強気スーパー・マイクロ・コンピューターすべて表示【AI・半導体】スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の将来性:目標株価は45ドル!監査法人を起用し、上場要件順守の計画も提出!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、注目の米国AI・半導体関連銘柄であるスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の新たな監査法人の起用や、ナスダック市場での上場要件を順守するための計画の提出等の足元の進展の分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- この度、ペイパル(PYPL)をポートフォリオから除外し、スーパー・マイクロ・コンピューターを追加した背景には、ペイパルで期待以上のリターンを得たことに加え、スーパー・マイクロ・コンピューターの成長可能性に注目しているためです。
- 同社はAIやデータセンター向けのITインフラに特化し、高いボラティリティとリスクを伴う銘柄ですが、予想フリーキャッシュフローの26倍というバリュエーションとコスト効率の改善により魅力的な投資先であるように見えます。
- 同社には財務透明性や競合との選択肢という課題があるものの、2026年初頭までの目標株価として45ドルを設定し、長期的な成長とリターンを見込める投資機会であると見ています。
ペイパル(PYPL)を除外し、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)を新規組み入れ!
この度、ペイパル(PYPL)をポートフォリオから除外し、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)を新たにポートフォリオに追加することを決定しました。
(出所:YCharts / Seeking Alpha)
正直なところ、具体的な理由は分かりませんが、読者の皆さんはペイパルに対してあまり興味を示さなかったように感じています。
少し気になることではありましたが、もしかしたら「退屈な銘柄」でリターンを上げることをあまり魅力的に思われないのかもしれません。
とはいえ、私自身、常に読者の皆様の興味を引くことばかりを考えるわけにはいきません。
私の使命は、あくまで市場を上回るリターンを実現することであり、もし刺激やスリルを求めるなら、それはカジノに行くべきでしょう。
現在の状況を考えると、ペイパルは、私が以前から設定している2025年夏までの目標株価である100ドルに到達する見込みは十分にあると見ていますが、初期段階で期待以上のリターンを得ることができました。
そのため、このタイミングでポートフォリオから除外して利益を確定し、その資金をスーパー・マイクロ・コンピューターに投資することにしました。
また、私の最新の2024年第3四半期決算後にリリースしたペイパルの分析レポートに関心がございましたら、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上よりご覧いただければと思います。
では、私がスーパー・マイクロ・コンピューターに注目する理由を詳しく解説していきましょう。
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スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)に注目する理由
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)は、移り気な個人投資家が多く、非常に不安定な株主基盤を持つ「バトルグラウンド銘柄(市場で意見が大きく分かれる銘柄)」です。
この点をしっかりと心に留めておいてください。
そして、同社のポートフォリオへの組み入れは、慎重に、そして冷静に行っています。
最も厳しい前提条件をもとに評価し、楽観的な見通しは一切排除したつもりです。
私の主張を一言で言えばこうです。
この銘柄の高いボラティリティ(価格変動)は、多くの投資家に敬遠される要因となるでしょう。
しかし、予想フリーキャッシュフローの26倍という現在のバリュエーションは、大きな安全マージンを提供しており、魅力的に見えます。
総じて、私は同社への目標株価として、2026年初めまでに1株45ドルを設定しています。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)を取り巻くリスク
通常、私は「バトルグラウンド銘柄」をポートフォリオへ追加することはありません。
こうした銘柄は価格変動が激しいためです。
ただし、私自身は同社の今後の株価見通しに自信を持っており、来る株価変動にも耐えられる覚悟もありますが、多くの投資家の方々は実際にはそこまで覚悟がないかもしれません。
たとえ「大丈夫」とおっしゃっても、実際にはそうではないケースが多いのが現実です。
こうした銘柄はとにかくボラティリティが激しく、ある日は株価が急騰して多くの投資家が買いを入れる一方、別の日には20%もの下落を記録し、多くの方がストップロスに引っかかってしまう、という状況になりがちです。
何度もお伝えしている通り、私はストップロスを絶対に使わないようしています。
この点をぜひ心に留めておいてください。
それでも今回この銘柄を新たにポートフォリオに追加する理由は、これまでの経験から、弱気だった銘柄に対して強気に転じたときに大きなリターンを得られることが多かったためです。
たとえば、ロビンフッド(HOOD)やペロトン・インタラクティブ(PTON)がその良い例です。
ただし、この戦略が完璧でないことも承知しています。
オースター(OUST)のように、弱気から強気に転じたものの最終的に損失を抱えて売却するに至った例もあります。
それでも、成功した際のリターンは失敗を十分に補うものであったのも事実です。
この戦略は高い精度と高い投資リターンをもたらすと考えており、だからこそ私はこのアプローチを続けていきます。
ただし、これまでに失敗があったことも率直に認めています。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の短期的な見通し
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)は、AIやデータセンター向けの高度なITインフラに特化しており、特にDirect Liquid Cooling(直接液冷)などの効率的なシステムの設計・製造に強みを持っています。
これにより、大規模なAI ITインフラの展開時間やコスト、エネルギー消費を削減することが可能です。
同社の最大の強みは、拡大するAI主導のワークロードに対応する高性能コンピューティングソリューションを大規模に提供できる点です。
一方で、米国のリサーチ会社であるHindenburg Research社による同社へのショートレポートが発表され、その内容が概ね正確であることも認識しています。
同社は財務諸表を承認する監査人の確保に苦戦し、最終的にナスダックに認可された中で最も寛容と言われる監査人による承認を得たに過ぎません。
しかし、Hindenburg社のレポートが発表された後の銘柄に投資することは、通常その後の12か月間で良い結果を生むケースが多いことも事実です。
以下はその例です:
