すでに十分な課題を抱えているにもかかわらず、トランプ大統領は週末に、パウエル議長を解任する意向を示しました。パウエル議長はこの3年間で、失業率を上昇させることなくインフレ率を抑制することに成功し、投資家からの信頼を築いてきました。それにもかかわらず、大統領は利下げのタイミングについて自らの要求に従わないという理由で、パウエル議長を交代させたいと考えています。
中央銀行の独立性は、投資家にとって非常に重要です。そのため、大統領の脅しが株式市場に再び混乱をもたらし、国債利回りは急騰し、ドルは2年ぶりの安値にまで下落しました。米国資産の売却は続いています。なぜパウエル議長が標的にされたのでしょうか?

(出所:Finviz)
私は、大統領のこの攻撃は、貿易相手国との交渉が宣伝されているようには順調に進んでいないことへの苛立ちから来ていると考えています。実際、誰も急いで合意に達しようとしているようには見えません。先週、大統領は日本との交渉で「大きな進展」があったと主張しましたが、具体的な成果は何も出ていません。また、ヨーロッパとの貿易合意が「100%」成立すると述べましたが、EUの指導者たちは中国の習近平国家主席との首脳会談を7月に北京で開催する予定です。
保守系シンクタンクであるアメリカン・エンタープライズ研究所のエコノミストたちは、大統領の戦術とその予測不能な行動が、EU諸国をより信頼できる貿易相手として中国に引き寄せていると警告しています。

(出所:Bloomberg)
一方で、我が国の金融市場が大統領の関税政策を強く否定していることは、世界中の誰の目にも明らかです。ベスポーク・インベストメント・グループによれば、大統領が就任した1月10日以降、S&P500指数は14.5%下落しており、これは1928年以降の新大統領就任から3か月間で最大の下落率となっています。
さらに悪いことに、アメリカの株式市場はこの期間において、対象となった45か国中で下から2番目のパフォーマンスとなっています。これらの国々の多くは、米国の懲罰的な貿易政策の対象にもなっています。このような状況は、交渉の場で我が国の立場を強化するものではなく、消費者信頼感調査の急落や企業マインドの悪化、さらにはブラックロックのラリー・フィンクCEOのような有力経営
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