やや強気ペロトン・インタラクティブペロトン・インタラクティブ(PTON)今後の株価見通し:最新の2024年度第4四半期決算は業績好調で株価上昇!

- 本稿では、注目の米国グロース企業であるペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)の2024年8月22日に発表された最新の2024年度第4四半期決算の分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 市場の投資家の間での同社への見方が変わりつつあると考えており、新規にポートフォリオに追加しましたが、2025年度第1四半期のEBITDAが5000万ドルを下回る場合にはポートフォリオから除外することを検討します。
- 売上高は減少していますが、市場の同社への評価の改善やコスト管理への注力により、同社は生き残る可能性が高いと見ています。
- 同社の株価は今年の予想フリーキャッシュフローの7倍で評価されており、高い負債や投資家の低い信頼感にもかかわらず、今後の改善が期待できると見ています。
ペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)に関して
これまで、私が最も成功した投資は、市場の投資家による、それらの企業への評価が変わる瞬間を見抜いた時に得られたものです。ここにこそ、大きなチャンスがあります。
例えば、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)は、約90日間で簡単に40%のリターンを得ることができました。しかし、こうした投資がいつも上手くいくわけではありません。例えば、オースター(OUST)では、市場の評価が変わり始めたのは見極めたものの、売るタイミングを逃してしまいました。つまり、予測は正しかったものの、タイミングを誤ったのです。
そして今、ペロトン・インタラクティブ(PTON)が市場の投資家の間での評価を大きく変える時が来ると感じています。オースターの件で皆さんからいただいたフィードバックを受けて、インフレクション投資戦略を見直したいと考えています。
私はペロトン・インタラクティブをポートフォリオに追加することを決定しました。そして、もし同社が翌期である2025年度第1四半期までに少なくとも5000万ドルのEBITDAを達成しなければ、次の四半期にポートフォリオから除外する予定です。
私の考えはシンプルです。多くの人が同社を過小評価していると思っています。確かに、このビジネスは厳しく、競争も激しいでしょう。しかし、ゼロにはならず、負債を返済しながら生き残る力があると見ています。これが私の仮説です。つまり、私は、市場の投資家が同社を誤解しているのではないかと考えています。
そして、私は同社の目標株価として1株あたり8ドルと見ています。
インフレクション投資:企業が大きな変化や転換点(インフレクションポイント)を迎えるタイミングに注目して投資する手法。この変化によって、企業の評価や業績が大きく改善する可能性があると見込んで投資を行う。例えば、新しい製品の発売、事業モデルの転換、外部環境の変化などがインフレクションポイントとなることがある。
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ペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)の最新の2024年度第4四半期決算を踏まえて
ペロトン・インタラクティブ(PTON)は、2024年8月22日に2024年度第4四半期決算を発表し、市場の投資家の弱気な見方がいかに誤っていたかを示したように見えます。
確かに、事業は縮小しており、これは否定できません。しかし、同社が生き残る可能性は十分にあると考えています。
私が考える理想的な投資仮説はシンプルなものです。今回の仮説は、市場の投資家の間での評価の変化に焦点を当てています。今後数週間から数ヶ月の間に株価が上昇すれば、市場のアナリストたちは「ペロトン・インタラクティブはプレミアムブランドだ」という強気なレポートを書き始める可能性もあるでしょう。これのレポートは誇張であるように見えるかもしれませんが、その評価の変化には一部真実が含まれており、それが市場の信頼感を生む可能性があると見ています。
なぜペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)なのか?
