停戦崩壊と市場の幻想 — ホルムズ海峡をめぐる現実


■停戦崩壊と海峡再閉鎖
トランプ大統領の楽観的主張に反し、イランは交渉拒否・海峡再閉鎖。土曜に船舶攻撃も発生し、週初めの原油上昇・リスク資産下落を予想。
■中小企業と消費者に打撃拡大
NFIB設備投資計画が大金融危機以来最低。CPI・PCEが5月に賃金伸びを超過し、実質所得低下で消費支出の軟化が警戒ラインに。
■恐怖から貪欲へ急転換
3週前の極度の恐怖から一転、投資家は歴史的ラリーに乗り遅れまいと貪欲に。機関投資家の組入不足とショートカバーが急騰の要因。
■テクニカル的に買われすぎ、キャッシュ積み増し
過去6年の5つの危機はいずれもファンダメンタルズ健全で回復。だが調整局面は不可避。小型・バリュー重視を継続。
先週、株式市場は3週連続で急騰し、最後の3日間ではS&P 500、ナスダック総合、ラッセル2000がいずれも史上最高値を更新した。ナスダックは13セッション連続で上昇しており、これは1992年以来の最長記録だ。市場が発しているメッセージは、景気拡大と強気相場はともに健全であるということだが、ボラティリティが終わったわけでは決してない。原油価格は先週約20ドル急落し、WTIは83.80ドルで引けた。ラリーの起爆剤は10日間の停戦のニュースに続き、ホルムズ海峡が完全に開放されたとの報道だった。加えて、トランプ大統領は戦争は終わり、イランは核開発計画の停止と濃縮ウランの引き渡しに同意し、月曜日に第2回交渉が予定されていると主張した。これが先週のラリーを加速させた。残念ながら、大統領の主張は楽観的すぎ、完全に正確ではなかった。

その後、大統領は海峡の開放に条件を付け、交渉で合意に至るまでイラン船舶は航路を使用できないと宣言した。これはイラン側にとって寝耳に水であり、トランプが主張したいかなる内容にも同意していないと表明した。その結果、イランは海峡を再び閉鎖し、イランと調整し通行料を支払った船舶にのみ開放すると示した。それにもかかわらず、投資家は金曜日まで史上最高値で主要株価指数を買い続けた。私には懸念があった。

(出典: Bloomberg)
現実は土曜日の朝に突きつけられた。イランは高速ガンボートを使い、海峡を通過しようとする複数の船舶を攻撃した。海軍は大部分が壊滅したものの、イランはなお沿岸配備の対艦ミサイル、武装無人艇、武装ドローン、そして航路に散布された機雷を保有している。
第2回交渉は月曜日に予定されていたが、意思決定機関であるイランの最高国家安全保障評議会は、トランプ政権の過度で非現実的な要求を理由に第2回協議には応じないと表明した。同評議会はまた、濃縮ウランの引き渡しは交渉の前提条件として論外であると主張した。これらはすべて先週のトランプ大統領の主張に反するものであり、原油の急落と リスク資産の劇的なラリーを牽引したものだった。これらの拒否にもかかわらず、トランプ政権は交渉チームをパキスタンに派遣し、月曜日の会合でイランが大統領の条件を満たす合意に署名すると主張している。混迷は続いており、海峡が再開されるまで、週初めには原油価格の上昇とリスク資産価格の下落
Pro Plan専用コンテンツ

この記事の続きを読むには「Pro Plan」にアップグレードする必要があります。