Part 2では、マイクロソフト(MSFT)のオンプレミス型Active Directory(AD:ユーザーやデバイス、リソースの管理を行うための仕組み)の重要性と、それがクラウド向けにAzure AD(マイクロソフトが提供するクラウドベースのアイデンティティおよびアクセス管理サービス)としてどのように進化したかを掘り下げていきます。
このイノベーションは、同社のサイバーセキュリティ戦略において非常に重要な役割を果たしてきました。
Azure ADの詳細に入る前に、同社がサイバーセキュリティ分野で果たしている役割を、ネットワークセキュリティ、エンドポイントセキュリティ(PCやスマートフォンなどの端末「エンドポイント」を、ウイルスや不正アクセスから守るためのセキュリティ対策)、クラウドセキュリティ、アイデンティティ管理(ユーザーやデバイスなどのデジタルアイデンティティである「身元情報」を管理し、アクセス権限を制御する仕組み)の4つの柱に分けて理解しておくことが役立ちます。
これらの4つの柱は、サイバーセキュリティ業界の進化そのものを表しています。
1990年代にはネットワークセキュリティが最も重視され、ファイアウォール(外部のネットワークと内部のネットワークの間でデータのやり取りを監視し、不正なアクセスをブロックするためのセキュリティシステム)が主な防御策でした。
2000年代に入ると、ウイルス対策ソフトの普及によりエンドポイントセキュリティが重要になりました。
2010年代半ばには、クラウドコンピューティングの広がりとともにクラウドセキュリティが優先事項となり、近年では、特にパンデミック以降、アイデンティティ管理が分散型IT環境における重要な要素となりました。
アイデンティティは、今や安全なアクセスを支える基盤となり、マイクロソフトの大きな強みのひとつです。
同社のサイバーセキュリティの取り組みは、オンプレミスのADから始まったアイデンティティ管理を基盤に、その後、他の3つの柱へと拡大していきました。
アイデンティティ管理はサイバーセキュリティ分野の中でも最も重要な要素となり、「アイデンティティは新たな境界である」といったトレンドを推進し、ゼロトラスト(すべてのユーザーやデバイスを信頼せず、アクセスす
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