AIは私たちの生活のほぼあらゆる側面を作り変えており、それは「The Pragmatic Investor」のポートフォリオも例外ではありません。私はこの2年間で数多くのAI関連銘柄を取り上げ、現在もこのセクターに大きな比重を置いています。
今回は、これまでにない試みをします。AI関連で最も確信度の高い保有ポジション6銘柄を公開します。供給の目詰まりを取りに行く銘柄、巨大クラウド事業者(ハイパースケーラー)、ネオクラウド、そして業界の中心にいる企業群です。いずれもすでに大きな上昇を見せている銘柄ですが、AIサイクルが次の上昇局面に入るにつれて、さらに上値を伸ばすと私は見ています。
そして来週は、私が今まさに保有比率を引き上げているAI関連銘柄をさらに2銘柄取り上げます。1つはエネルギーセクター、もう1つは過去最高値から50%以上下落した銘柄です。
早速見ていきましょう。
ネオクラウドの本命——ネビウス・グループ(NBIS)
ネビウス・グループは、ネオクラウドの拡大という潮流を最も素直な形で取り込める銘柄であり続けており、その投資テーマはむしろ強まっています。直近の決算も、また好決算でした。この決算については別稿で詳しく取り上げ、目標株価も更新しました。私の見立てでは、ネビウス・グループは依然としてネオクラウドの中で頭一つ抜けた存在です。上昇の勢いが再び強まり始めており、400ドルへの道筋も見えてきたと考えています。
ネオクラウドという事業形態
【補足】ネオクラウドとは
- AI向けのGPU計算資源の提供に特化した、比較的新しいクラウド事業者を指します。ネビウス・グループやコアウィーブなどが該当します。
- 巨大クラウド事業者と違って他の巨大事業から流れ込んでくる現金がないため、建設した設備を早く契約で埋めて稼働させないと資金繰りが厳しくなるという構造的な違いがあります。

(出典: TrendSpider)
メモリ不足の主役——サンディスク(SNDK)
サンディスクは、今年のS&P500構成銘柄の中で最も上昇した銘柄です。それでも、この物語はまだ終わっていないと私は考えています。株価は100ドル未満から1,700ドル超まで上昇し、9月21日にはS&P100にも採用されます。私は早い段階で保有を開始しましたが、正直に言えば手放すタイミングも早すぎました。それでも先月、株価が下押しした場面で安値に近い水準まで保有比率を再び引き上げました。
ここでの押し上げ要因は構造的なものです。HBMとNANDの供給が、AI需要の伸びに単純に追いついていません。サンディスクがキオクシアと結んだ、2032年までにメモリ容量を拡張する310億ドル規模の合弁事業は、この供給不足の主要な受益者としての地位を固めるものです。事実上、複数年にわたって供給不足が続く構図に対して、予想株価収益率はいまだ8倍程度にとどまっています。この水準を踏まえると、メモリのボトルネックというテーマにはまだ上値余地があると私は見ています。
HBMとNANDの需給逼迫
【補足】HBMとNANDとは
- HBM(高帯域幅メモリ): AIの学習・推論に使うGPUに直結される高速メモリです。データを高速にやり取りできますが、製造難易度が高く供給が限られています。
- NAND: スマートフォンやSSDなどに使われるフラッシュメモリの一種です。AIデータセンター向けのストレージ需要も急増しています。
- 本節の論点: AI関連の需要急増に対して両メモリとも供給能力の拡張が追いついておらず、価格・供給の逼迫がメモリメーカーの業績を押し上げています。

(出典: TrendSpider)
見過ごされた出遅れ組——アルファベット(GOOGL)
アルファベットは、このサイクルを通じて私が最も安心して保有できる巨大クラウド事業者です。このリストの中で唯一、AIに対する強気シナリオのために高い対価を払う必要がない銘柄だからです。純利益が前年同期比で2倍以上に伸びているにもかかわらず、株価は利益のおよそ17倍未満で取引されています。2026年の大半を通じて、市場はGoogleがAI競争に負けつつあると懸念していました。このギャップは、その懸念の名残と言えます。
しかし今、そうした見方は変わりつつあります。TPUは、社内のコスト削減手段にとどまらず、それ自体が外部へ計算資源を売る事業になりつつあります。Geminiのエージェント機能に特化したリリースも、OpenAIとの認知度の差を縮めています。GoogleがSEMICON(半導体業界の展示会)で中心的な役割を担ったのも、偶然ではありません。
私はこの水準を、参入するうえで有力なタイミングだと捉えています。
TPUという独自チップ
【補足】TPUとは
- Googleが自社開発する、AIの学習・推論に特化した専用半導体です。NVIDIAのGPUと並ぶ選択肢として、外部の企業にもクラウド経由で提供され始めています。

