やや強気ユナイテッド・パーセル・サービスユナイテッド・パーセル・サービス(UPS:予想配当利回り5%・配当金1.63ドル)の今後の株価見通しと将来性に迫る!
イアニス・ ゾルンパノス- 本稿では、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS:予想配当利回り5.04%・配当性向90%・1株当たり配当金1.63ドル)の最新の2024年度第2四半期決算発表と配当支払いに関するトレンド、さらに、同社の財務動向に関する詳細な分析を解説していきます。
- そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
- 2024年第2四半期決算では、EPSが前四半期比で上昇し、過去5年間での年平均成長率は12.80%と、長期的に安定した成長を示しています。
- 同社の現在の株価は、弊社算出の一株当たり本質的価値よりも低く、割安である可能性がありますが、配当性向の高さや財務リスクには注目する必要があるでしょう。
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の概要
レーティング:強気
バリュエーション:やや割安
リスクレベル:低リスク
セクター:運輸
現在の株価:129ドル
時価総額:1107.2億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:162.73ドル
安全マージン:20.57%
過去5年間の配当成長率:13.00%
前回配当落ち日:2024年8月19日
次回配当支払い日:2024年9月5日
予想配当利回り:5.04%
過去5年間の売上高成長率:6.70%
過去10年間の売上高成長率:7.30%
関連用語解説
安全マージン(Margin of Safety):株式の内在価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、内在価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。
売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS:予想配当利回り5.04%・配当性向90%・1株当たり配当金1.63ドル)は、世界的な物流・配送サービスを提供するアメリカの大手企業です。同社は、1907年に設立され、現在では220以上の国と地域で運営される巨大な物流ネットワークを誇ります。UPSのビジネスモデルは、地上輸送、航空輸送、国際輸送、サプライチェーン管理など、多岐にわたるサービスを包括的に提供する点でユニークです。特に、eコマースの成長に伴い、迅速で効率的な配送サービスの需要が急増しており、UPSはこの分野での競争力を高めています。
財務面では、UPSは安定した収益を上げており、さらに、同社の営業利益率は業界平均を上回っており、効率的な運営とコスト管理が利益率の向上に寄与しています。また、UPSは2000年以降、約24年間にわたり連続して増配を行っており、2024年には年配当金が約6.4ドルに達する見込みです。これにより、UPSは配当株としても非常に魅力的であり、特に配当重視のインカム投資家にとっては有力な選択肢となっています。
さらに、UPSは近年、M&A(企業買収)にも積極的であり、2022年にはBomi Groupを買収し、ヘルスケア物流の分野でのポジションを強化しました。この買収により、UPSは医薬品や医療機器の物流サービスの提供能力を拡大し、新たな成長機会を創出しています。これにより、UPSは持続的な成長が期待され、引き続きグローバル市場での地位を強固にすることが見込まれます。
そして、同社は2024年7月23日に2024年第2四半期決算を発表しています。
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の最新の2024年度第2四半期決算に関して
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、2024年6月30日に終了した最新の2024年度第2四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は1.79ドル(前四半期:1.43ドル)、希薄化後のEPSは1.65ドル(前四半期:1.30ドル)、また、1株当たり売上高は25.459ドル(前四半期:25.36ドル)と、いずれの指標でも前四半期比で上昇という好調な着地となっています。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、下記のチャートからも分かる通り、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は12.80%で、過去10年間の年平均成長率は10.00%となっており、中長期的に継続して大きな成長を実現していることが分かります。
また、今後10年間、同社の業界は安定した成長を続けると予測されていることからも、同社株式の今後の株価見通しは明るいように見えます。
以上より、足元の牛席は、市場の投資家がユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の長期的成長の可能性に自信を持つことができる内容であるように見えます。
※チャート上の値は年間ベースであり、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の直近4四半期の合計値
関連用語解説
EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。
非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。
希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。
1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の財務パフォーマンスに関して
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の財務パフォーマンスを、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC)、加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。
まず、過去5年間のROAの中央値は9.45%で、同社が資産に対して適正なリターンを生み出していることを示しています。
また、過去5年間のROEの中央値は68.45%で、株主資本に対する収益性が高いことを示しています。
さらに、過去5年間のROICの中央値は13.97%で、WACCの8.62%を上回っており、同社が継続して経済的価値を生み出していることを示しています。
加えて、過去5年間のROCの中央値も23.48%と高水準となっています。
