強欲に目が眩んでいる?


■AIバブルに隠れる消費の弱体化
S&P 500は9週連続高で40年超ぶりの最長連騰に並びかけるが、実質個人所得は5カ月中4カ月低下。貯蓄率は2022年以来最低の2.6%まで急落。
■PCEインフレが再加速
4月のPCE前年比は3.8%に上昇。関税・エネルギー高・AI投資ブームが価格に上昇圧力をかけ、コンピューター関連は4月単月で5%高騰。
■AI設備投資がGDPを下支え
第1四半期GDP成長率は1.6%に下方修正されたが、情報処理・ソフトウェア投資は10.4%増。今年は設備投資と消費が経済成長に同等貢献。
■最大リスクは1999年の再来
設備投資はシクリカルだが消費はそうでない。AI投資サイクルは2027年まで継続見込みも2027〜2028年にピークアウトする可能性が高く、その時の消費の体力次第では深刻な景気後退リスク。
「また"取引"をした少年」が昨日も動いた。米国とイランの間で戦争終結に向けた基本合意書(MOU)が締結されたと報じられ、主要株価指数は揃って史上最高値を更新した。事実かどうかに関わらず、その報道は原油価格と金利の上昇を和らげ、市場の投機マネーを引き続き活性化させた。トランプ政権の最大の目標はまさにそこにあるのだろうと私は見ている。仮に合意があったとしても、米国とイランの双方が「防衛的」「報復的」と称する攻撃を継続している現状を考えれば、それはまだ本格的に始まってもいない停戦の60日間延長に近い。

(出典: Finviz)
戦争とそれがグローバル経済に与える悪影響に関して、株式市場はAIユーフォリアゆえに完全に感覚麻痺の状態にある。自分の保有株が連日上昇するのは嬉しい限りだが、背後で悪化しつつあるマクロ経済環境をコンセンサスが強欲ゆえに見えていないのではないかと感じる。確かに企業業績は素晴らしく、AI向け設備投資の見通しも際限なく広がっているように見える。その結果、S&P 500は9週連続で上昇しており、40年以上で最長の連騰記録に並ぼうとしている。しかし、バリュエーションが歴史的な高値圏に張り付いている今、あらゆることが順調に進み続けなければならない。問題は、多くのことが裏目に出てきているという現実だ。

(出典: Bloomberg)
連邦準備制度が最も重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)物価指数は、4月に前月比0.4%上昇し、前年比3.8%の上昇となった。食品・エネルギーを除くコア指数は月次で0.2%、前年比では3.3%の上昇だ。月次の数字は予想を上回ったが、年率は概ね予想通りだった。エネルギー価格の上昇が他の財・サービスに波及するにつれ、5月・6月には一段と高い伸びが見込まれる。関税が引き続き価格への上昇圧力をかけており、さらに前例のない規模のAIインフラ向け設備投資が基礎素材やテクノロジー部品の価格を押し上げ、テクノロジー関連の消費財全般に価格急騰をもたらしている。コンピューターソフトウェアとアクセサリーの価格は4月単月だけで5%上昇した。

(出典: 米国経済分析局)
これにより、消費主
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