・Adani Enterprise:2023年
・ブロック(SQ):2023年
・テクノグラス(TGLS):2021年
これらの銘柄がレポート後にどういったパフォーマンスを見せたのか、ご自身でぜひ確認してみてください。
以上を踏まえた上で、次にスーパー・マイクロ・コンピューターのファンダメンタルズについて詳しく見ていきましょう。
また、インベストリンゴのアナリストであるジェームズ・ フォード氏が、Hindenburg Research社による同社へのショートレポートが発表された直後に、下記の詳細な分析レポートをリリースしています。
もし詳細に関心がございましたら、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上よりご覧いただければと思います。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の売上高:2025年度下期の売上成長率は前年比+10%の可能性
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
ここで注目すべき、3つの不確定要素があります。
まず1つ目は、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の2025年度下期がどのような状況になるのかという点です。
この時期の業績は、前年同期比で比較するハードルが非常に高くなることが予想されます。
2つ目は、同社の財務報告書が提出されていないことについて、顧客がどれだけ懸念を抱いているのか、その影響がどの程度になるのかが不透明な点です。
この問題が顧客、特にエヌビディア(NVDA)などとの関係や評判に影響を与える可能性は否定できません。
そして3つ目の要素は、スーパー・マイクロ・コンピューターが必ずしも顧客にとって唯一の選択肢ではないという点です。
冷却タワーに関しては、デル・テクノロジーズ(DELL)をはじめとした他の競合企業も選択肢として存在しています。
これらの点を踏まえた上で、次に同社のバリュエーションについて見ていきましょう。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの26倍
私の考えを以下にまとめます。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)は2025年度第1四半期(暦年:2024年第3四半期)の決算で、約25億ドルの純負債を抱える見込みです。
このバランスシートは正直、理想的とは言えません。
この点では妥協せざるを得ない状況です。
実際、前回の決算以降、同社はかなりの借入を増やしています。
とはいえ、私は下記のように考えています。
2024年度に同社は運転資本、特に在庫の積み増しに積極的に投資してきました。
しかし、売上成長率が安定してきたことで、この在庫がキャッシュの供給源として機能する段階に入ると見ています。
つまり、フリーキャッシュフローが営業利益に近づいていくと考えています。
具体的に説明しますと、2025年度第1四半期のNon-GAAP粗利益率は13.3%と予想されていますが、若干の粗利益率低下を許容しつつも、コスト効率の改善によって2025年度第2四半期(暦年:2024年12月期)の粗利益率が13.5%程度まで改善すると予測しています。
この見通しをもとに、2025年度第2四半期のNon-GAAP営業利益は約4億5000万ドルになると見ています。
この数値を年率換算すると、成長が横ばいでも年間約18億ドルのNon-GAAP営業利益を生み出せる可能性があります。
ただし、慎重な見積もりをするため、大幅な安全マージンを設定し、その18億ドルのうち5億ドルだけがフリーキャッシュフローとして換算されると仮定します。
この前提に基づけば、同社の現在の株価は予想フリーキャッシュフローの26倍に相当します。
そして、上述の背景を踏まえると、このバリュエーションは十分に妥当だと考えています。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の価格変動リスクには要警戒!
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)は個人投資家から高い支持を集めている銘柄です。
そのため、同社から発表されるニュースによって株価が大きく変動しやすい特徴があります。
良いニュースが出れば急騰し、悪いニュースが出れば急落する、といった高いボラティリティが懸念されます。
また、現時点では割安に見えるかもしれませんが、財務報告書が公表され、それが監査済みであると投資家が十分に信頼できる状況になるまでは、この不透明感が株価の変動要因として続くでしょう。
そして、この不安定さが機関投資家を遠ざける要因にもなると考えられます。
さらに、ここ数か月間に同社に対して否定的なニュースが続いたことを受けて、顧客が同社のハードウェア製品に対してこれまで以上に大幅な値引きを要求してくる可能性も十分考えられます。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)に対する結論
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の株価が予想フリーキャッシュフローの26倍で取引されている現状は妥当だと考えています。
同社はAI主導のITインフラ分野で堅実な基盤を持っており、短期的な課題があってもその価値は揺るぎないものだと見ています。
確かに、ボラティリティや市場の懸念から慎重な姿勢を取る投資家もいますが、フリーキャッシュフローが営業利益に近づき、安定することで大きな成長余地が見込まれます。
2026年初頭までには、コスト効率の改善も加わり、株価は1株45ドルに到達すると予想しています。
保守的な前提をもとに計算しても十分な安全マージンが確保されており、リスクを考慮しても長期的には非常に魅力的な投資機会だと考えています。
また、インベストリンゴのテクノロジー・セクター担当のアナリストであるコンヴェクィティ社も、スーパー・マイクロ・コンピューターの上場廃止の可能性に関する詳細なレポートをリリースしています。
もし関心がございましたら、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上よりご覧いただければと思います。
さらに、今回の2024年第3四半期決算を受けて、新たにビル・ホールディングス(BILL)、イノデータ(INOD)、アップラビン(APP)、アステラ・ラブズ(ALAB)、テラドック・ヘルス(TDOC)、レディット(RDDT)をポートフォリオに追加し、各銘柄に関して下記のレポートを執筆しております。
関心がございましたら、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上より、ご覧いただければと思います。
ビル・ホールディングス(BILL)
イノデータ(INOD)
アップラビン(APP)
アステラ・ラブズ(ALAB)
テラドック・ヘルス(TDOC)
レディット(RDDT)
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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
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