やや強気ヤム・チャイナヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)予想配当利回り1.7% / 配当性向27% / 強気:2024年1Q決算速報・財務分析と今後の株価見通し・将来性
- ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC::予想配当利回り1.77% / 配当性向27%)は、中国最大の外食チェーンであり、13,000店舗近くを展開している。
- 2024年度第1四半期決算では、EPSは0.71ドルで、前四半期の0.25ドルから大幅に改善されており、過去10年間のEPSの年平均成長率は5.30%となっている。
- 同社の予想配当利回りは1.77%であり、過去5年間の配当成長率は5.20%と、配当収入重視のインカム投資家にとって魅力的な投資先となっているように見える。
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)の概要
セクター:レストラン
現在の株価:36ドル
時価総額:140.3億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:59.52ドル
安全マージン:39.42%
過去5年間の配当成長率:5.20%
直近配当落ち日:2024年5月24日
直近配当支払い日:2024年6月18日
予想配当利回り:1.77%
過去5年間の売上高成長率:3.20%
過去10年間の売上高成長率:3.60%
13,000店舗近くを展開し、システム全体の売上高が100億ドルに達するヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC:予想配当利回り1.77% / 配当性向27%)は、中国最大の外食チェーンであり、自社レストランとフランチャイズ料で売上を上げている。
同社の主なブランドはKFC(9,094店舗)とPizza Hut(2,903店舗)だが、同社のポートフォリオにはLittle Sheep、East Dawning、Taco Bell、Huang Ji Huang、COFFii & Joy、Lavazza(合わせて約950店舗)等のブランドも含まれている。
ヤム・チャイナ・ホールディングスはヤム・ブランズ(YUM)の商標ライセンシーであり、2016年10月に分離したヤム・ブランズにシステム全体の売上高の3%を支払っている。
そして、同社は2024年4月29日に2024年第1四半期決算を発表している。
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)の収益と成長に関して
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)の2024年度第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは0.71ドルで、前四半期の0.25ドルと比較して大幅な改善を示している。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は-1.80%で、過去10年間の年平均成長率は5.30%となっていることからも、足元、成長のペースが減速しているようにも見える。
ただし、今後10年間の同社業界の成長予測はプラスであり、同社の事業拡大に有利な環境となっているように見える。
さらに、同社は歴史的に適度な財務レバレッジを維持しており、過度なリスクなしにさらなる成長の余地があることを示唆している。
以上より、足元の業績の改善と業界の見通しが良好であることから、ヤム・チャイナ・ホールディングスは将来の機会を上手く活用し、今後も成長の勢いを維持する可能性が高いと見ている。
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)の配当に関して
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)は過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は5.20%で、過去3年間の配当成長率は29.40%となっており、特に足元では目覚ましい成長を遂げていると言える。
また、同社のEBITDA純有利子負債倍率は1.60倍と低く、同社が配当の支払いを支える上で必要な強固な財務体質を保持していることを示している。
さらに、同社の予想配当利回りは1.77%で、投資家に安定した配当による収入源を提供しており、直近の四半期では一株当たり0.16ドルの配当を支払っている。
そして、同社の配当支払いの実績を見ると、一貫した配当支払いのパターンを示しており、定期的に現金配当が実施されていることが分かる。
加えて、同セクターと比較すると、同社の配当成長の実績は業界標準に沿ったものであり、競合他社と同様に配当を通じて株主に価値を還元する姿勢を示していると言える。
以上より、安定した配当収入と配当成長の可能性を求めるインカム投資家にとって、ヤム・チャイナ・ホールディングスは魅力的な投資先に見えるかもしれない。
予想配当利回り:1.77%
配当性向:27%
配当カバレッジ・レシオ:3.62
過去5年間の配当成長率:5.20%
EBITDA純有利子負債倍率:1.6倍
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)のバリュエーションに関して
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)の現在の株価は36.06ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である59.52ドルを下回っていることから、割安の可能性を示している。
ただし、PEGレシオは13.73倍となっていることから、同社の収益と成長予測に基づくと、同社株価が過大評価されている可能性を示唆している。
一方で、実績PERは18.12倍となっており、同社の株価が利益に対して合理的な価格で取引されていることを示唆しているように見える。
また、株価売上高倍率は1.34倍と業界平均を下回っており、売上高から見た場合には同社の株価が割安である可能性を示している。
さらに、EV/EBITDA倍率は9.03倍と業界平均を下回っており、割安さをさらに裏付けている内容となっている。
加えて、同社のバリュエーション指標は総じて5年平均と10年平均を下回っており、こちらも同社の株価が割安に評価されている可能性を示している。
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)のリスクとリターンに関して
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)のリスク評価分析では、主に投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社の総資産は売上高を上回るペースで増加しており、資本の効率性が低下している可能性を示している。
さらに、営業利益率は過去5年間平均で-2.8%で低下しており、収益性の低下を示唆している。
一方でプラス面では、ベニッシュのMスコアが-2.25であることから、同社が不正な利益操作に関与している可能性は低いと言える。
さらに、PBRは10年来の低水準に近く、また、実績PERも5年来の低水準に近く、同社株式の潜在的な割安感を示している。
加えて、同社は安定した売上高と収益の成長を示しており、さらに、株価売上高倍率も10年来の低水準に近い。
そして、予想配当利回りは10年来の高水準に近く、アルトマンのZスコアは3.45で、同社が強固な財務体質を保持していることを示している。
全体として、ヤム・チャイナ・ホールディングスは資本効率性と収益性に関するリスクに直面しているが、その他の財務指標では潜在的な同社株式の割安感と強い財務健全性を示唆している。
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)は、過去12ヶ月間、インサイダーによる同社株式の買い付けは1件のみが確認されており、売却は2件のみとなっている。
これは、同社のインサイダーが同社株式を積極的に取引していないことを示唆しているが、インサイダーの同社株式の保有比率はわずか0.39%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は56.22%と高く、機関投資家が同社により多くの株式を保有していることを示している。
このトレンド分析から、インサイダーによる同社株式の売買が限定的である一方で、機関投資家が同社株式のかなりの部分を保有しており、潜在的に株価のパフォーマンスや方向性に影響を及ぼしていることが明らかになっている。
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)の流動性に関して
ヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)の直近営業日の1日の当たり出来高は1,933,707株で、過去2ヵ月間の1日平均出来高を見てみると2,838,918株となっており、足元の出来高はやや減少しているものの、過去2ヵ月間というスパンでは十分な流動性があるようにも見える。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は49.68%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
全体として、ヤム・チャイナ・ホールディングスの流動性は健全で、取引量は多く、DPIの比率は高水準にあることからも、同社株式は流動性の高い有望な投資対象であるように見える。
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