やや強気SPDR S&P 500 ETF【最新】米国株の今後の見通し:S&P500が史上最高値を更新も、当面はレンジ相場を予想

- S&P500種指数は先週史上最高値を更新したが、その幅は再び縮小(上昇している銘柄数は減少)した。
- 私は、3月にFRBの政策がより明確になるまで、指数はまだ乱高下すると見ている。
先週、S&P500種指数はダウ・ジョーンズ工業株と並んで史上最高値を更新した。
昨年6月、私は投資家に対し、市場の幅の拡大、ディスインフレ、景気拡大の継続により、S&P500種指数が6~12ヵ月以内に史上最高値を更新すると予想していた。
そして、それはわずか7ヵ月で実現した。
その様な環境下でも、ベア(弱気)派は、史上最高値を更新したセクターがほとんどないことや、今年に入って幅が再び狭まっている(上昇している銘柄数が減少し、一部の銘柄に市場が牽引されている)ことを市場の弱さや不安定さの一種だと指摘し、足元のパフォーマンスの妥当性を疑問視している。
しかし、私にはそれ等の解釈は負け惜しみのように聞こえるというのが本音である。
なぜなら、史上最高値の更新は通常、強気のサインであり、6月以降、市場の幅は劇的に改善している。
そのため、市場の幅がもう一段、これから改善した場合には、さらなるチャンスの到来であると見ている。
昨夏の弱気シナリオの一部は、人工知能(AI)関連のテクノロジー銘柄がS&P500種株価指数の年初来の上昇をすべて担っているという点に焦点が当てられていた。
一見するとネガティブな展開に聞こえ、弱気相場は終わっていないというバイアスを働かせたい向きには格好の材料となった。
しかし、歴史が示唆するように、これは弱気派が考えるほど不吉な展開ではなかった。
昨年6月のように、S&P500の上位5社が5ヶ月以上インデックスをアウトパフォームすると、S&P500はその後の3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の期間もアウトパフォームする。
S&P500種指数は、私が昨年6月に下のチャートを投資家に公開して以来、約11.5%上昇している。
唯一の異常は2000年だが、これは例外であり、絶対的なルールではないという点にはご留意いただきたい。
さらに、S&P 500 Equal Weight 指数(イコール・ウエイト型のS&P500種株価指数)はその後劇的にパフォーマンスを向上させた。
そして現在、同指数は2022年1月に達成した史上最高値に非常に接近している。
確かに、年初来ベースではテクノロジー・セクターのパフォーマンスが再び上位を占めている。
しかし、イコール・ウエイト型のS&P500種株価指数に顕著なように、私は株式市場の調整を想定しており、その過程で、再び市場の幅が改善すると予想している。
先週の経済指標は、リスク資産価格が過去3ヵ月間に反映され始めたように、ソフトランディングに近づいてきているように見える。
労働と個人消費に関するヘッドラインの数字は力強いもので、FRBによる利下げの必要性を疑問視する向きもある。
しかし、両者の背景にあるより詳細な情報を見ると、成長率は減速傾向にあることが分かる。
そして、私は、最終的に安定した物価を実現するためには、トレンド以下の経済成長期が必要であると考える。
しかし、成長と縮小は紙一重であるため、高頻度の経済データは強気派と弱気派の両方に材料を提供し続けるだろう。
ゴルディロックスと呼ぶにふさわしい数字を目にすることは稀である。
しかし、先週発表されたミシガン大学の1月の消費者マインドは、その基準を満たしていた。
この指数は2年ぶりの高水準に上昇し、消費者は収入、現在の経済状況、将来の経済状況について広く自信を深めている。
同時に、今後3年間の予想物価上昇率は3.1%から2.9%に低下している。
これはFRBの次回会合を前にしたタイムリーな報告である。
市場の評論家たちは、FRB当局者たちとともに、FRBが金融緩和を始めるのは2%のインフレ目標にかなり近づいてからだと主張し続けている。
私にとって、これは、「FRBは金融引き締めを始める前に、インフレ率が9%のピークに近づくまで待つべきだった」、と言っているのと同じくらい無意味なことに聞こえる。
実際に、最初の利上げは2022年3月で、その1ヵ月後の消費者物価指数は8.5%だった。
現在、FRBが推奨するインフレ指標(PCE価格指数)は2.6%まで低下し、コア金利は6ヵ月年率換算でわずか1.9%の上昇にとどまっている。
FRB当局者がリスク資産価格の上昇を避けるためにタカ派的なレトリックを唱えるのは理解できる。
しかし、FRBは政策に関して同じ過ちを繰り返したくないのだろう。
以上より、FRBは3月から徐々に利下げを始めるはずであると見ている。
私は、投資家がセクターや銘柄を入れ替えながら、今後2ヶ月の主要市場平均は、レンジ相場が続くと考えている。
そして、FRB当局者の発言と市場の投資家の期待のギャップがぶつかり合うと見ている。
足元、この2つのポイントは、大きくかけ離れている。
そして、今週金曜のPCE統計は、この方程式において極めて重要である。
予想では、ヘッドラインは2.6%で横ばい、コアは3.2%から3%に低下することとなっている。
一方で、FRBは、今年末までにこの両方が2.4%に低下すると予測している。
しかし、私たちがそのFRBの予測している数字を実現するのに、年末まで待つ必要はないだろうと見ている。