08/04/2024

強気
スターバックス
強気
全体として、スターバックスは弊社算出の一株当たり本質的価値より割安で取引されているかもしれないが、PEGレシオと株価フリー・キャッシュフロー倍率からは割高感が示唆されています。
スターバックス(SBUX:予想配当利回り3%・配当性向63%)最新の2024年3Q決算分析と今後の株価見通し・将来性に迫る!

a starbucks coffee shop with a person sitting at a tableイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、スターバックス(SBUX:予想配当利回り3.03%・配当性向63%・1株当たり配当金0.57ドル)の最新の2024年第3四半期決算と財務パフォーマンスに関する詳細な分析を解説していきます。
  • スターバックスは1971年に創業され、世界80カ国以上で30,000店舗を展開しており、「サードプレイス」コンセプトに基づき、心地よい空間を提供し、高品質なコーヒー豆の調達と持続可能性に重点を置いています。
  • 2024年第3四半期決算では、EPSが前年同期比で増加し、非経常損益項目を除くベースで0.93ドルに達しました。
  • 現在の株価が75ドルでありながら、弊社は1株当たりの本質的価値は105.42ドルと評価しており、割安であると考えています。

スターバックス(SBUX)の概要


レーティング:強気

バリュエーション:割安

リスクレベル:低リスク


セクター:レストラン

現在の株価:75ドル

時価総額:859.9億ドル

弊社算出の1株当たり本質的価値:105.42ドル

安全マージン:28.02%

過去5年間の配当成長率:10.90%

次回配当落ち日:2024年8月16日

次回配当支払い日:2024年8月30日

予想配当利回り:3.03%

過去5年間の売上高成長率:11.50%

過去10年間の売上高成長率:12.10%

スターバックス(SBUX:予想配当利回り3.03%・配当性向63%・1株当たり配当金0.57ドル)は、世界的に有名なコーヒーチェーンで、コーヒーやティー、ペストリーなどを提供しています。1971年にシアトルで創業され、現在では世界80カ国以上で30,000以上の店舗を展開しています。同社のビジネスモデルは「サードプレイス」コンセプトに基づき、顧客に心地よい場所を提供することに重きを置いています。スターバックスは品質の高いコーヒー豆の調達や持続可能性を重視しており、フェアトレードや環境保護の取り組みを積極的に行っています。

ユニークな特徴としては、デジタルプラットフォームの活用が挙げられます。スターバックスのリワードプログラムとモバイルアプリは、顧客のリテンションを高め、収益の増加に寄与しています。

最近の注目すべき買収には、ヨーロッパの高級カフェブランド、プリンチの買収があります。これにより、スターバックスは高品質なベーカリー製品の提供を強化し、ヨーロッパ市場でのプレゼンスをさらに拡大しました。スターバックスは今後も新しい市場への進出と既存店舗の強化を通じて、成長を続けることを目指しています。

そして、同社は2024年7月30日に2024年第3四半期決算を発表しています。


スターバックス(SBUX)最新の2024年第3四半期決算に関して

スターバックス(SBUXは、2024630日に終了した最新の2024年度第3四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPSEPS without NRI)は0.93ドル(前四半期:0.68ドル)、希薄化後のEPSは0.93ドル(前四半期:0.68ドル)、また、1株当たり売上高も8.024ドル(前四半期:7.542ドル)と、いずれも前四半期比で上昇という着地となっています。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、下記のチャートからも分かる通り、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は10.70%で、過去10年間の年平均成長率は8.80%となっており、中長期的に継続して成長を実現していることが分かります

また、市場のアナリストは、今後10年間で同社業界がさらに成長すると予測していることからも、同社業界の見通しは明るいように見えます。

全体として、スターバックスの直近四半期の好業績は、同社のレジリエンスと将来の持続的な成長可能性を示しているように見えます。

※チャート上の値は年間ベースであり、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の直近4四半期の合計値


スターバックス(SBUX)の財務パフォーマンスに関して

スターバックス(SBUXの財務パフォーマンスを、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC)、加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

まず、同社は、ROICとROAの指標において、高いパフォーマンスを示しています。

同社の過去5年間のROICの中央値は14.20%で、過去5年間のWACCの中央値である6.23%を上回っています。

さらに、ROICは過去10年間、一貫してWACCを上回っており、過去10年間のROICの中央値は22.39%であるのに対し、過去10年間のWACCの中央値は6.35%であることからも、同社が継続してプラスの経済価値を生み出していることを示しています。

