TSMC(TSM)2024年6月の売上高は前月比で9.5%減少も、2024年第2四半期は過去最高の四半期売上高を記録
ウィリアム・ キーティング- TSMC / 台湾積体電路製造(TSM)の2024年6月の売上高は2,078億7,000万台湾ドルで、前月比9.5%減、前年同月比32.9%増となった。
- TSMCの年初来売上高は1兆2,661億5,400万台湾ドル(約390億米ドル)で、前年同期比で28%増加しており、2024年の年間予測に沿った結果となっている。
- TSMCの2024年第2四半期売上高は6,736億9,000万台湾ドルで、ガイダンス範囲の上限を上回る208億5,700万米ドルに達し、過去最高の四半期売上高を記録している。
TSMC / 台湾積体電路製造(TSM)は、2024年6月の売上高が2,078億7,000万台湾ドルであると発表した。これは前月比9.5%減であるが、前年同月比では32.9%増である。
※TSMC Monthly Revenues (NT$ Millions):TSMCの月次売上高(台湾ドル:百万単位)
6月の9.5%の前月比減少は、5月の2.8%の前月比減少に続くものである。TSMCで何が起きているのか、そしてもっと重要なことは、私たちは心配すべきかどうかという点である。では、詳しく見ていきたい。
結論から言うと、TSMCに関して心配する必要はないと考えており、その理由はいくつかある。まず、TSMCの年初来売上高を見てみよう。
※TSMC June Revenue Report (Consolidated):TSMCの6月売上高報告(連結ベース)
※M-o-M Increase (Decrease) %:前月比増減率(%)
※Y-o-Y Increase (Decrease) %:前年同月比増減率(%)
TSMCの年初来売上高は1兆2,661億5,400万台湾ドル(約390億米ドル)であり、前年同期比で28%増加している。これは、2024年に前年比20%以上の増加を予測していた同社の見通しに沿ったものである。
次に、3か月前に発表されたTSMCの2024年第2四半期の予測について注目していただきたい。下記の資料にある通り、売上高のレンジは196億米ドルから204億米ドルの間となっており、中間値で200億米ドルとされている。
TSMCの第2四半期の売上高は6,736億9,000万台湾ドルであった。TSMCが予測した為替レートで換算すると、これは208億5,700万米ドルとなり、ガイダンス範囲の上限を4億5,700万米ドル上回っている。これは前期比10.5%増、前年同期比33.7%増である。また、第2四半期の売上額について特筆すべき点は、同社の過去最高の四半期売上高であることである。
※TSMC Quarterly Revenues & Net Income (US$, Billions):TSMCの四半期売上高と純利益(米ドル:十億単位)
つまり、TSMCは収益予想を上回り、強力な前期比成長を達成し、年間予測に向けて順調に進んでいる。
それほど強力なパフォーマンスを見せているにもかかわらず、なぜ5月と6月に前月比で減少が見られたのか。それは、4月の売上高が非常に高い水準にあったためである。4月の売上高は前月比21%増で、4月としては過去最高、同社の歴史でも2番目に高い月次売上高であった。したがって、5月と6月の売上高が前月比で減少したとしても、4月の売上高の強さが結果的にTSMCの四半期売上高の最高記録を達成する要因となったのである。
株価の観点から見ると、TSMCの株価は年初来でほぼ倍増している。
TSMCは、2024年7月18日木曜日の台湾時間14時に2024年度第2四半期決算報告を行う予定である。年初来のパフォーマンスに基づけば、年間予測を前年比30%以上の成長に引き上げる可能性も十分に考えられる。また、価格引き上げや生成AIが同社のビジネスに与える影響についても多くの議論が期待される。今後の展開には、引き続き注目していきたい。
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