03/06/2025

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セズル
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2025年の同社の税引前EPSは前年比55%増加すると予想されており、フリーキャッシュフローは6,000万ドルに達する見込みです。これにより、予想フリーキャッシュフローの31倍という割安なバリュエーション水準にあると考えられます。
【フィンテック】セズル(SEZL:Sezzle)株価予想:目標株価は500ドル?最新の2024年第4四半期決算分析を通じて将来性に迫る!

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  • 本稿では、注目の米国フィンテック銘柄である「セズル(SEZL:Sezzle)の株価予想とは?」という疑問に答えるべく、2025年2月25日に発表された最新の2024年第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 目標株価として、2026年夏までに1株あたり500ドルに達する可能性があると見ており、これは、株式市場が同社の強固なファンダメンタルズと成長の可能性を認識することで実現すると考えています。
  • 2025年の同社の税引前EPSは前年比55%増加すると予想されており、フリーキャッシュフローは6,000万ドルに達する見込みです。これにより、予想フリーキャッシュフローの31倍という割安なバリュエーション水準にあると考えられます。
  • 新しいOn-Demand商品とWebBankとの提携が顧客エンゲージメントと収益の向上を促しており、2025年の売上成長率は前年比35%に達する可能性があります。
  • 短期筋による空売りレポートと初期の株価下落があったものの、同社はアファーム・ホールディングス(AFRM)等の競合他社とは異なり、高価値顧客と収益性を重視する戦略を取っており、この点が同社の強みとなっています。

セズル(SEZL:Sezzle)の最新の2024年第4四半期決算発表に関して

セズル(SEZL)は、2025年2月25日に2024年度第4四半期決算を発表しており、2025年に向けて非常に力強い見通しを示しました。しかし、2025年の税引後EPSの成長率が前年比20%にとどまることを、短期的には投資家が好意的に受け止めない可能性があると考えます。

しかし、その点に注目する必要はないと考えています。そして、それよりも、2025年の税引前EPSが前年比55%成長する見込みであることに着目すべきであると考えています。なぜ税引前EPSなのか? それは、2026年にはこの成長が基盤となり、比較が容易になるからです。

投資家が評価するのは、フリーキャッシュフローの継続的な増加です。この点において、同社は2025年に6,000万ドルに達すると見込んでおり、これに基づくと、現在の株価は予想フリーキャッシュフローの約31倍という水準になります。

したがって、私は当初の目標株価を維持し、同社の株価は2026年夏までに1株あたり500ドル(当レポート執筆時の株価:261.06ドル)へ向かう可能性があると考えています。

では、同社の詳細な分析に入っていきましょう!

セズル(SEZL:Sezzle)に関する重要な背景

私は、セズル(SEZL)を1株あたり約323ドルでポートフォリオに追加しました。しかし、その直後に株価は急落しました。投資家が11月のショートレポート(空売りレポート)への懸念をまだ払拭できていなかったためです。

当時、振り返る余裕のない状況の中で、私はそのショートレポートの影響はすでに株価に織り込まれていると考えていましたが、最終的に皆さんが目にしたのは、含み損という結果です。

そのことで、私への信頼を少し損なってしまったかもしれません。同社の取引流動性は非常に低く、株価が安定するまで時間が必要であることを説明しようとしました。しかし、投資において「時間をかける」というのは最も難しい選択です。常に別の魅力的な銘柄が目に入り、気を引かれるものです。

ショートレポートの内容には、根拠の弱い主張が多くありましたが、一つだけ妥当な懸念がありました。それは、同社のアクティブな消費者の成長率が、高成長企業としては物足りないという点です。この点について、もう少し詳しく見ていきましょう。

(出所:セズルの2024年度第4四半期決算資料)

私はこの指摘の妥当性を理解していましたが、同時に、同社の経営陣が低所得層の顧客を無理に獲得しようとはしていないことも理解していました。むしろ、高い解約率を許容しながら、最も収益性の高い顧客層を維持する方針を取っているのです。

セズル(SEZL:Sezzle)とは?

