08/22/2024

【2024年8月】EOWポートフォリオ・アップデート:2024年度第2四半期決算後に注目の米国株とは?

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  • 本稿では、私のポートフォリオの1つである、「エンド・オブ・ザ・ワールド・ポートフォリオ(EOWポートフォリオ)」について詳しく解説していきます。
  • ※もう一つのポートフォリオである「YOLOポートフォリオ」に関しては、別のレポートで解説しております。
  • EOWポートフォリオは、どのような経済状況でも資産を守るために設計された分散型ポートフォリオです。
  • 最新のパフォーマンスは開始以来19.9%の上昇を記録しており、足元では、インテル(INTC)をポートフォリオから除外し、新規にパロアルトネットワークス(PANW)やアマゾン(AMZN)を追加しています。
  • 今後のレポートでは、不況時にも強いパフォーマンスを発揮できる公益事業会社に焦点を当てる予定です。

エンド・オブ・ザ・ワールド・ポートフォリオ(EOWポートフォリオ)とは?

2024年度第2四半期決算発表シーズンは波乱がありましたが、最終的にはほとんどの銘柄が予想を上回り、私の保有銘柄の多くも決算後に良い結果を出しています。

私のレポートを初めて読まれる方のために、本稿の概要を説明させていただきます。

私は2つの株式ポートフォリオを運用していますが、今日はその1つである、「エンド・オブ・ザ・ワールド・ポートフォリオ(EOWポートフォリオ)」をご紹介します。

エンド・オブ・ザ・ワールド・ポートフォリオは、私たちの資産の基盤となるよう設計されたものです。このポートフォリオは、資産を守り、心の平安を保つために、様々な資産を分散して組み合わせています。

このポートフォリオは、どのようなマクロ経済環境でも耐えられるように設計されており、最悪の状況下でも良好なパフォーマンスを発揮するために、適切な資産を選んで投資しています。

このポートフォリオの基本には、「オール・ウェザー・ポートフォリオ(All Weatherポートフォリオ)」の考え方をさらに発展させるという意図があります。

適切な割合で債券、株式、そしてコモディティを組み合わせれば、どんな環境でもうまく機能するポートフォリオを構築できますが、私は、このポートフォリオを私独自のものに仕上げるつもりです。

さて、以下のセクションでは次の内容をレビューしていきます:

・私が選ぶ2つのお気に入りの高成長EEM銘柄

・最近大きく下落した、おすすめのエネルギー株

・ポートフォリオに新たに追加・売却した銘柄

・今後投資を検討しているセクター


関連用語

EEM銘柄:新興国市場に属する企業の株式を指す。これらの企業は、新興国市場を対象とした投資ファンドやETF(例えば、iShares MSCI Emerging Markets ETF)に組み込まれており、主にアジア、ラテンアメリカ、東欧などの地域で事業を展開している。


エンド・オブ・ザ・ワールド・ポートフォリオ(EOWポートフォリオ)の最新情報

EOWポートフォリオは開始以来、19.9%の上昇を記録しています。

ポートフォリオのパフォーマンスの追跡はこちらから可能です

(出典:Snowball Analytics SAS

最新の株式取引

除外:インテル(INTC

追加:パロアルトネットワークス(PANW

追加:アマゾン(AMZN

アルファベット(GOOGL)

アルファベット(GOOGL)は、私が依然として最も注目している銘柄です。決算後に詳細な分析を行いましたが、素晴らしい結果を出したにもかかわらず、株価は下落しました。

(出典:TrendSpider)

株価は1.618のフィボナッチ拡張の目標に達した後、予想通り売られましたが、現在は200日指数平滑移動平均線(200 EMA)上でサポートを得ています。今が買い増しの絶好のタイミングだと思います。

最近、会社の分割の可能性について懸念が出ていますが、過剰に評価されていると思います。

また、下記のレポートにおいて、同社に関する私の見解を述べております

メルカドリブレ(MELI)

メルカドリブレMELI)は、GMV(流通総額)が前年比20%増の126億ドルに達したと報告しました。また、販売数量も29%増加し、2021年第1四半期以来の最高成長を記録しました。

