NVIDIA決算で「懸念の壁」が一段低くなった

■NVIDIA決算が懸念材料を後退させた
増収率・利益ともに市場予想を上回り、2028年の収益成長ガイダンスは45%から70%へ引き上げ。AIアクセラレータ需要に減速の兆しはないと判断しています。
■コアPCE物価指数は前年比3.3%で横ばい
事前予想通りの結果となり、来月には算出方法の見直しでインフレ率がさらに0.25%程度押し下げられる見込みです。
■実質消費支出の月次鈍化は気にしていない
前年比では7月も2.1%増と、ここ数年のペースとほぼ変わらない水準を維持しています。
■強気相場は年末にかけて続く
今年中の利上げなし、来年の利下げをより有力なシナリオとみており、9月の調整は第4四半期の最高値更新への地ならしになると見ています。
決算前の静けさから一転
昨日の市場は、NVIDIA(NVDA)の決算発表を控えて異例なほど静かでした。AI投資というテーマの土台を揺るがす数字が出るのか、それとも裏付ける数字が出るのか、投資家が固唾を飲んで見守っていたためです。これは「懸念の壁」の中でも最大級のレンガの一つでしたが、少なくとも今のところはそうではなくなったようです。増収率・利益ともに市場予想を上回っただけでなく、同社は2028年の収益成長ガイダンスを市場予想の45%から70%へ大幅に引き上げました。 経営陣によれば、供給制約さえなければこの数字はさらに高かったはずだといいます。要するに、AIモデルの学習・稼働に使われるAIアクセラレータやメモリの需要には、減速の兆しがまったく見られないということです。

(出典: Finviz)
それでも残る懸念
S&P500(SPY)・NASDAQ(QQQ)はいずれも上昇して取引を終えました。ただ、同社の循環的な資金調達契約が抱えるリスクや、じわじわと迫る競合他社の存在は、依然として気がかりです。この決算は、AI関連テック株のさらなる大幅高を後押しするというより、下値を限定する効果の方が大きいというのが私の見立てです。景気循環に敏感な企業群は、これからも大きすぎる評価に見合うだけの成長を実現していく必要があります。
もう一つの話題は債券利回りの高止まりで、市場の関心は金曜日に予定されているウォーシュ議長のジャクソンホールでの講演に移っています。懸念されているのは、同議長が「市場にフォワードガイダンスを出さない」という姿勢をまた示すことです。ただ、昨日発表されたインフレ指標を見る限り、その懸念は和らぐはずだと私は考えています。

(出典: Bloomberg)
インフレはピークアウトしたという見立てが強まる
7月のコアPCEは事前予想通り
FRB(米連邦準備制度理事会)が重視するインフレ指標、7月のコア個人消費支出(PCE)物価指数は、事前予想通りの結果でした。前月比0.2%、前年比3.3%の上昇で、数字は6月から変わっていません。

(出典: Bloomberg)
5月の時点で、私はインフレ率がすでにピークを付けたと述べましたが、今はその時よりも確信を強めています。ここまでの改善は小幅にとどまっていますが、来月にはインフレ率を押し下げる新たな材料が出てきま
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