やや強気インベスコ S&P 500 等ウェイト ETF【最新】米国株・S&P500の今後の見通し:FRBのパウエル議長は「遅れはしたが、頓挫はしていない」と発言

- 連邦準備制度理事会(FRB)は昨日の会合で金利を据え置いた。
- しかしFRBは、毎月バランスシートから放出する予定の国債の量を減らし、今後金利を引き上げるつもりはないことを確認した。
FRB理事会の前日、私はパウエル議長が過去1年間一貫してそうであったように、FRBの2つの使命(デュアル・マンデート)の達成に向けた前進を認めつつも、インフレ目標2%の達成にはまだやるべきことがあると警告し、胸の内にカードを閉まっておくだろうと予想していた。
コンセンサスでは、ここ数週間の経済報告でインフレ率が予想を上回ったことを受けて、FRBはもっとタカ派的な発表をすると予想されており、それが債券利回りを押し上げ、株価を下げると見られていたのだが、そのようなことは起こらなかった。
それどころか、パウエル議長の発言に先立つFRBの公式声明は、「雇用とインフレの目標達成に向けたリスクは、過去1年間で、より良いバランスに向かっている」と発表し、ハト派寄りの内容だった。
また、一部で期待されていたような再利上げについての言及はなかった。
そして、これらの内容は、パウエル議長の講演前の数分間、債券利回りを低下させ、株価を上昇させた。
FRBはまた、バランスシートから流出させる国債の数を月600億ドルから250億ドルに減らす一方、住宅ローン担保証券は350億ドルに据え置くことを示し、政策を調整した。
これは、リスク資産価格をさらに押し上げるプラスの変化率である。
市場への供給が減ることで、金利上昇圧力が弱まる。
最も重要なのは、投資家が約1年後の短期金利を予測する指標となる2年物国債利回りが5%を下回ったことだ。
これも株価を押し上げる好材料となった。
主要市場の平均株価は取引終了間際に下落し、パウエルによる上昇分を帳消しにした。
しかしこれは、人工知能(AI)ブームで利益を得た割高なテクノロジー関連企業への売りが主な原因だった。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズとスーパーマイクロコンピュータは、AIブームで大儲けした2大企業のひとつだが、いずれも好調な決算報告に続いて下落した。
私としては、それらの銘柄は単に割高になりすぎたのであると見ている。
この結果、テクノロジー・セクターは昨日1%下落した。しかし、パウエル議長は、FRBは第1四半期のインフレ率の急上昇によって遅れてはいるが、頓挫はしていないと強調したことから、投資家は市場全体の下落を買い戻そうとするのではないのだろうか。
FRB議長は、2%の目標達成には以前考えられていたよりも時間がかかるが、ディスインフレのトレンドは維持されていると認めた。
つまり、FRBは今年初めに予想していたほど早く金利を引き下げることはないだろうが、経済の力強さが金利引き下げに多くの時間を与えているということである。
これは引き締めとは程遠いもので、パウエル議長は中央銀行の課題ではないと強調した。
FRBはデータ依存の姿勢を崩さないだろう。つまり、市場は最初の利下げがいつ行われるかを予測するために、高頻度に発表される経済データに再び注目することになる。
一方で、金利上昇、株価の大幅下落、そして最終的には景気後退を望んでいる人々がいるのは明らかである。
これが、第1四半期のヘッドライン・インフレ率の進展を遅らせている最近のサービス部門の価格上昇を食い止める唯一の方法だと主張する。
しかし、パウエル議長は明らかにこれに同意しておらず、私も同意していない。
目指すべきは、大量の雇用喪失や景気後退による痛みや苦しみを伴わずに物価の安定を回復するソフトランディングである。
パウエル議長はそれを実現するために最善を尽くしていると思う。
株価上昇の主な要因は2年債利回りである。
2週間前、私は債券利回りが株価を上昇させ、過去1ヵ月間の下落分を取り戻すのは必至だと主張している。
なぜなら、2年物国債利回りの上昇によって、利下げ予想回数が1回に減ったからだ。
したがって、利回りが5%でピークアウトするのはほぼ確実だが、経済が健全なペースで拡大を続けているため、市場の反応は比較的鈍い。
経済成長が鈍化し、ディスインフレが進行すれば、2年物利回りは再び低下し始め、年末までの株価上昇を支えるだろう。