やや強気ショッピファイすべて表示ショッピファイ / SHOP / 強気:最新の2023年4Q決算・強み(優位性)分析と今後の株価見通し・将来性(Shopify)
ドノヴァン・ ジョーンズ- ショッピファイ(SHOP)は世界中の企業にオンライン商取引機能を提供しているテクノロジー企業である。
- 同社は2024年2月13日に2023年第4四半期の決算を発表しており、売上高の伸びと営業コストの規律には目を見張るものがある。
- 堅調な業績を踏まえ、私の同社の株価に対する見通しは「強気」である。
ショッピファイ(SHOP)について
ショッピファイ(SHOP)は、2024年2月13日に2023年第4四半期の決算を発表し、売上高とコンセンサス利益の両予想を上回った。
同社は、強力なコスト管理策を維持しながら売上高を伸ばしており、その結果、営業レバレッジが増加している。
その堅調な業績を踏まえ、私は同社株式に対して短期的に「強気」で見ている。
ショッピファイ(SHOP)の概要と市場
ショッピファイ(SHOP)は、中小企業向けに設計されたクラウドベースのマルチチャネル・コマース・プラットフォームを提供している。
同社の最高経営責任者はトビアス・リュトケ氏で、以前はオンライン・スノーボード・ストアを設立し、さらに、ソフトウェア開発者として働いていた。
そして、同社は、デジタルマーケティングやインフルエンサー、代理店、テクノロジーベンダーとの提携を通じて新規顧客を獲得している。
Mordor Intelligenceの調査レポートによると、デジタルコマースソフトウェア市場は2018年から2028年にかけて12.64%の年平均成長率で成長すると予想されている。
この成長が期待される主な理由は、統一されたショッピングや配送サービスに対する消費者の需要と、IoT(モノのインターネット)関連製品やサービスの利用の増加である。
同社の主な競合としては、BigCommerce、WooCommerce、Squarespace、Wix、Amazon(AMZN)、Magentoが挙げられる。
ショッピファイ(SHOP)の最近の財務動向
四半期別の総売上高(黄緑色の列:Total Revenue)は目覚ましく増加しており、四半期別の営業利益(青色の線:Operating Income)は2021年第4四半期以来初めてプラス圏に急成長している。
四半期別売上総利益(黄緑色の列:Gross Profit)は売上高の伸びとともに増加し、四半期別販売費および一般管理費(青色の線:Selling General & Admin Expenses)は横ばいとなり、営業レバレッジの上昇につながっている。
また、希薄化後1株当たり利益(EPS)は過去2四半期で横ばいとなっている。
(上記グラフのデータはすべて百万ドル単位・GAAPベース)
一方で、過去12ヶ月で、同社の株価は83.4%上昇したのに対し、iシェアーズ・エクスパンデッド・テクノロジー-ソフトウェアETF (IGV)の上昇率は50.1%となっている。
ショッピファイ(SHOP)のバリュエーションとその他の指標
以下は、同社に関連するバリュエーションの表である。
指標 | 値 |
企業価値 / 売上高(予想) | 11.3 |
EV/EBITDA倍率(予想) | 73.5 |
株価売上高倍率(直近過去12か月) | 14.1 |
売上高成長率(予想) | 22.2% |
純利益率 | 1.9% |
EBITDAマージン | 4.7% |
時価総額 | $99,840,000,000 |
企業価値 | $95,950,000,000 |
営業キャッシュフロー | $944,000,000 |
実績EPS(直近過去12カ月) | $0.10 |
予想EPS | $1.34 |
一株当たりフリー・キャッシュフロー(直近過去12か月) | $0.71 |
また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率とEBITDA成長率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長とEBITDAの軌道に乗っていることを示すものである。
下表のように、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は、2023年第4四半期決算時点で44.7%となっており、この点において同社は良好なパフォーマンスを収めていると言える。
40%ルール・パフォーマンス(調整前) | 2023年第4四半期 |
売上高成長率 | 22.2% |
営業利益率 | 22.5% |
合計 | 44.7% |
ショッピファイ(SHOP)についての見通し
アナリストとの直近の決算説明会において、経営陣の準備発言では以下の点が強調されていた。
・売上高は前年同期比26%増の71億ドルで、第4四半期は初めて20億ドルを突破した。
・経営陣は、ショッピファイ・ビルペイ(Shopify Bill Pay)の開始とバックオフィス加盟店ソリューションのより多くの国への拡大によるコストと費用の変化を強調した。
・同社は年間9億500万ドルのフリーキャッシュフローを生み出し、フリーキャッシュフローとマージンを四半期ごとに順次拡大している。
・貸借対照表項目も強化され、現金および有価証券残高は50億ドルとなっている。
・海外市場においては、北米以外の加盟店が35%増加し、EMEAでは年間売上高が12億ドルを超える力強い成長を遂げた。
・最近の同社の傾向としては、エンタープライズ(企業)アカウントの大幅な増加、Shopify Payments(ショッピファイ・ペイメント)の採用拡大、管理業務を合理化し加盟店の生産性を向上させるAIツールの統合などが挙げられる。
・同社のマーチャント・ソリューションは、GMV(流通取引総額)が堅調な伸びを示したが、前四半期比ではテイクレートが若干低下した。
・同社は北米以外、特にEMEAで力強い成長を遂げており、GMVは40%増となった。
・同社は、Shopify Campaigns(旧称Shop Cashオファー)が重要なバイヤー獲得ツールとして機能していると述べている。
・Shopify Plusの価格改定は、下半期により大きな財務的影響を与えると予想される。
・解約率は、特に中小企業において業界トップクラスの低水準を維持しており、同社がエンタープライズ(企業)向けセグメントを成長させるにつれて、さらに改善すると予想される。
以上より、力強い売上高成長、40%ルールのパフォーマンス、営業レバレッジの上昇を踏まえ、ショッピファイに対する私の見通しは「強気」である。