やや強気ベライゾン・コミュニケーションズすべて表示ベライゾン(VZ)の配当推移:18年間連続で増配を続ける予想配当利回り6.1%の注目の米国高配当株の将来性に迫る!
ヴェンカット・ ラガーヴァン- 本稿では、18年間連続で増配を続ける注目の米国高配当株であるベライゾン・コミュニケーションズ(VZ:予想配当利回り6.1%:配当性向58%:フリーキャッシュフロー配当性向65%)の配当推移と将来性を詳しく解説していきます。
- 皆さん、電波が悪いのは本当に嫌ですよね?でも、収入がどんどん口座に入ってくるのを見るのは最高ですよね?ベライゾン・コミュニケーションズなら、その両方の問題を一度に解決してくれます。
- 他人が深く考えずにあなたにお金を払い続けてくれるような、安定した収入源に投資をするべきでしょう。実際に、お金で幸せを買うことはできませんが、お金はストレスを軽減し、もっと幸せを感じる余裕をもたらしてくれることは間違いないでしょう。
予想配当利回り6.1%の注目の米国高配当銘柄とは?
電気代や携帯代、インターネット代を支払うときに、最後に深く考えたのはいつですか?
それとも、照明をつけたり、車を走らせたりするときに、しっかりと考えたことはありますか?
日常の中で、私たちは何も考えずにやっていることがたくさんあります。
なぜなら、それらは必要だから、やらざるを得ないからです。
部屋に入って照明をつけるのは、明かりが必要だからですし、そのコストについては気にしません。
携帯でメッセージを送るときも、毎月の携帯代のことを考えることは少ないでしょう。
私は、こうした必需品から得られる収入が大好きです。
しかし、私だけではありません。
伝説的な投資家ピーター・リンチは、1977年から1990年までフィデリティ投信のマゼラン・ファンドで驚異的な成績を上げたことで知られています。
彼の銘柄選びにはいくつかの基準があり、その中でも特に重要なのは、不景気でも人々が買い続ける製品やサービスを提供する「地味な業界」の企業を選ぶことです。
北米の通信業界はまさにその例であり、大手企業が市場を支配し、競争や変革の余地がほとんどありません。
今日は、そんな「安定した退屈な収入源」をご紹介します。
それでは始めましょう!
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ):退屈な投資でも大きなリターン
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は、6.1%の予想配当利回りを誇る私たちの注目銘柄の一つです。
この「地味な」銘柄は、過去1年間でS&P 500を上回るパフォーマンスを見せています。
(出所:YCharts)
それでも、同社の株価は過去10年間で最低水準にとどまっており、この配当支払いを重視する企業は今もなお魅力的な銘柄であるように見えます。
(出所:YCharts)
2023年の大半、ウォール街ではベライゾン・コミュニケーションズの負債が配当に悪影響を及ぼすのではないかという懸念がありましたが、
しかし、実際には、債権者がいつでも返済を求めることはできません。
確かに金利上昇が収益に重くのしかかっていますが、第2四半期の金利支払いは17億ドル(第1四半期の13億ドルから増加)と、依然として許容範囲内にあります。
また、同社はこの四半期で123億ドルの調整後EBITDAを生み出しました。
2024年6月30日時点で、同社の無担保純負債は1,228億ドルで、レバレッジ比率(無担保純負債/調整後EBITDA)は2.5倍(第1四半期の2.6倍から減少)に改善しており、実効金利は5.1%となっています。
加えて、投資家の間で心配されているもう一つの要因は、衛星を使ったインターネットや電話サービスによる競争です。
今年初め、VZは衛星通信の新技術を開発しているAST SpaceMobileに1億ドルを投資しました。
この技術により、スマートフォンを改造することなく、サービス圏外のエリアでも衛星に接続できるようになります。
さらに、同社は最近、Skyloとの提携で衛星メッセージサービスを開始する計画も発表し、都市部への低コストサービス展開を進める準備が整っています。
直近の決算である2024年第2四半期には、ベライゾン・コミュニケーションズは事業活動から166億ドルのキャッシュフローを生み出し、58億ドルのフリー・キャッシュフロー(FCF)を確保しています。
ベライゾン・コミュニケーションズのフリー・キャッシュフローと配当支出の推移(単位:百万ドル)
(出所:筆者作成)
上記の図をご覧ください。
この図が示す重要性は非常に大きいです。
ここでは2つの要素がポイントです。
1. 安定した余剰現金の確保
フリー・キャッシュフロー(FCF)は、企業が実際に手元に持っている現金を示すため、配当の支払能力を測る上で非常に信頼できる指標です。これに対し、利益には減価償却費など現金の動きを伴わない項目が含まれることが多く、実際のキャッシュフローとは一致しません。
2. 持続可能性
フリー・キャッシュフロー(FCF)をもとに配当を支払うことで、企業は無理なく株主に還元することができます。これにより、企業の長期的な健全性を保ち、配当の持続可能性を高めることができます。
ベライゾン・コミュニケーションズは2024年上半期に55億ドルの配当を支払いましたが、これはフリー・キャッシュフローの85億ドルに対してフリーキャッシュフロー配当性向が65%と健全な水準に収まっています。
フリーキャッシュフロー配当性向
