米国株式市場における主要指数は、金曜日の劇的な急落からの反発を試みましたが、午後遅くになってその希望は打ち砕かれました。トランプ大統領が、メキシコおよびカナダの輸入品に対する関税を来月予定どおり実施する意向を改めて表明したためです。両国は大統領の要求に応じる努力を続けていましたが、その甲斐なく関税措置は継続されることとなりました。さらに、政府関係者は、メキシコやカナダを含むすべての貿易相手国に対する報復関税が予定どおり4月に実施されることを明言しました。
加えて、4月には医薬品、半導体、自動車に対する25%の関税が予定されており、3月12日からは鉄鋼およびアルミニウムに対する関税が25%へ引き上げられることになっています。こうした状況の中、世界中の貿易相手国は、報復措置を協調して講じる構えを見せています。もしこれが単なるトランプ政権のパフォーマンスではないとすれば、本格的な貿易戦争の幕が開いたといえるでしょう。貿易戦争に勝者はなく、最も大きな打撃を受けるのは低所得層や中間層の家庭です。

(出所:Finviz)
現在、米国経済の成長基盤と消費者の活力が大きく試されようとしています。消費者と企業の景況感はすでに悪化の兆しを見せており、高頻度で発表される経済指標にも陰りが見え始めています。その結果、第1四半期のGDP成長率や企業収益の予測も下方修正されています。関税が予定どおりすべて実施されれば、こうした悪化傾向はさらに加速する可能性が高いです。
先週、S&P 500が過去最高値を更新した後であることを考えると、市場全体の調整が起こるのは自然な流れかもしれません。そして、今回の関税問題は、そのきっかけとなる格好の材料となったようにも見えます。しかし、現状のタイミングでの政策実施は非常に危険です。トランプ大統領がこのまま強行すれば、市場の一時的な下落が本格的な調整局面へと移行し、さらにはそれ以上の深刻な事態へと発展する可能性もあります。財政政策の実施時期を慎重に見直さなければ、大きなリスクを伴うことになるでしょう。

(出所:Bloomberg)
S&P 500は米国大統領選挙以降、4%の狭いレンジ内で推移しており、先週一時的に過
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