強気センチネルワンすべて表示センチネルワン(S)の株価予想:最新の2Q決算は好調で目標株価は40ドルで割安?今後の株価見通しと将来性に迫る!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、2024年8月27日に発表された、センチネルワン(S:SentinelOne)の最新の2025年度第2四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
- 無借金のサイバーセキュリティ企業である同社は、2026年度までに10%のフリーキャッシュフローマージンを達成し、年率20%台後半の成長を遂げる見込みです。
- AI駆動のSingularityプラットフォームは、安定した優れたセキュリティソリューションを提供し、クラウドストライクなどの競合に対して強力な成長と市場シェアの拡大が期待されています。
- 激しい競争がある中でも、センチネルワンの革新性と戦略的パートナーシップが売上の成長を支えており、2025年夏までに株価が1株40ドルに達する可能性があると見ています。
- 同社の将来の予想フリーキャッシュフローに基づく評価が78倍というのは、その成長ポテンシャルを反映しており、来年には売上高の12倍、時価総額130億ドルに到達する可能性もあると見ています。
センチネルワン(S:SentinelOne)に関して
センチネルワン(S)への投資の考え方は非常にシンプルです。私は、この無借金経営の企業が、次の会計年度末までに10%のフリーキャッシュフローマージンを達成できると見ています。
同社は、2024年8月27日に、最新の2025年度第2四半期の業績を発表したばかりです(カレンダー年とは異なります)。これを踏まえ、次の会計年度にかけて、同社は年平均成長率(CAGR)20%台後半を維持しつつ、フリーキャッシュフローの改善も進められると見ています。
そして、総合的に判断して、来年の夏までに同社の株価が40ドルに達する可能性があると考えています。
では、なぜ、センチネルワンが私にとって魅力的に映るのか、その理由を説明していきます。
なぜセンチネルワン(S:SentinelOne)なのか?
センチネルワン(S)は、AIを活用したセキュリティソリューションを提供するサイバーセキュリティ企業です。彼らのプラットフォーム「Singularity」は、オペレーティングシステムの重要な部分に深く組み込むことなく、リアルタイムで脅威を自動的に検出し、対応するように設計されています。そのため、ソフトウェアの脆弱性によるセキュリティ侵害のリスクを低減しつつ、高い効果と安定性を実現しています。
センチネルワンとクラウドストライク(CRWD)は、どちらも高度なサイバーセキュリティソリューションを提供していますが、センチネルワンは、クラウドストライクが過去に大規模なIT障害を引き起こしたような深いシステム統合を避ける、優れたプラットフォームアーキテクチャを強調しています。
また、センチネルワンは、AIを活用したセキュリティ技術の革新と、拡大し続ける顧客基盤によって、今後の強力な成長が期待されています。同社は、前年同期比で売上高が33%、年間経常収益が32%増加したという、非常に優れた業績を見せています。
特に、最近発表された「Purple AI」ソリューションは期待以上の成果を上げ、同社の成長に大きく寄与しています。同社が技術の差別化と戦略的パートナーシップを活かし続ける限り、売上のさらなる加速と市場シェアの拡大が見込まれます。特に、企業にとってサイバーセキュリティへの対応が最重要課題である限り、その可能性は高いでしょう。
しかしながら、センチネルワンは、激しい競争が繰り広げられているサイバーセキュリティ業界において、いくつかの課題にも直面しています。市場には、最近の困難にもかかわらず依然として強力な競争相手であるクラウドストライクのような大手プレイヤーが存在しており、センチネルワンはこの激しい競争の中で自らの地位を確立する必要があります。また、サイバーセキュリティ業界は非常に変化が激しく、新しい脅威やテクノロジーが常に出現しているため、現在のトップ企業が将来的にもトップであり続けるとは限りません。この成長を維持するためには、センチネルワンは自社のプラットフォームが他社よりも優れていることを効果的にアピールし、顧客にその価値を理解してもらう必要があります。
これらの背景を踏まえ、次にセンチネルワンのファンダメンタルズについて詳しく見ていきます。
センチネルワン(S:SentinelOne)の最新の2025年度第2四半期決算:売上高成長率は、年平均30%近くで安定すると予想
センチネルワンの売上高成長率(%)
