アメリカ経済、年内の利下げは2回?景気悪化とインフレの懸念で揺れるFRB


昨日の株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が最新の金融政策決定を発表したものの、大方の予想通り短期金利を4.25-4.5%の範囲で据え置いたため、波乱のない一日となりました。
四半期ごとに更新されるFRBの経済見通し概要(SEP)では、コンセンサス(市場の共通認識)として、年末までにさらに2回の0.25%利下げが行われるという見通しが維持されました。もしサプライズがあったとすれば、それは連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバー内で意見が大きく分かれてきている点です。今年中の利下げを全く想定していないメンバーが、3月時点の4人から7人に増加しました。これは、インフレ、失業率、そして経済成長率を様々な方向に動かしうる変数が、現在あまりにも多く存在するためです。

(出所:Finviz)
今回のコンセンサス予想における注目すべき変更点は、今年と来年の経済成長率の見通しが引き下げられ、一方で失業率がわずかに引き上げられたことです。同時にFRBは、インフレ率が今年3%に上昇した後、来年には2.4%に低下すると見ており、これは3月時点の予測よりも高い数値です。
これは筆者自身の予測とも一致しており、もしこの通りになれば、それは「穏やかなスタグフレーション(景気後退とインフレが同時に進行する状態)」の時期に入ることを意味します。だからこそFRBは、短期的な利下げに対して慎重な姿勢を崩さないのです。パウエル議長の慎重さを政治的なものだと非難する声もありますが、私はむしろ責任ある対応だと考えています。
政権が主張するように、経済が堅調で非常に好調なのであれば、FRBはインフレがディスインフレ(インフレ率が低下すること)の傾向を取り戻すまで待つ余裕があります。逆に、経済が悪化しており金融政策による支援が必要な状況なのであれば、話は別です。FRBを批判する人々は、この二つの状況を都合よく両立させることはできません。
※1 不況にもかかわらず、世の中のモノやサービスの価格(物価)が全体的に継続して上昇すること。英語表記「stagflation」の日本語読みで、「stagnation(景気停滞)」と「inflation(インフレーション)」の合成語です。

(出所:Monetary Policy Report J
Pro Plan専用コンテンツ

この記事の続きを読むには「Pro Plan」にアップグレードする必要があります。
── 主なPro Plan機能 ──
📊
全レポート無制限閲覧
📈
詳細な財務データ分析
🎯
アナリスト評価&配当履歴
🔔
お気に入り&フォロー通知