(出典: TrendSpider)
光通信のボトルネックを取る——コヒレント(COHR)
コヒレントは、光通信のボトルネックというテーマに投資する上で私が好んで選ぶ銘柄です。データセンターが1.6Tの光トランシーバーへと規模を拡大する中、コヒレントは7四半期連続で過去最高の売上を記録しており、その伸びを背景に純利益は前年同期比15倍を超えています。
株価はAIデータセンター需要を背景にほぼ4倍となりましたが、52週高値からはなお約36%低い水準にあります。市場予想の平均目標株価は、現在の水準からなお50%近い上振れを織り込んでいます。次世代AI半導体向けの300mmシリコンカーバイド基板に参入したことも、この銘柄が一過性のサイクルで終わらないことを見据えた布石だと言えます。
これまで取り上げてきた光関連銘柄の中でも、私は高値を追うよりも弱含んだ局面でコヒレントの比率を引き上げたいと考えています。

(出典: TrendSpider)
半導体ではなく電力がボトルネック——ブルーム・エナジー(BE)
ブルーム・エナジーは、「このサイクルにおける本当のボトルネックは半導体ではなく電力である」というテーマを、最も純粋な形で体現する銘柄です。株価は今年に入って130%を超える上昇となり、9月21日にはS&P500にも採用されます。同社の固体酸化物形燃料電池は、ネビウス・グループのVineland施設にも直接組み込まれています。私はこの下落局面でも保有比率を引き上げました。
巨大クラウド事業者やネオクラウドは、送電網への接続待ちの列を丸ごと回避するため、自家発電設備を建設する動きを強めています。ブルーム・エナジーは、その規模での供給を担える数少ない有力企業です。

(出典: TrendSpider)
ヘルスケアAIの番外編——テンパスAI(TEM)
テンパスAIは、このリストの中では毛色の違う銘柄です。インフラ関連ではなくヘルスケアAI銘柄ですが、だからこそ選ぶ価値があります。私たちはIPO直後にもこの銘柄を取り上げました。株式取引で知られるナンシー・ペロシ氏が購入したことをきっかけに、興味深い銘柄として言及したこともあります。
株価は52週高値の104ドル近辺から60ドル台半ばまで大きく調整しました。話題性は落ち着きましたが、ファンダメンタルズはむしろ改善しています。2025年の売上高は83%増の12億7,000万ドルに達しました。AIを活用した心臓疾患診断についてFDA(米食品医薬品局)の認可も取得したばかりです。係争中のパーソナリス買収も、ゲノムデータという堀をさらに強化するものです。
テクニカル面では、主要な日足EMA(指数平滑移動平均線)を上回る水準にあり、20日線と50日線のEMAでは強気のクロスが発生しています。57ドル近辺にある200日線のEMAを維持できる限り、上値を伸ばす余地はなお残っていると見ています。
最終的には、この銘柄はインフラというよりソフトウェア寄りのAI銘柄としての性格が強いと私は捉えています。AIによる利益がこうした企業の業績に表れ始めるにつれて、ソフトウェア株の上昇にはまだ続きがあると考えています。テンパスについては、近いうちに別稿でさらに深く掘り下げる予定です。
テクニカル分析の見方
【補足】EMA(指数平滑移動平均線)とは
- 株価の平均的な水準を示す移動平均線の一種で、直近の値動きに大きな比重を置いて計算される指標です。
- 本節の論点: 短期(20日・50日)のEMAが上向きに交差する動きを、上昇に転じる兆しとして筆者は注視しています。

(出典: TrendSpider)