(出典:筆者作成)
私の投資の考え方は、センチネルワン(S)の成長率だけに依存しているわけではありません。私が注目しているのは、以前のレポートで述べた以下の点です。
「センチネルワンは来年どれだけ速く成長できるのだろうか?私は、少なくとも20%台後半の成長を期待できると見ている。結局のところ、上記のグラフにある通り、最も厳しい比較対象である2024会計年度第1四半期を既に通過している。そして、2025会計年度第2四半期(次回の決算)以降、比較対象が緩和されるため、センチネルワンの成長率は自然に向上するだろうと見ている。」
そして、私は、センチネルワンは、2026年度に年平均成長率(CAGR)20%台後半を確実に達成できると考えています。現在、2025年度の途中ですが、クラウドストライク(CRWD)の世界的なシステム障害の影響が同社にすぐに表れることはないでしょう。
これまでの分析でも繰り返してきましたが、大規模な契約は一夜にして成立するものではありません。長期的な交渉が必要です。また、クラウドストライクの顧客の多くは長期契約を結んでおり、クラウドストライクから他の企業に移行するには時間がかかります。私は、センチネルワンが短期的にすぐに利益を得るとは期待していませんでしたが、クラウドストライクのシステム障害が、2025年度にセンチネルワンが年平均20%台後半の成長を達成する後押しになると考えています。
これを裏付けるために、センチネルワンの創業者兼CEOであるトマー・ワインガルテン氏が決算説明会で述べた内容を紹介します。
(原文)I think on top of that, we've already seen customers choosing to move away [from CrowdStrike]. Some of them have moved away already to SentinelOne, some of them are in the process, some of them will take time to assert, but I think everybody is considering their next steps. And obviously, as you can imagine, that bodes well up to SentinelOne. With that, I would also be mindful that sales cycles take nine to 12 months. Nobody wants to rip off something immediately. Some folks do, but that's not the majority.
(日本語訳)さらに、すでに(クラウドストライクから離れて)センチネルワンに乗り換える顧客が出てきています。すでに移行を完了した顧客もいれば、今まさに移行中の顧客もいますし、もう少し時間がかかる顧客もいますが、いずれにしても、皆が次のステップを検討している状況です。これがセンチネルワンにとって良い兆しであることは間違いありません。ただし、商談には通常9~12ヶ月ほどかかることを念頭に置く必要があります。すぐに切り替えたいという人もいますが、それは少数派です。
(原文)[...] I think people are looking at us, obviously, the number one alternative. People are looking to diversify risk and not really concentrate more and more capabilities with one vendor.
(日本語訳)[...] 多くの人が、私たちを第一の代替候補と見なしています。リスクを分散し、1社にすべてを依存しないようにすることを考えているのです。
このような背景を踏まえて、次にセンチネルワンのバリュエーションについて見ていきましょう。
センチネルワン(S:SentinelOne)のバリュエーション:将来の予想フリーキャッシュフローの78倍
インフレクション投資家として、企業の財務基盤を常に意識することが重要です。この点で、センチネルワン(S)は非常に高く評価できます。無借金であり、11億ドルの現金と市場性のある証券を保有しています。
※インフレクション投資家:企業が成長の転換点や大きな変化を迎えるタイミングを見極め、その成長の加速や改善を狙って投資する投資家のこと。例えば、新しい市場への参入や経営改善、重要な技術革新などがインフレクションポイントとなる。
次に、私が以前述べたことを思い出してください。