セズル(SEZL)は、「BNPL(Buy Now, Pay Later:今買って後で支払う)」サービスを提供しており、購入金額を複数回の分割払いにすることで、消費者の負担を軽減します。投資家に人気のあるアファーム・ホールディングス(AFRMと似たビジネスモデルですが、セズルは成長よりも収益性を重視している点が大きな違いです。

ユーザーは、購入時に全額を支払うのではなく、4回の分割払いにすることができるため、予算管理がしやすくなります。この仕組みにより、消費者はより柔軟に買い物をしながら、自身の財務状況をコントロールできるようになります。

また、同社の短期的な見通しは非常に良好であるように見えます。同社は高い成長を遂げており、2024年後半にリリースされた新たな主力商品「On-Demand」によって、さらなる飛躍が期待されています。このサービスを利用すれば、同社のプレミアムサービスに加入していなくても、Visaが使える店舗ならどこでも「Pay-in-4(4回払い)」が可能になります。

すでにOn-Demandは、顧客エンゲージメントの向上、利用率の増加、そして売上の拡大に貢献しています。同社は、2025年も引き続き力強い収益成長を見込んでおり、利益は前年比55%以上の増加が期待されています。また、最近提携を発表したWebBankとの協力により、州ごとに異なっていた手数料体系を統一し、より多くのユーザーが利用しやすい環境を整えています。

このような状況を踏まえ、次に同社のファンダメンタルズについて詳しく見ていきましょう。

セズル(SEZL:Sezzle)の売上高成長率は前年比35%に達する可能性

セズルの売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

ここで、事実を整理しましょう。私が最初にセズル(SEZL)をポートフォリオに追加した際に、考えていた2つのポイントを思い出してください。

✅ セズルの2024年第4四半期の売上成長率は前年比65%増加すると予想

✅ セズルの2025年の売上成長率は前年比35%増加すると予想

実際に第4四半期の売上は予想を大きく上回るほど好調で、むしろ混乱を招くほどの結果となりました。ここで重要なのは、この成長率がどこまで持続可能なのかという点です。

確かに、経営陣はガイダンスの上限を前年比30%成長と見積もっており、私が以前予想していた35%よりもやや低めの水準となっています。しかし、ここで考えるべき点があります。

(出所:Seeking Alpha)

現在、市場のアナリストの予想では2025年の売上成長率は約22%程度と見積もられています。この状況で、同社が年初の段階で過度に強気な目標を掲げ、後に達成できずに評価を下げるリスクを取る必要はまったくありません。

むしろ、控えめながらも十分に高い成長率を示し、余力を残しておくほうが賢明です。したがって、私は依然として2025年の売上成長率が前年比35%に達する可能性が十分にあると考えています。

それでは次に、同社のバリュエーションについて見ていきましょう。

セズル(SEZL:Sezzle)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの31倍

セズル(SEZL)の純負債は現在約3,200万ドルとなっています。この状況は理想的とは言えず、この点についてはある程度妥協せざるを得ませんでした。

しかし、今後9か月以内、あるいはそれより早く、同社はネット・キャッシュポジションへ転換すると見ています。これにより、私の投資判断にもさらなる安全余裕が生まれるでしょう。誤解のないように言うと、同社が完全に無借金になるわけではなく、保有する現金が負債を上回る状況になるということです。これは、2026年初頭から夏にかけて、同社株式の売却を検討し始める頃には、企業の財務状況が大幅に改善され、次の投資家がプレミアムを支払う価値のある企業へと成長していることを意味します。

そして、私は前回の同社に関する下記の分析レポートにおいて以下のように述べています(詳細はインベストリンゴのプラットフォーム上にてご覧ください)

