強気パランティア・テクノロジーズAIインフラ構築の次フェーズを捉えるポートフォリオ再編(Part 3):AIソフトウェア、ネオクラウド、暗号資産、宇宙インフラ

■Palantirへの確信度引き上げ
パランティア(PLTR)の比率を約2.5%へ拡大。企業データを守る独自技術とガバナンス機能を評価し、AIソフトウェア時代の本命銘柄として位置づけ。
■ネオクラウドにおける非対称性
超割安な将来評価倍率を持つアイレン(IREN)や余剰能力を持つオラクル(ORCL)、高い実行力を誇るコアウィーブ(CRWV)を選好。Quanta Services(PWR)は完全売却。
※本記事は「AIインフラ構築の次フェーズを捉えるポートフォリオ再編(Part 1)」および「AIインフラ構築の次フェーズを捉えるポートフォリオ再編(Part 2)」の続編となります。あわせてご覧いただくことで、ポートフォリオ全体の戦略をより深くご理解いただけます。
1. AIソフトウェアの柱とクリプト・フィンテック再編
Palantir(PLTR):AI時代における最高確信度のソフトウェア主力銘柄
パランティア(PLTR)のポートフォリオ比率を約2.5%へ引き上げ、AIソフトウェア層における最優先銘柄として組み入れています。直近の売上成長率は前年比で70%〜80%台へ急加速しており、株価の調整を経てもその企業価値と成長の軸は極めて強固です。
市場の一部には「パランティアは独自の巨大AIモデルを持たず、外部のAIモデルに頼っているのではないか」という慎重な見方もあります。しかし、まさにこの点に同社の強みがあります。同社が提供するオントロジー(企業データの構造化技術)とガバナンスレイヤーこそが、AIモデルを安全かつ低コストで企業の現場に組み込み、無意味なAI出力を防ぐ防波堤となっているのです。
マイクロソフトのナデラCEOが語る逆情報パラドックス(Reverse Information Paradox)という課題があります。これは、企業が自社の秘密データを外部のAIモデル事業者に預けると、いずれそのAI事業者にデータを学習されて競合サービスを作られてしまうというリスクです。パランティアはこのリスクから企業を守ります。20年以上にわたる現場のデータノウハウと、自社専用のオープンAIモデル運用環境を組み合わせることで、企業が自社の知的所有権(IP)を渡すことなくAIを活用できる環境を提供しています。企業が安心してAIを業務に導入するための不可欠なインフラとして、非常に高い投資確信度を持っています。
Coinbase(COIN):暗号資産バスケットにおける優先度の引き下げ
コインベース(COIN)は保有を継続するものの、暗号資産分野での追加投資の優先順位をサークル(Circle)に対して下げました。米国での暗号資産法案の遅れや規制当局との摩擦、さらにステーブルコイン金利の分配変更リスクなどが重しとなっています。
Circle(CRCL):AIエージェント決済とステーブ
ルコインの本命銘柄
サークル(CRCL)は、暗号資産・フィンテック分野における我々のトップピックです。同社が発行するステーブルコイン(USDC)は、今後急増する自律型AIエージェント同士が自動で取引・決済を行う際の標準通貨になると期待されています。これは単なる暗号資産の価格変動に依存しない、実質的で巨大な需要です。さらに高金利環境から得られる利息収入も手厚く、AI経済とフィンテックの交差点にある本命銘柄と位置づけています。
Robinhood(HOOD):フィンテック・暗号資産バスケットの位置付け
ロビンフッド(HOOD)は暗号資産・フィンテック枠として約1%を維持しています。個人投資家の取引サイクルに影響を受けやすい側面があるため、優先的な買い増し対象からは外しています。
Quanta Services(PWR):ポートフォリオからの完全売却
クアンタ・サービシズ(PWR)は全売却(利益確定・撤退)を行いました。送電網の工事やデータセンター建設の需要は非常に強いものの、同社の事業は人手や現場作業に依存する施工モデルであり、需要が2倍になっても売上や利益が直線的に何倍も跳ね上がるスケーラビリティが限られています。より高い上昇ポテンシャルを持つ他のAIインフラ銘柄へ資本を再配分しました。
2. ネオクラウドとAIコンピュートの非対称性
IREN Limited(IREN):最大のサプライズ・アップサイドを秘めたネオクラウド
アイレン(IREN)は、AI専用クラウド(ネオクラウド)市場で最も大きな株価の上昇余地(アップサイド)を秘めた銘柄として約2.5%を組み入れています。株価の調整により、現在の企業価値評価は極めて割安な水準に放置されています。
アイレンの最大の強みは、世界各地で未利用の電力網や土地を素早く見つけ出し、メガワット級のデータセンターを爆速で建てる物理インフラの確保能力にあります。同社の将来の計画容量に対する評価倍率は、競合のCoreWeaveやNebiusと比べても突出して割安です。ボラティリティは高いものの、大きなリターンが期待できる注目株です。
CoreWeave(CRWV):ネオクラウドの中で最も洗練された実行力
コアウィーブ(CRWV)は、ネオクラウドの中で最も高い顧客信頼度と実行力を誇る銘柄として比率を約1%へ引き上げました。暗号資産マイニングで培った技術により、大量のGPUクラスタを99%以上の稼働率で安定稼働させる運用力があり、主要顧客からの信頼を独占しています。
Nebius(NBIS)& Oracle(ORCL)& Bitdeer(BTDR):ネオクラウドの多様な展開
- Nebius(NBIS): 高い技術力を持ちますが、既存の受注でデータセンターの空きがほぼ埋まっており、短期的アップサイドが限定的とみて見送りました。
- Oracle(ORCL): 未売却の余剰コンピュート能力を保有する数少ないクラウド大手であり、市場のAIコンピュート不足の中で大きなポジティブサプライズを起こす可能性があるため、約2%へ引き上げました。
- Bitdeer(BTDR): ビットコイン採掘と独自の半導体設計能力を持ち、ネオクラウドへの転換を進める最も投機的かつリターン期待の大きい銘柄(約0.7%維持)。
3. 宇宙インフラとフィジカルAI
Intuitive Machines(LUNR):月面インフラと宇宙ストーリー銘柄
インテュイティブ・マシンズ(LUNR)は、月面インフラ分野の独占的ポジションを狙う宇宙銘柄として約1.2%を維持しています。株価の波は激しいですが、米国の月面探査(アルテミス計画)の本格化に伴い、NASAからの大型契約を相次いで獲得しており、11億ドル規模の豊富な受注残を抱えています。
MP Materials(MP):フィジカルAIとレアアースの長期ポジション
MPマテリアルズ(MP)は、ロボティクスやEVモーター、国防機器に不可欠なレアアース(稀土類)を米国本土で採掘・精錬する唯一の企業です。物理世界で動くロボット(フィジカルAI)と国家安全保障の双方を支える重要銘柄として継続保有しています。