私はこの2年以上、経済と市場に対して前向きな見方を維持しており、調整や下落局面を長期投資家にとっての買いの機会と捉えてきました。しかし、先週は初めて懸念を抱く理由があると感じました。それでも、強気の見方を完全に捨てるつもりはありません。
きっかけは、トランプ大統領が輸入車、医薬品、半導体に対して25%の関税を課す可能性を示唆したことでした。その後、1月の米連邦準備制度理事会(FRB)の会合の議事録が公表され、FRB当局者が、トランプ政権の政策が経済に与える影響をより明確に把握するまで、利下げを急がない方針であることが明らかになりました。そして週末には、ミシガン大学の消費者信頼感指数が非常に低調だったことに加え、サービス業の企業活動が大幅に鈍化したことで、市場の主要指数が年初来最悪のパフォーマンスを記録しました。

(出所:Edward Jones)
消費者は、トランプ政権が提案する政策が実行された場合の経済の先行きに強い懸念を抱いており、楽観的な見方をしていません。ミシガン大学の消費者信頼感指数は2月に10%低下し、特に耐久財の購買意欲が19%も急落しました。これは、関税による価格上昇への懸念が背景にあります。1年先のインフレ期待は3.3%から4.3%に上昇し、長期的なインフレ期待は1995年以来の高水準に達しました。私は近年、こうした信頼感調査の価値が低下していると考えています。というのも、政治的なバイアスがかかりすぎているからです。しかし、現在では無党派層が有権者の40%以上を占め、世論の形成に大きく影響しているため、この調査結果が実体経済に及ぼす影響には依然として注目すべきだと思います。これが私の懸念の理由です。
トランプ大統領の関税政策で物価上昇への懸念強まる

(出所:Bloomberg)
私が経済活動のリアルタイムの動向を把握する際に最も重視しているのは、S&Pグローバルが実施する毎月の調査です。その中でも「フラッシュPMI(購買担当者景気指数)」は、製造業およびサービス業の経営者を対象に実施される調査をもとに、ビジネス活動の強さを測る指標です。この指数が50.0を上回ると景気拡大(成長)を示し、50.0を下回ると景気後退を示します。サービス業は製造業に比べて規模がはるかに大きく、過
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