以上より、スターバックスの資本配分戦略は、資本コストを上回るリターンを生み出すことに成功しており、株主にとっての価値創造に繋がっていると言えます。


スターバックス(SBUX)の配当に関して

スターバックス(SBUX)の過去5年間の配当成長率は10.90%で、過去3年間の配当成長率は8.90%となっており、一貫した配当の成長を実現しています。

また、1株当たり配当金0.57ドルとなっており、現在の予想配当利回りは3.03%と高水準である一方で、配当性向は63.0%と緩やかな水準となっています。

ただし、下記のチャートからも分かる通り、過去には配当性向が100%を超えたこともあることから、配当金を支えるために同社の収益が逼迫されていた時期がある点には注意が必要です。

さらに、EBITDA純有利子負債倍率は3.37倍となっており、過剰に高いわけではないが、今後も当倍率の推移に一定の注意を払う必要があるようにも見えます。

理想的には、当倍率が2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すことからも、現在の倍率は利益と比較して負債が中程度であることを示唆しています。

そのため、投資家は特に業界平均を考慮し、この倍率を注視すべきではありますが、同社は妥当な債務返済能力を有しているように見えます。

全体として、スターバックスの配当成長率(将来的な増配の可能性)と管理可能なEBITDA純有利子負債倍率を踏まえると、定期的な配当収入を求めるインカム投資家にとって魅力的な配当銘柄として位置づけられているように見えます。

予想配当利回り:3.03%

配当性向:63%

配当カバレッジ・レシオ:1.59倍

過去5年間の配当成長率:10.90%

EBITDA純有利子負債倍率:3.37倍

※DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

Dividend Yield:予想配当利回り

※Dividend Payout:配当性向

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スターバックス(SBUX)のバリュエーションに関して

スターバックス(SBUXの現在の株価は75.88ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である105.42ドルを下回っていることからも、割安であるように見えます。

また、実績PERは21.25倍で、株価売上高倍率は2.36倍となっており、これらの指標を過去の平均と比べると、現在の同社の株価が割安に評価されている可能性を示唆しています。

さらに、EV/EBITDA倍率は14.27倍となっており、株価がEBITDAに対して妥当な倍率で取引されていることを示唆しています。

しかし、PEGレシオは3.43倍となっており、理想的な水準より高く、成長見通しに対して同社の株価が割高である可能性を示しています。

加えて、株価フリー・キャッシュフロー倍率も22.65と望ましい水準より高く、割高感を示しています。

全体として、スターバックスは弊社算出の一株当たり本質的価値より割安で取引されているかもしれないが、PEGレシオと株価フリー・キャッシュフロー倍率からは割高感が示唆されています。

そのため、同社株式への投資を検討する際には、これらの指標を同業界の他の銘柄と比較する等を通じて、より深堀りすることが良いでしょう。

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スターバックス(SBUX)のリスクとリターンに関して

スターバックス(SBUXのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います

まずマイナス面では、アルトマンのZスコアの2.82はグレーゾーンにあり、同社の財務上のストレスを示唆しています。

一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアの8は非常に健全な状況を示しており、ベニッシュのMスコアは-2.93となっており、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆しています。

また、営業利益率の拡大、過去の低水準と比較しても低水準にある現在のPERおよび株価売上高倍率、そして、過去20年間で最も高い予想配当利回りの水準は、すべてポジティブな兆候であるように見えます。

全体として、財務上のストレスに関連するリスクはあるものの、スターバックスの強固な財務健全性、安定した事業運営、魅力的なバリュエーション指標は、同社の今後の見通しをより明るいものにしているように見えます。


スターバックス(SBUX)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

過去12ヶ月間、スターバックス(SBUX)のインサイダーによる同社株式の買い付けは確認されていないが、インサイダーによる同社株式の売却は15件確認されています。

これは、同社のインサイダーが同社株式を買い増すよりも、売却する傾向が強いことを示唆しており、同社の役員や経営陣の間で弱気なセンチメントがあることを示している可能性があります。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか2.14%である点にはご留意ください。

一方、機関投資家による同社株式の保有比率は71.30%と高く、機関投資家が同社株式の大部分を保有していることを示しています。

以上より、トレンド分析によると、インサイダーによる同社株式の売却が目立っており、これは潜在的な懸念や利益確定のシグナルである可能性があります。

しかし、機関投資家による保有比率が高いことは、スターバックスの業績と将来性に対するプロの大口投資家の自信を示している可能性があります。


スターバックス(SBUX)の流動性に関して

スターバックス(SBUXの流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は15,084,393株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は12,203,133株となっており、同社株式に対する一貫した取引があることを示唆しています。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は43.64%となっており、取引活動の一定の部分がダークプールで行われていることを示しています。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性があります。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性があります。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言えます。

全体として、スターバックスは流動性が高く、一貫した取引活動が行われているように見えます。


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