うのか、それともまだ市場であまり関心が示されていないがポテンシャルのある明日の市場を探すのか」である。
私は経済や市場分析に関しては、変化率に従うことを強く支持している。
しかし、これはソフトランディング環境では難しい。なぜなら、追い風であるインフレ率の低下を実現するためには、逆風である経済成長率を減速させなければならないからである。
ここでの重要な変数はFRBの基準金利であり、経済成長率が過度に鈍化しないような時間枠の中で、緩和の過程で中立金利への復帰を開始しなければならない。
そのため、この1年間はFRBの政策が投資家の注目の的であり、この緩和サイクルの時期が不透明であったため、今年に入ってから、一部の銘柄を除く、多くの銘柄の株価が伸び悩んでいる。
もし、そう感じないのであれば、それはAI関連の株価が急騰しているからである。
AI関連銘柄の株価は、金利が長期的に高止まりする可能性があるにもかかわらず、市場ではその影響を受けにくいとみられている。
ただし、時期がどうであれ、私は市場のコンセンサスとしては、金融政策における次のステップは利下げだと確信しており、それはプラスの変化率である。
同時にエコノミストたちは、最も重要な経済変数に対する期待値も引き上げており、それらの変化率もプラスである。
これはすべて、現在進行中のディスインフレの過程で起こっていることであり、市場が強気であることは明らかである。
昨年第4四半期の決算シーズンも終盤を迎えている。
前年同期比の成長率は3.2%と、予想の1.5%を上回りそうであり、またしても、プラスの変化率である。
今年の予想利益の20倍以上という指数全体の高い評価を支えるには、今年の成長率が徐々に高まっていく必要がある。
弱気派は当四半期への期待率の低下を指摘するかもしれないが、それは通常のことである。
アナリストはいつも、カバーする企業が予想を少しでも上回りやすくするために、四半期が終わると翌四半期の水準を下げる傾向がある。
一方で、翌期以降のさらに先の四半期の予想は通常上昇する傾向にある。
もし、さらに先の四半期の期待値が下がるようであれば、それは赤信号である。
つまり、マイナスの変化率である。
来年の予想利益の20.4倍で評価されている現在のS&P500の株価は決して安くはない。
実際、バリュエーション的には過去のレンジの上限であり、これは妥当な論点である。
しかし、その理由は、S&P500の企業価値の約30%を占める上位10社(銘柄数ベースではわずか2%を占める)のバリュエーションが極端だからである。
16倍以下で取引されている銘柄は無数にあり、現在の経済成長率とインフレ率を考慮すれば、これらの水準は、指数全体としてより妥当なバリュエーションだと私は考えている。
とはいえ、投資家はこれらメガキャップのテクノロジー銘柄の輝かしいリターンに魅了されている。
従って、もしあなたが強気の投資家であり、将来的な資金増加を望むのであれば、S&P500の上位10銘柄を法外なバリュエーションに押し上げている市場に蔓延する欲望を追いかけないことが賢明なアプローチであると私は考える。
確かにこれらのメガキャップ企業は驚異的な企業だが、足元の水準で新たな資金を投入することは、今年中に上昇する可能性よりも下降する可能性の方が大きいと思われる。
保有期間が3~5年以上であれば、今日のバリュエーションは問題ではないかもしれないが、私は投資戦略の期間の目安として今後12ヵ月単位で見ている。
そして、その期間にもっと良いエントリー・ポイントがあると思っている。
私は、強気相場の現段階では、大手10社で占められているS&P500(SPY)よりも、イコールウェイト型のS&P500(RSP)を保有する方をはるかに好んでいる。
また、ラッセル2000小型株指数(IWM)を構成する収益性の高い企業にも多くの価値が残されていると見ている 。
一部の超大型株よりも、平均的な銘柄の方がはるかに優れたリスクリワードを提供している現在、以下に見るようなパフォーマンス格差は今後も縮まっていくと思う。
このアプローチには、FOMO(Fear of missing out:取り残されることへの恐れ)の犠牲にならないための規律が必要である。
極めて強いモメンタムを買うのは非常に簡単で、コンセンサスが今やっていることである。
投資テーマに対するこのような熱狂を最後に見たのは、3年前に人気とパフォーマンスのピークを迎えたキャシー・ウッドのARKイノベーションETF(ARKK)だった。
それ以降のリターンは、以下に見られるように望ましいものではない。
AIは新興産業であり、ポートフォリオ・マネジャーが「破壊的イノベーション」に投資しているわけではないことは認めるが、ここでのポイントとしては、市場のセンチメントがバリュエーションを極端な水準に押し上げているが、いずれ、それらのバリュエーションは必然的に平均に戻るということである。
難しいのは、平均回帰のきっかけがわからないことである。
先週のこの強気相場にとって最も重要な展開のひとつは、エヌビディア(NVDA)の突出した決算報告ではなく、イコールウェイト型のS&P500種株価指数のブレイクアウトだったと考えている。
この指数が先週の水準に立つのは2年ぶりであり、2年以上経過してのこのようなブレイクアウトの意味合いは極めて強気のシグナルであると見ている。
SentimenTraderが指摘するように、ほとんどのケースにおいて、このような現象が発生した後には、イコールウェイト型指数(RSP)は時価総額加重型指数(SPY)をアウトパフォームしている。
さらに、この指数は12ヵ月後には100%高値で取引を終えている。
つまり、これこそが、ベア(弱気派)が登るべき険しい山なのである。