「さらに、私は同社が2025年に6,000万ドルのフリーキャッシュフローを生み出すと考えています。これは、高成長を続ける企業としては破格の投資機会と言えるでしょう。

同社は2024年に約4,000万ドルのフリーキャッシュフローを生み出しました。

私の考えを説明すると、同社は2024年に調整後純利益6,600万ドルを計上し、2025年には8,200万ドル程度に成長するとガイダンスを出しています。これは、前年比約24%の利益成長を示しています。

つまり、2025年初頭の時点で、今年のフリーキャッシュフローは5,000万ドルに達すると見込めます。しかし、同社の成長スピードが非常に速いことを考えると、2025年が終わる頃には、私が予測している6,000万ドルのフリーキャッシュフローを達成し、さらにはそれを超える可能性があると考えています。

とはいえ、現時点では2025年のフリーキャッシュフローを6,000万ドルと見積もったままにし、今後の四半期で必要に応じて上方修正する余地を残しておきます。

これにより、同社の株価は予想フリーキャッシュフローの31倍というバリュエーションになり、これは非常に魅力的な水準であると考えます。

セズル(SEZL:Sezzle)を取り巻くリスク要因

セズル(SEZL)の株式は取引量が少ないため、わずかな売買でも価格が大きく変動することがあります。一見、急落しているように見えても、翌日には反発することも珍しくありません。

しかし、企業が成長を続け、より多くの投資家が参入すれば、取引の流動性は向上し、価格変動も徐々に落ち着くでしょう。ただし、株価の急変動が不安な場合は、ポートフォリオ内の保有比率を5%未満に抑えることを検討してもよいかもしれません。

もう一つの明らかなリスクとして、同社が成長を続けるためには、堅調な経済環境が必要である点が挙げられます。また、「Buy Now, Pay Later」市場は非常に競争が激しく、Afterpay、Klarna、アファーム・ホールディングスといった大手プレイヤーに加え、ペイパル(PYPL)などの強力な競争相手も存在します。これらの企業は、同社よりも先行しており、資金力も圧倒的に豊富です。

さらに、同社は現在、利益よりも成長を優先する戦略を取っており、新規ユーザー獲得に伴う損失の増加を許容する方針です。企業が利益の最大化ではなく成長を重視する場合、市場環境によっては、投資家の評価が「将来に期待」から「結果を見せてほしい」というスタンスに変わる可能性があります。その結果、投資家の信頼が回復するまでの間、株価が低迷することも考えられます。

セズル(SEZL:Sezzle)に対する結論

セズル(SEZL)は現在、非常に好調な成長を遂げており、私は2026年夏までに株価が500ドルに達する可能性があると考えています。

同社は爆発的な売上成長を遂げており、2025年のフリーキャッシュフローは少なくとも6,000万ドルに達する見込みです。それにもかかわらず、現在の株価は予想フリーキャッシュフローの31倍と、まだ割安な水準にあります。これは、より多くの投資家がその価値に気付けば、長くは続かないでしょう。

また、「On-Demand」サービスによる顧客エンゲージメントの向上、収益性の高い顧客への集中、そして利益を優先するビジネスモデルによって、同社は市場の期待を大きく上回る成長を遂げると考えています。こうした要因が相まって、今後市場は同社の株価を大幅に引き上げる可能性が高いと見ています。

以上より、同社の株価は、今なお魅力的な水準にありますが、この状況は長くは続かないと考えています!


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加えて、今回の決算では、新たにユニティ・ソフトウェア(U)、トースト(TOST、アップラビン(APP)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、ファイバー・インターナショナル(FVRR)、アップスタート・ホールディングス(UPST)、アトラシアン(TEAM)をポートフォリオに追加しており、下記の詳細な分析レポートも執筆しておりますので、インベストリンゴのプラットフォーム上より併せてご覧いただければと思います。

2025年2月中旬:米国株ポートフォリオ・アップデート


アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

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