特にブラジルが37%の増加で成長を牽引し、メキシコ、チリ、コロンビア、アルゼンチンも好調なパフォーマンスを見せました。Mercado Envíosでは、当日および翌日配送が前年比で15%増加し、ブラジルにおけるフルフィルメント(物流機能)の浸透率も8ポイント上昇し、配送速度が向上しました。

Mercado Pagoの月間アクティブユーザー数(MAU)は、ユーザーのエンゲージメントと製品利用の増加により、37%増加して5200万人に達しました。Mercado Créditoも前年比51%増加し、49億ドルに達しました。特にブラジルとメキシコでのクレジットカードの利用が顕著でした。

全体として、MELIの純売上高は前年同期比42%増の50.7億ドル、純利益は103%増の5億3100万ドルとなり、過去8年間で最高の純利益率を達成しました。

(出典:TrendSpider)

また、同社は、上場来最高値(ATH)を突破する準備が整っており、まだ上昇余地があります。フィボナッチ拡張の1.618に基づけば、少なくとも2800ドルを目指せるでしょう。

さらに、同社は過去のバリュエーションと比べても依然として割安で、PEGレシオも魅力的です。私にとっては、これが最も重要な指標だと考えています。

また、下記のレポートにおいて、同社に関する私の見解を述べております

ヌー・ホールディングス(NU)

ヌー・ホールディングス(NU)は2024年度第2四半期に520万人の新規顧客を獲得し、総顧客数は1億450万人に達しました。これは前年同期比で2080万人の増加です。現在、ブラジルの成人人口の56%が同社の顧客となっており、メキシコやコロンビアでも大きな成長を遂げています。

預金額は前年比64%増の252億ドルに達し、コスト管理により預金コストは低く抑えられています。購入額は前年比19%増の313億ドル、為替変動の影響を除くと29%増加しました。同社は記録的な売上高である28.5億ドルを達成し、前年同期比で52%増加、粗利益は88%増の13.6億ドル、営業利益は124%増の7.25億ドルに達し、営業利益率は過去最高の25%を記録しました。

(出典:2024年度第2四半期決算資料

同社の決算は絶好調で、決算発表後に投資家からの評価が高まり、株価が上昇しました。

(出典:TrendSpider)

同社は新高値を更新しており、週足のMACD(移動平均収束拡散手法)が強気に転じています。フィボナッチ拡張に基づけば、この銘柄は1.618のレベルを目指し、17ドルに達する可能性があります。

また、下記のレポートにおいて、同社に関する私の見解を述べております

カメコ(CCJ)

以下のチャートは、カメコ(CCJ)の2024年6月末までの6カ月間の財務結果を2023年の同期間と比較したものです。売上高は5%増加し、粗利益は31%増と大きく伸びました。特に注目すべき点は、2024年6月30日までの3カ月間で純利益が3600万ドルに達したことです。この四半期の売上高は5億9800万ドルで、前年同期比24%増となり、非常に好調な結果です。

(出典:2024年度第2四半期決算資料

(原文)Second quarter operational performance was strong, driving financial results that remain in line with our full-year 2024 outlook…

(日本語訳)第2四半期の業績は好調で、2024年通年の見通しに沿った財務結果を達成しました。

(原文)Our contract portfolio spans more than a decade, with annual commitments from 2024 through 2028 increasing this past quarter to an average of about 29 million pounds per year.

(日本語訳)当社の契約ポートフォリオは10年以上にわたり維持されており、2024年から2028年にかけての年間契約量は、今四半期で平均約2,900万ポンドに増加しました。

ただし、ウラン価格がピークから大幅に下落しており、これはセクター全体に影響を与えています。同社の株価も最近の上昇分の多くを失っており、今後の道のりが容易ではないことを示しています。ウラン価格の変動が続いているため、同社の将来も不透明な状況が続く可能性があります。

それでも、前回のレポート以来、私の強気な見解は変わっていません。

(出典:2024年度第1四半期決算資料

同社は、データセンターや仮想通貨の成長を受けて、テクノロジー業界からのエネルギー需要が2026年までに倍増する可能性があると見込んでいます。

チャートの観点では、すでに健全な調整が見られましたが、まだ下落の余地があるかもしれません。200日指数平滑移動平均線(200 EMA)と50%のリトレースメントが30ドル付近に位置しており、その下の25ドル付近には多くの出来高が集中しています。

ニューモント(NEM)

(原文)Assuming similar CapEx this quarter, Newmont should generate robust free cash flow, potentially north of $500 million.

