やや強気SPDR S&P 500 ETFすべて表示【最新】米国株の今後の見通し:S&P500は遂に5000ポイントを突破も、Fear & Greed Indexは1年前の7%下落時直前と同様の水準にあることに警戒
ローレンス・ フラー- 遂にS&P500は5,000の大台を超えたが、水面下では幅広い銘柄で株価の調整が続いている。
- そして、これらの調整は、今後、更なる下落が迫っていることを示唆していると見ている。
S&P500がついに5,000というマイルストーンを突破した。
経済と市場のファンダメンタルズがこの水準を正当化するとしても、2024年の比較的早い時期に、指数水準で多くの好材料を織り込んだように感じられるのは確かであり、さらに、長年の強気派も同様の意見を持っているようである。
金利上昇の環境はほぼ過去のものとなり、私たちは素晴らしい経済成長を目の当たりにしており、実際に、第4四半期の業績は市場予想を上回っている。
そして、インフレ率は今年後半にはFRBの目標である2%まで低下する見込みで、ソフトランディングは目前に迫っているように見える。
ただし、上記の要因を踏まえても、この2024年の年初でS&P500で5,000という水準は、少し出来過ぎているように思える。
そして、現在のS&P500の水準は、今年の予想PERで20倍強ということになっており、つまり、今後、すべてが予想通りに進まなければならないということを意味している。
ただし、現実としては、そのようなことはめったにないのが現状である。
それでも、「投資家が一斉に追い求めるマグニフィセント・セブンの影響を取り除けば、市場は宣伝されているほど割高ではない」、という事実を慰めにしたいというのも本音である。
実際に、イコールウェイト型のS&P500は16倍近くで取引されており、これがこの市場における真のバリュエーションであるとも言える。
私は、市場の幅が広がる(上昇する銘柄数が増える)につれて、マグニフィセント・セブンからそれ以外の銘柄へとよりローテーションが進んでいくと考えている。
しかし、実際にそれらのローテーションが本格化するのは、おそらく3月のFRB理事会で政策がより明確になってからと見ている。
昨年、S&P500が2度にわたって大きく下げたのは、いずれも金融政策に対する不透明感が根底にあったからであり、私は、今後1ヶ月の間に、もう1度調整局面が来る可能性が高いと見ている。
そして、その流れは、主要株価指数の水面下ですでに起こっている。
しかし、個別銘柄を幅広く分散したポートフォリオを保有していない限り、そのことに気づくことはないだろう。
実際に、長期移動平均線より上で取引されている銘柄の割合は、年初の50%強をピークに、昨年2月と8月のように減少してきているのである。
S&P500でも、現段階では同じ程度ではないが、同じような動きが見られてきている。
但し、次の下落で押し目を買おうとしている資金が多すぎるため、10%程度の全面的な調整はないと私は見ている。
しかし、S&P500が5,000と到達後の一端の利益確定は論理的であるように思える。
そして、私たちは通常、こうした大きな節目を迎えると、人間の貪欲さが表面化するのを目の当たりにする。
CNNの恐怖と貪欲指数がその領域に達しているのは、今日も同じである。
実際に、1年前、S&P500が7%引き下げられる直前に、Fear & Greed Index(恐怖と貪欲指数)がこの水準にあったことがまさにそれを表している。
ただし、読者の皆様に誤解して欲しくないことは、私は本稿で弱気な見方を示している訳ではないということである。
しかし、市場には時として休憩が必要であり、株価が一方向に永遠に進み続けることはないというのが現実である。
そのため、このような時こそ、今後押し目買いをするための大きな調整を待つべきである。
そして、実際に市場が下落し、市場の参加者が恐怖を感じ始めた際に、その恐怖を利用し押し目買いをするためにも、余剰資金を準備しておくことが大切であると見ている。