ペロトン・インタラクティブ(PTON)は、フィットネス業界のリーダーであり、プレミアムなエアロバイクやトレッドミルなどのハードウェアと、インストラクター主導の豊富なワークアウトクラスにアクセスできるサブスクリプション型プラットフォームを組み合わせた体験を提供しています。
メンバーはサイクリングやランニング、筋力トレーニングなどのさまざまなフィットネス活動に参加しながら、サポートし合えるオンラインコミュニティの一員として楽しむことができます。同社は、パーソナライズされたワークアウトプログラムとコミュニティ機能を通じて、メンバーの体験を向上させています。私自身はこれらのプログラムにあまり価値を感じませんが、ここで重要なのは私の意見ではありません。
次に、同社は短期的には大きな売上成長を達成するのが難しい状況にあります。最新の2024年度第4四半期の業績では、前年同期比で売上が横ばいでした。2022年度第2四半期以降、複数の四半期にわたりマイナス成長が続いており、接続型フィットネスハードウェアの売上拡大に苦戦していることが反映されています。
それでも、私の投資仮説は、同社がコスト管理に注力し、収益性を改善するという戦略に基づいています。
ペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)の売上高:売上成長率は周期的で、現在はマイナス成長
ペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)の売上高成長率(%)
(出典:筆者作成)
ペロトン・インタラクティブ(PTON)の2025年度のガイダンスでは、同社は売上が前年比で中間値で9%減少すると予想しています。しかし、実際には2025年度が終わる頃には、売上の減少幅は前年比で5%程度に収まる可能性があると見ています。
これは市場のアナリストの予測よりやや悪い結果です。アナリストたちは前年比ほぼ横ばいの売上成長を期待していました。しかし、投資家たちはすでに同社を倒産寸前の企業と見なしており、特に過剰な負債と厳しい経済状況を考えると、この予想に驚いたことでしょう。だからこそ、投資家は今回の見通しを受け入れるかもしれません。
ペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)のバリュエーション:今年の予想フリーキャッシュフローの7倍
ペロトン・インタラクティブ(PTON)について以前お話しした内容を振り返りましょう。私は以前のレポートで下記のように述べています。
「私は2025年度の同社のフリーキャッシュフローが約5000万ドルに達すると考えています。この数字は、給与や研究開発の再編がほぼ完了していることを前提としています。参考までに、2024年度のフリーキャッシュフローは約マイナス6000万ドルを目指していました。したがって、来年度に約5000万ドルのフリーキャッシュフローを達成できれば、前年比で約1億ドルの改善となり、これが最良のシナリオであると見ています。」
振り返ると、2024年度のフリーキャッシュフローについての私の予測は概ね正しかったものの、実際にはマイナス8500万ドルとなり、私の見積もりであるマイナス6000万ドルを大きく下回りました。
しかし、2025年度についての私の予測は誤っていました。私は2025年度のフリーキャッシュフローが約5000万ドルになると期待していましたが、同社の最新のガイダンスはそれとは異なっています。
(出典:2024年度第4四半期決算資料)
上記の調整後EBITDA(Adjusted EBITDA)の数字に注目してください。仮にメンテナンス資本支出に約4,000万ドルを充てたとしても、同社は約2億1,000万ドルのフリーキャッシュフローを生み出すことができます。これを基にすると、株価は今年の予想フリーキャッシュフローの約6倍という評価になり、魅力的な投資対象であるように見えます。しかし、それが全てではありません。
問題は、同社がまだ約8億ドルの純負債を抱えていることです。時価総額が12億ドルの企業にとって、8億ドルの純負債を抱えるのは非常に大きな負担です。そして、現在のところ、投資家の同社に対する信頼は非常に低いのも事実です。
ペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)の予想ベースの株価売上高倍率推移
上の図の予想ベースの株価売上高倍率の推移が示すように、市場の投資家の期待は非常に低く、多くの人が同社を投資対象として避けていることが分かります。
ペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)への投資仮説に対するリスク
ここでは、ペロトン・インタラクティブ(PTON)に対して強気な見方を持つ投資家が考慮すべきリスクをいくつか挙げます。
まず、同社は、競争の激しいフィットネス業界で事業を展開しており、他の接続型フィットネスブランドや従来型のジム機器メーカー、さらにはジムそのものやYouTubeといった競合と激しい競争を繰り広げています。
さらに、競合他社は同様の製品を通常より低価格で提供しているため、同社はコンテンツやコミュニティを通じて差別化を図る必要があります。それがどれほど成功しているかと言えば、パンデミック後ではあまりうまくいっていないのは、皆さんもご存じの通りです。
また、多くの人々がオフィス勤務に戻りつつある中で、自宅用のフィットネス機器にお金をかける魅力も薄れているかもしれません。
そのため、私は、もし次の四半期で同社が5000万ドル以上のEBITDAを達成できなければ、ポートフォリオから除外することを検討します。
ペロトン・インタラクティブ(PTON:Peloton)に対する結論
ペロトン・インタラクティブ(PTON)の投資仮説には確かに多くの課題がありますが、現在のバリュエーション(予想フリーキャッシュフローの約7倍)は、多くのリスクを織り込んだものと考えています。
そして、同社は依然として厳しい競争環境と厳しい財務状況に直面していますが、フリーキャッシュフローの大幅な改善は見逃せないポイントであると考えています。
そのため、同社への市場の期待が低い今、逆張りのチャンスがあるかもしれないと見ています。
ただし、繰り返しとなりますが、もし次の四半期で同社が少なくとも5000万ドルのEBITDAを達成できなければ、2025年第1四半期にポートフォリオから除外する予定です。
目標株価:1株あたり8ドル
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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
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