07/02/2026

FRBが利上げに踏み切る可能性は極めて低い

Main Imageローレンス・ フラーローレンス・ フラー
記事要約

    ■ウォーシュ議長がハト派姿勢を鮮明に
    ECBフォーラムで「インフレ期待もリスクも低下した」と発言し、利上げの可能性を事実上否定した。

    ■均等加重S&P 500が史上最高値を更新
    テクノロジー株が軟調でも市場のブレッドスは改善が続き、弱気相場の兆候は見られない。

    ■労働市場は底堅さを維持
    JOLTS求人件数は2年ぶり高水準の760万件、ADP雇用は9.8万人増と安定的な雇用創出が続いている。

    ■GDP予測下方修正の主因は貿易赤字
    消費や設備投資ではなく輸出急減・輸入増が成長率を押し下げており、景気の実態は堅調。

この記事は約 4 分で読むことができます。(記事文字数:約 1,900 文字)

一部の市場関係者の間では「FRBの次の一手は利上げではないか」との観測がくすぶっているが、最新のマクロ指標はその可能性を否定している。S&P 500が過去6年間で最高の四半期パフォーマンスを記録して第2四半期を締めくくった後、第3四半期のスタートとともに、強気相場の主役から出遅れ銘柄へのローテーションが継続した。ウォーシュFRB議長がECBの年次フォーラムで行った講演でハト派的なトーンを打ち出したことを受け、金融株が上昇した。物価安定の実現というFRBの使命を強調しつつも、「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクも後退した」と発言した。これは驚くべきことではない。筆者の見解では、ウォーシュ氏は元来ハト派であり、だからこそ議長に任命されたのだが、FRBの独立性に対する投資家の懸念を和らげるために、就任後初の記者会見ではタカ派を装ったに過ぎない。

主要指数の日中チャート

(出典: Finviz)


市場の裾野は着実に広がっている

昨日はナスダック総合指数が主導する形でテクノロジー株に売り圧力がかかったが、均等加重S&P 500指数は再び史上最高値を更新した。市場のブレッドス(市場の裾野の広がり)は改善が続いている。これは弱気相場や景気後退の前兆に見られる動きではなく、弱気派が繰り返す「過大評価」という警告とは裏腹の展開だ。実際、レッドブック既存店売上指数の年間成長率は先週、4年ぶりの高水準となる10.5%に上昇した。また、5月の求人・労働移動調査(JOLTS)では、求人件数が2年ぶりの高水準となる760万件に増加し、労働市場が底堅いことが示された。

均等加重S&P 500が史上最高値を更新

(出典: Bloomberg)

求人件数は過去数年の水準からは大きく低下しているものの、変化率はプラスに転じており、求人数と失業者数の比率は均衡状態にある。ただし、レジャー・ホスピタリティ分野の求人増加はワールドカップに関連している可能性が高い点には留意が必要だ。それでも、雇用創出の原動力である個人消費の健全な水準は、依然として緩やかな雇用増加を下支えしている。

米国の求人件数と採用件数は底堅い需要を示す

(出典: Bloomberg)


雇用は緩やかに増加、FRBが恐れる賃金インフレは回避

最新のADP雇用報告でも同様の傾向が確認され、6月の民間部門の雇用者数は9万8,000人増加した。失業率を安定的に維持するには十分な水準でありながら、FRBが警戒する賃金インフレを引き起

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