一方で、現在のROEは29.05%となっており、過去10年間の最高値である701.22%よりは低い水準となっているが、過去10年間の中央値よりは高い水準となっています。
さらに、現在のROICは9.98% で、過去10年間の最高値である19.92%は下回っているが、依然としてプラスの水準を維持しています。
また、WACCは過去10年間で変動しているが、現在は8.89%で、足元のROIC(9.98%)よりも低くなっている一方で、過去10年間の中央値である7.53%より若干高い水準となっています。
以上より、ROICとWACCの差がプラスであることからもわかるように、全体としてユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の業績は株主への利益還元と経済的価値の創出という点で好調であるように見えます。
関連用語解説
総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。
自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。
投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。
ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。
加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の配当に関して
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、下記のチャートからも分かる通り、過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は13.00%、過去3年間の成長率は17.10%となっており、一貫した配当の成長を実現しています。
さらに、同社は、2000年以降、約24年間にわたり連続して増配を行っています。
また、同社の予想配当利回りは5.04%と高水準にあり、投資家への強力な配当を通じたリターンを示しています。
しかし、配当性向は90%と高く、これは、UPS が利益の大部分を配当として支払っていることを示唆しており、将来の成長のために事業に再投資する能力を制限する可能性があると言えます。
一方で、負債管理の面では、EBITDA有利子負債倍率は2.40倍となっており、この倍率は憂慮すべきものではないが、ある程度の財務リスクを示すものであるため、投資家は今後も同倍率を注視する必要があるでしょう。
基本的には、EBITDA有利子負債倍率は2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すとされています。
そのため、同社は、持続可能な成長を確保し、投資家の信頼を維持するために、引き続き負債水準をより適切に監視・管理するように努めるべきであると言えます。
全体として、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の配当成長率は称賛に値するが、投資家は、同社の財務の健全性と配当支払いの持続可能性を評価するために、同社の配当性向と債務水準には継続して注意を払う必要があるでしょう。
予想配当利回り:5.04%
配当性向:90%
配当カバレッジ・レシオ:0.94倍
過去5年間の配当成長率:13.00%
EBITDA有利子負債倍率:2.4倍
※DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金
※Dividend Yield:予想配当利回り
※Dividend Payout:配当性向
関連用語解説
1株当たりの配当金:企業が株主に支払う配当金を、発行されている株式の総数で割った値。これにより、株主が保有する1株あたりに受け取ることができる配当金の金額が示される。
配当成長率:企業が過去数年間にどれだけ配当金を増加させたかを示す割合。配当成長率が高いほど、企業が株主に対して利益を還元する意欲が強いことを示す。
予想配当利回り:企業が次年度に支払うと予想される配当金を現在の株価で割った割合。投資家にとって、どれだけのリターンを配当として受け取ることができるかの見込みを示す。
配当性向:企業の純利益に対して、どれだけの割合を配当金として支払っているかを示す指標。計算は、配当金を純利益で割って算出され、配当性向が高すぎると、企業の成長投資に使える資金が減少する可能性がある。
EBITDA有利子負債倍率:EBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)に対する有利子負債の割合を示す。企業の有利子負債が利益によってどれだけカバーできるかを示す指標で、低いほど財務的な健全性が高いとされている。
配当カバレッジ・レシオ:企業の利益が、支払われる配当金をどれだけ上回っているかを示す指標。計算は、利益(通常は純利益かEBITDA)を配当金で割ることで算出され、配当カバレッジ・レシオが高いほど、配当が持続可能であると考えられている。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)のバリュエーションに関して
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の現在の株価は129.26ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である162.73ドルよりも低いことから、同社の現在の株価は割安である可能性を示しています。
また、実績ベースの株価売上高倍率は1.24倍となっており、株価が売上高に対して妥当な倍率で取引されていることを示唆しています。
さらに、EV/EBITDA倍率は11.74倍となっていることからも、EBITDAに比べて低いバリュエーションで取引されていることを示しています。
加えて、予想PERは17.44倍と実績PERの21.09倍より低く、潜在的な収益成長の可能性を示しています。
そして、過去5年平均、過去10年平均と比較すると、同社のバリュエーションは割安であり、魅力的な投資機会となっているように見えます。
以上より、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)のバリュエーションは概ね割安であるように見えますが、より包括的に分析するには、同社業界の平均を考慮して同業他社とも比較をすると良いでしょう。
上記グラフにおける関連用語
Price:現在の株価
Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値
DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価
DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価
Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価
Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価
赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値
関連用語解説
実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。
予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。
PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。
株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。
株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。
EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。
PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)のリスクとリターンに関して
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)のリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います。
まずマイナス面では、90%という高い配当性向は、今後、同社が配当支払いを維持するのに苦労する可能性があることを示唆しています。
さらに、過去12ヶ月間の一株当たり売上高の減少は、同社の財務実績においてネガティブな内容であると言えます。
一方でプラス面では、過去3ヵ月間にインサイダーによる同社株式の買い付けが確認されており、合計5,000株が購入されています。
さらに、ベニッシュのMスコアが-2.83であることから、同社が利益操作を行っている可能性は低いと言えます。
また、営業利益率の拡大、PBRと株価売上高倍率の低さ、予想配当利回りの高さ、アルトマンのZスコアの高さは、いずれも同社の財務の健全性を示す好材料であると言えます。
全体として、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)には配当性向の高さや一株当 たりの売上高の減少といったマイナス材料がある一方で、インサイダーによる同社株式の買い付け、強固な財務比率、マージンの拡大といったポジティブな材料は、潜在的な投資家にある程度の安心感を与える内容であるように見えます。
関連用語解説
財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。
アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。
ベネッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。
ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。
各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。
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ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の過去12ヶ月間のインサイダーによる同社株式の取引活動は限定的であり、買い付けは2件のみで、売却は確認されていません。
これは、同社のインサイダーが、同社株式の今後の見通しに自信を持っていることを示唆している可能性があります。
しかし、インサイダーによる同社株式の保有率はわずか0.32%である点にはご留意ください。
一方で、プロの機関投資家による同社株式の保有比率は58.96%と著しく高く、機関投資家が同社株式を多く保有していることを示しています。
これは、同社がプロの機関投資家に好意的に見られていることを示している可能性があり、機関投資家は同社に対して長期的に強気の見通しを持っている可能性があります。
全体として、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)のインサイダー取引とトレンド分析では、インサイダーとプロの機関投資家の両方の間で、同社に対する肯定的なセンチメントがあることを示しています。
関連用語解説
インサイダーによる自社株式の保有比率:企業の経営陣や役員、主要株主(一般的に10%以上の株式を保有する人)が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。インサイダーが多くの株式を保有している場合、彼らが企業の将来に自信を持っていると見なされることが多い。
機関投資家による株式の保有比率:投資ファンドや保険会社、年金基金などのプロの機関投資家が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。機関投資家の保有比率が高いと、その企業が市場で信頼されていると判断されることがある。
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の流動性に関して
ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は4,499,469株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は4,870,227株となっており、同社株式に対する一貫した取引があることを示唆しています。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は31.16%となっており、取引活動の約3分の1がダークプールで行われていることを示しています。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性があります。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性があります。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言えます。
全体として、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は流動性が高く、一貫した取引活動が行われていることからも、流動性を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっているように見えます。
関連用語解説
※ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。
※ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
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