やや強気SPDR S&P 500 ETF【米国株式市場:最新の今後の見通し】ビル・アックマンとビル・グロス、債券市場の弱気相場の終焉を示唆

- 2人のビリオネア投資家が、米国経済の成長鈍化を予想し、債券市場において、ベア(弱気)からブル(強気)に転じた。
- 私は、長期金利がピークを迎えたとすれば、米国株式市場の回復を後押しするはずであると考える。
債券利回りが重要な水準から急低下したにもかかわらず、投資家達は、今後、金利がどこまで上昇し、いつまで高水準にとどまるかを議論した。
先週のパウエル議長の講演後、利下げはもはや議論の一部ではないようである。
パウエル議長のタカ派的な口調は、投資家が利下げを切望している時に、今後の政策についてほとんど明確にしなかった。
また、経済成長率が明らかに減速している今、最近の経済の強さと潜在的なインフレへの影響に焦点を当てた点も見当違いだったように見える。
私が昨日のレポートで、債券利回りは新高値を更新するというより、ピークに近づいていると指摘したのはこのためである。
ビリオネア投資家、ビル・アックマン氏も同意見のようである。
なぜなら、彼は、8月初旬に開始した長期国債のショート・ポジションを解消したと発表した。
当時はインフレを懸念していたという。
そして今、彼は「最近のデータが示唆するよりも早く経済は減速している」と主張している。
私は彼のインフレ懸念には同意しなかったが、経済成長の鈍化という呼びかけは的を射ていると考える。
そのため、10年債利回りは5%台を突破したわずか数時間後に20ベーシスポイント近くも急落した。
資産運用会社時代から「債券王」として知られるもう一人のビリオネア投資家も、利回りについて同様のメッセージを伝えたが、経済については遥かに厳しい警告を発した。
ビル・グロス氏は、年内に景気後退が始まるという前提で、短期金利の低下にベットしていると伝えた。
そして、彼は、自動車ローンの延滞が増加していることを取り上げている。
しかし、私は、グロスは的外れだと考える。
確かに、サブプライムの60日以上の延滞率は6%まで上昇しており、これは歴史的に高い数字である。
しかし、ここでは、一旦、この数字を整理してみたい。
サブプライム層は、金融情勢が急速に悪化した場合、常に真っ先に苦境に立たされる。
しかし、全借入者に対する自動車ローンの占める割合は、全消費者債務残高の約9.2%を占め、サブプライム・カテゴリーはそのわずか14%に過ぎない。
したがって、実際には、9.2%の14%の6%という数字になる。
さらに、消費者負債全体の70%以上を占める住宅ローンの延滞率は、過去最低を記録している。
以上より、私は、ビル・グロスは、突然の景気後退警告により、恐怖を煽っていると考える。
10月14日に終わる週の最新の失業保険申請件数が198,000件に過ぎないにもかかわらず、年内の景気後退を立証するのは困難である。
季節調整前ベースでは今年5番目の低さであり、1年前の水準をかろうじて1%上回ったに過ぎない。
実際、失業保険申請件数は3月から8月にかけての週平均24万件から大幅に減少している。
とはいえ、リセッション(景気後退)への妄想は続いている。
予想より弱いデータは全て、景気縮小の論拠に使われるからだ。
一方、強さを示す数字が出れば、金利はより長期的に上昇すると主張するために使われる。
残念ながら、これがソフトランディングへの道なのだ。
良いニュースは、長期金利のピークをもたらすであろう成長鈍化の方向に流れが傾いているように見えることだ。
その他の米国マクロ経済関連レポート
また、私のその他の米国マクロ経済関連のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、私のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。
インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。
※インベストリンゴ上のいかなるレポートは、投資や税務、法律のアドバイスを提供するものではなく、情報提供を目的としています。本資料の内容について、当社は一切の責任を負いませんので、あらかじめご了承ください。具体的な投資や税務、法律に関するご相談は、専門のアドバイザーにお問い合わせください。