企業が生み出したフリーキャッシュフロー(営業活動から得た現金から投資に使った資金を差し引いたもの)のうち、どのくらいの割合が配当として株主に支払われたかを示す指標であり、配当の持続可能性を判断するために使われます。
フリーキャッシュフロー配当性向の算出方法は、以下の式で求められます。
配当総額は株主に支払われた配当金の合計額、フリーキャッシュフローは企業の実際の現金収入を指します。この数値が低いほど、企業が安定した財務状態で配当を支払っていることを意味します。
また、ベライゾン・コミュニケーションズは約34億ドルの純負債を減らし、フィッチ(Fitch:アメリカに本拠を置く信用格付け会社)から無担保債務に対してA-の格付けを受けています。
そして、同社は2024年度の通期ガイダンスも再確認しており、前年比で調整後EBITDAが1~3%成長し、調整後EPSは4.50~4.70ドルとなる見通しです。
これにより、配当性向は中央値で58%に達します。
配当性向
企業が得た利益のうち、どれだけの割合を株主に配当として支払っているかを示す指標です。企業の利益がどれだけ配当に回されているかを確認するために使われ、配当の持続可能性を判断する上でも重要です。算出方法は以下の式で求めます。
配当総額は株主に支払われた配当金の合計額、純利益は企業が税引後に得た利益です。この数値が低いほど、企業が安定した財務状態で配当を支払っていることを意味します。
さらに、ベライゾン・コミュニケーションズとフロンティア・コミュニケーションズ・ペアレント(FYBR)は、最近、ベライゾン・コミュニケーションズが20億ドルの全額現金取引でフロンティア・コミュニケーションズ・ペアレントの光ファイバー事業を買収する最終合意に至りました。
フロンティア・コミュニケーションズ・ペアレントは25州にまたがり、720万か所のサービス提供エリアに220万人の光ファイバー加入者を抱えており、2026年までに1000万か所へ拡大する計画です。
この買収は、株主の承認を経て17か月以内に完了予定であり、これによりベライゾン・コミュニケーションズの光ファイバーネットワークは3100万か所に拡大され、特に北東部の市場での競争力が強化されます。
これにより、ライバルであるAT&T(T)を上回る可能性もあります。
(出所:Cnet.com)
また、ベライゾン・コミュニケーションズは最近、配当を前年同期比で1.9%増やし、18年連続の増配を達成しました。
現在、同社の株価は予想PERが8.9倍と、非常に収益性の高い企業として、今後のデジタル化する経済においても魅力的な投資対象となっているように見えます。
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)に対する結論
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)はかつて、「Can you hear me now?(聞こえる?)」と繰り返し問いかけるCMを通じて、ネットワークの信頼性と強さを宣伝していました。
どこにいても相手に自分の声がしっかり届くということを示していたのです。
少しユーモラスな例ですが、私たちのほとんどは、電波の悪い場所で「Can you hear me? Hello? Can you hear me?(聞こえる?もしもし?聞こえる?)」と問いかけた経験があると思います。
そうした実感をうまく捉えたCMで、ネットワークの強さを印象的に伝えていました。
退職後の生活においては、「Can you hear me now?(聞こえる?)」ではなく、「Can you hear your income now?(収入・インカムは得られている?)」と問いかけるべきでしょう。
そして、配当金が口座に入るたびに、コインがチャリンと音を立てて貯まっていく感覚があれば、あなたのポートフォリオは上手く機能していると言えるでしょう。
もしあなたのポートフォリオが定期的に十分な配当収入をもたらしていないなら、それはあなたの人生に必要なものを提供するために、まだ調整が必要かもしれません。
お金で幸せは買えませんが、財政的な余裕があれば、人生をよりスムーズにし、より多くの幸せを見つけるための助けとなることは間違いないでしょう。
アナリスト紹介:ヴェンカット・ ラガーヴァン
テクノロジー・アドバイザーのヴェンカット・ ラガーヴァン氏は、高配当銘柄を中心に、日々、投資アイデアを執筆しております。
執筆活動以前は、米国とカナダにて、経営コンサルタントとして、主にフォーチュン500社に含まれる大手テクノロジー企業を中心に、コンサルティング業務に従事しておりました。
ラガーヴァン氏は、強固なファンダメンタルズと競争優位性を持ち、さらに、巨大なキャッシュフローを生み出す可能性のある魅力的なビジネスモデルを特定・評価するプロフェッショナルです。その為、インカム・ゲイン(配当収入)と長期キャピタルゲインを同時に狙える割安な高配当成長銘柄を主な投資対象としています。
ラガーヴァン氏のその他の配当関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ラガーヴァン氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。
さらに、その他のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ベライゾン・コミュニケーションズのページにアクセスしていただければと思います。
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