やや強気SPDR S&P 500 ETFすべて表示【最新】米国株の今後の見通し:パウエル議長の発言からもFRBは強気市場へ舵を切る
ローレンス・ フラー- FRBは現在、来年3回の利下げを予想しており、2024年の経済がソフトランディングすると見ていることを示している。
- これに市場の投資家は反応し、 ダウ工業株30種平均は史上最高値を更新している。
昨日、私はひどく不正確な推測をした。
FRBが長らく持っているリスク資産価格の上昇と金融環境の緩和への懸念を考慮すると、私はパウエル議長が利下げ期待に対抗するだろうと思っていた。
しかし、私は間違っていた。
結果的に、株価は急騰し、小型株で構成されるラッセル2000株価指数は3.3%上昇、ダウ工業株は史上最高値を更新した。
ドルは下落し、債券は10年債利回りが4%を割り込むなど上昇した。
今年最後のFRB理事会にて、更新されたドットプロットによれば、FRBのメンバーは来年、各々25ベーシスポイントの3回の利下げを予測している模様である。
各ドットは理事会メンバーの予想を表している。
これは、今年あと1回の利上げと来年25bpずつの利下げを2回行うと予想していた9月からの大きな転換点である。
このピボットこそが、昨日の上昇のきっかけとなった。
数ヶ月にわたり、私は市場のストラテジストの多くが認識していない最も重要な金融政策の側面について強調してきた。
それは金融政策が両方向に遅れて機能するということである。
FRBはインフレを阻止するための利上げアクションが遅すぎたという事実がある。
結果、当然の批判を受ける結果となった。
その為、パウエル議長は、利下げを長引かせて同じ過ちを2度繰り返したくはないだろうと見ている。
以上を踏まえ、私は、利下げは「より長く、より大きく」ではなく、「予想よりも早く、より低い水準」で実施されるだろうと予想していた。
最初の利下げは3月に行われ、その後も会合ごとに利下げが行われるはずで、年末までに利下げ幅は4%を下回り、中立金利に近づくだろう。
パウエル議長は私の見通しを肯定はしなかった。
しかし、インフレ目標である2%に到達する前に短期金利を引き下げる必要があると指摘した。
加えて、「あと1回の利上げと2回の利下げ」予想から、これ以上の利上げなしへと舵を切った。
そして、今後3回の利下げは、金融政策における怪物のようなピボット(転換)であるように見える。
パウエル議長がすべてのカードをテーブルの上に置き、より急速な緩和を行うはずがないように見える。
しかし、市場が1ヵ月前から3回の利下げを織り込み始めている。
その為、市場がFRBをリードしているのであって、その逆ではないことが分かる。
CMEグループのFedWatchツールによると、3月に最初の利下げが行われ、さらに5回の利下げが行われ、基準金利は現在の5.25%から5.5%の範囲から3.75%から4%の範囲に引き下げられると予想されている。
このような期待の変化は、経済的苦境から生み出されたものではなく、インフレ率が目標値まで低下し、同時に景気拡大が維持されたことにより生み出されたものである。
そして、私は、この流れは的を射ていると思っている。
つい6週間前までマーケットを悩ませていた悲観論は、S&P500種指数が16%以上上昇し年初来高値を更新したことで、陶酔とまではいかなくとも興奮に転じている。
このため、短期テクニカル指標は警戒のシグナルを点灯している。
この足元の大きな上昇を消化するために、一時停止とまではいかなくても、調整があっても驚かない。
しかし、2024年に史上最高値を更新するという私の見通しを弱めるものでは決してない。
というのも、5%のリターンを追い求めてマネー・マーケット・ファンドに流入した6兆ドルは、早ければ来年3月にFRBが利下げを開始すれば、行き場(株式市場?)を探すことになるからである。