(日本語訳)今四半期の設備投資(CapEx)が前期と同程度であれば、ニューモントNEM)は5億ドルを超える強力なフリーキャッシュフローを生み出す可能性があります。

(出典:投資家向け資料

同社は、2024年上半期に328万オンスの金を、1オンスあたり1,500ドルの全維持費用(AISC)で生産しました。後半のガイダンスでは、生産量の増加とコストの低下が見込まれており、フリーキャッシュフローのさらなる増加が期待されており、生産が増えるにつれて長期的な高キャッシュフローを維持できると予測されています。

最近の株価上昇にもかかわらず、同社はAgnico Eagleなどの同業他社と比較して依然として割安であり、特にその生産規模や優れた資産ポートフォリオを考慮すると、30%の株価上昇の可能性があると見ています。

同社は、6つの非中核資産を売却する計画を立てており、これにより15億~20億ドルの資金を調達でき、バリュエーションをさらに押し上げるとともに、強気材料として作用する可能性があります。

(出典:TrendSpider)

同社は力強い回復を見せ、200日指数平滑移動平均線(200 EMA)を再び上回りました。ただし、週足のRSI(相対力指数)が買われ過ぎの水準に達しており、短期的には金価格に一時的な弱さが見られるかもしれません。また、60ドル付近には強い抵抗線があります。

インテル(INTC)

インテル(INTC)の2024年度第2四半期の業績は、投資家を失望させました。

同社は前年同期比で1%の売上増を達成しましたが、営業利益の成長はゼロでした。

(出典:2024年度第2四半期決算資料

売上総利益率は38.7%に低下しており、これは大規模な変革の最中にある企業にとっても厳しい結果です。

(出典:2024年度第2四半期決算資料

四半期ごとのセグメント別成長率を見ても、Alteraとモービルアイ(MBLY)を除いて、どのセグメントも成長しておらず、営業利益も全セグメントで前四半期比で減少しています。

(出典:2024年度第2四半期決算資料

さらに、チャートの見た目も良くありません。

(出典:TrendSpider)

これ以上大きく下落することはないと思いますが、資金を別の場所に投資する方が賢明だと感じています。

パロアルトネットワークス(PANW)

クラウドストライク(CRWD)の失敗を受けて、パロアルトネットワークス(PANW)をポートフォリオに追加しました。

この銘柄については、第2四半期にも下記のレポートで取り上げました

同社は割安ではありませんが、その強力な製品群はテクノロジー業界の根幹を支えています。

(出典:TrendSpider)

200日指数平滑移動平均線(200 EMA)を維持しており、最近の高値を再び狙える状況だと思います。

アマゾン(AMZN)

また、先日の下落時にアマゾン(AMZN)もポートフォリオに追加しており、下記のレポートにおいて詳しく解説しています

直近の同社に関するレポートでも取り上げましたが、株価は再び200日指数平滑移動平均線(200 EMA)を上回り、MACDも強気にクロスしています。

(出典:TrendSpider)

次に何をすべきか?

現在の成長サイクルの終わりが近づいている可能性がある中で、不況時にも強いパフォーマンスを発揮できる銘柄を検討する必要があると考えています。

次回の私のレポートでは、EOWポートフォリオの特性に合った公益事業会社に焦点を当てる予定です。

その他のテクノロジー銘柄関連レポート

1. エヌビディア / NVDA / NVIDIA:最新の2025年第1四半期決算速報・業績&競争優位性分析と今後の株価予想・将来性(前編)

2. サウンドハウンドAI / SOUN:2024年1Q決算速報・財務&テクニカル&競争優位性分析と今後の株価見通し・将来性

3. クラウドストライク(CRWD):2025年1Q決算速報・財務&強み分析と今後の株価予想・将来性(CrowdStrike)

また、私のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、私のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。

さらに、その他のアマゾン(AMZN)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、アマゾンのページにアクセスしていただければと思います。

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