ハイテク急落とセクターローテーション:株価を動かす収益成長の実像

■ハイテク株の調整とAI投資サイクルの継続
ハイテク株やSOX指数は20%規模の調整を見せていますが、これは過熱したバリュエーションの修正であり、AIインフラへの設備投資サイクル自体は継続しています。
■S&P 500の収益成長と妥当なバリュエーション
第2四半期の利益成長率は24.7%へと上方修正されました。予想PERは20.3倍と歴史的平均の範囲内にあり、株価上昇はバリュエーションの膨張ではなく企業収益に裏付けられています。
■Mag7からその他493銘柄へのセクターローテーション
マグニフィセント・セブンの成長が減速する一方で、残り493銘柄の収益成長が加速する見通しであり、これがバリュー株・景気循環株への資金シフトを後押ししています。
■インフレ低下とFRBの政策据え置きシナリオ
CPIおよびコアインフレの低下、失業保険申請件数の安定、消費の底堅さから、FRBは年内金利を据え置き、2027年に利下げへと転じる見込みです。強気相場は持続すると考えられます。
ハイテク株の調整とバリュエーションのリセット
地政学リスクとAIバブル懸念に伴う株価調整
中東における緊迫した地政学情勢が先週も続き、原油価格は高水準を維持しています。AAAによる全米平均ガソリン価格はピークからは下落しているものの、再びガロンあたり4ドルに迫る動きを見せています。
そうした中、テクノロジー株の下落が再開しました。マグニフィセント・セブンが最高値から15%の調整を見せたのに続き、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は最高値から20%下落し、弱気相場入りの水準に達しました。AI分野における過剰設備、過剰支出、そして激化する競合への懸念から、ドットコムバブル崩壊直前の1999年の再来を警告する声も上がっています。
中国のAIスタートアップであるMoonshot社が、OpenAIやAnthropicのモデルに対して十分に対抗可能な低コストモデルを発表したことも、市場の不安を煽る要因となりました。主要な株価指数はいずれも下落して週の取引を終えています。

(出典: Finviz)
投資サイクルの継続とセクターローテーションの深化
懸念の多くは理にかなっているものの、業界の売上高と企業利益の急成長を支えてきた設備投資サイクルはまだ終わっていないと考えています。AI業界のインフラを担う企業群のバリュエーションは実体経済のファンダメンタルズを大幅に先行していたため、今回の株価調整が最も顕著に現れました。この分野では間違いなく勝者と敗者が分かれることになりますが、現時点でその決着を予測するのは時期尚早です。
夏の初めには、S&P 500(SPY)が長期移動平均線である7,000ポイント付近まで最大8%程度調整すると予想していましたが、実際の調整は5%にとどまりました。これは、収益成長の裾野が広がり力強さを増す中で、投資家が割高で投機的な銘柄からバリュー株や景気循環株へと資金を移行させているためです。

(出典: FactSet)
企業業績の拡大とバリュエーションの妥当性
予想を上回る第2四半期決算とPER水準
第2四半期決算を発表したS&P 500構成企業はまだ10%程度ですが、市場予想を上回る決算が相次ぎ、全体の利益成長率の推計は23.2%から24.7%へと上昇しました。
S&P 500のフォワード12ヶ月予想PER(株価収益率)は20.3倍となってお
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