「次に、私はセンチネルワンが今年度末までに損益分岐点に達するだろうと考えています。さらに、来年にはセンチネルワンがフリーキャッシュフローを改善し始め、特に売上が約11億ドルに達すれば、売上が10億ドル規模で30%の成長を遂げる企業となり、多くの投資家にとって非常に魅力的な存在になるでしょう。これは多くの投資家にとって非常に魅力的に映るでしょう。加えて、たとえ2026年度にSentinelOneが10%のフリーキャッシュフローマージンに達しなかったとしても、その達成が現実的であると市場に信頼させることができれば、この企業は1億ドルのフリーキャッシュフローを目指す道を歩んでいると評価されるでしょう。」
インフレクション投資家であることの強みは、明確な計画を持っていることです。自分の仮説が思い通りに進んでいるかどうかを見極めるために、何をチェックすべきかをしっかりと把握しています。
私は今でも、センチネルワンが2026年度末(来年末)までに10%のフリーキャッシュフローマージンを達成できると見ており、これが私の同社に対する自信の源です。
営業利益(損失)および利益率
金額(単位:百万ドル)、および、売上高に対する割合(%)/ GAAPとNon-GAAP
(出典:2025年度第2四半期決算資料)
上記は、センチネルワンの基礎的な収益性が1,900ベーシスポイント(19%)改善し、Non-GAAPベースの営業利益率がマイナス22%から3%に向上したことを示しています。
このペースが続けば、来年の第2四半期にはNon-GAAPベースの営業利益率がすでに7%に達し、さらに1,000ベーシスポイント(10%)の改善が見込まれるかもしれません。
これにより、2026年度第4四半期末までにNon-GAAPベースの営業利益率が10%近くに達する可能性があるという私の考えがさらに裏付けられているように感じます。
さらに、フリーキャッシュフローは四半期毎に変動する可能性があることも忘れてはいけません。例えば、運転資本の変動によって、特定の四半期に重要な追加支払いが発生することなど、様々な要因によりフリーキャッシュフローの状況が変わることがあります。
ただし、2つの四半期を通して見ると、これらの運転資本の変動は次第に平準化されていきます。以下をご覧ください。
(出典:2025年度第2四半期決算資料)
6ヶ月間のフリーキャッシュフローマージンは7%で、2024年度第2四半期のマイナス3%と比べて高くなっています。それでも、センチネルワンのフリーキャッシュフローマージンには明らかな改善が見られ、これが私の主張を裏付けています。
(出典:2025年度第2四半期決算資料)
参考までに、センチネルワンの今年度のNon-GAAPベースの営業利益率は、前年に比べて1,500ベーシスポイント(15%)の改善を示しています。
総じて、私はセンチネルワンの業績が、来年末までに10%のフリーキャッシュフローマージンに達するための基盤が整っていることを示していると考えています。仮に2四半期後に発表される2026年度のガイダンスで10%に達しなくても、少なくとも翌年には5%のフリーキャッシュフローマージンが見込まれ、次の会計年度末までに10%を目指すことになるでしょう。
これにより、株価は将来の予想フリーキャッシュフローの78倍という評価を受けています。表面的には高いように思えるかもしれませんが、同社はまだフリーキャッシュフローを最大化している段階ではありません。その時が来るでしょうが、今重要なのはフリーキャッシュフローの改善を示すことです。
総合的に見て、私は来年、同社の株価が売上高の12倍に達し、時価総額が約130億ドル、1株あたり40ドルの目標株価に達する可能性があると考えています。これは現在の株価から65%以上の上昇を意味します。
センチネルワン(S:SentinelOne)に対する結論
結論として、私はセンチネルワン(S)が大きな上昇余地を持つ非常に魅力的な投資先だと考えています。無借金の健全な財務基盤、年率20%台後半の堅調な成長、そして2026年度末までに10%のフリーキャッシュフローマージンを達成できる現実的な可能性を考えると、同社はその革新的なAI駆動のサイバーセキュリティプラットフォームを活かして、さらに成長するポテンシャルを秘めています。
競争が激しい市場環境にあっても、特にクラウドストライク(CRWD)のようなライバルから市場シェアを獲得する能力が、私の自信をさらに高めています。これらの強力なファンダメンタルズを踏まえ、2025年夏までに同社の株価が1株あたり40ドルに達し、現在の評価から大きな上昇が見込める可能性があると考えています。
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