10/09/2026
やや強気
BEセミコンダクター・インダストリーズ
やや強気
筆者はロジックフォールディングの接合需要がHBM積層数減少の懸念を上回ると見て、下落時に買い増し。

接合技術と光学統合が変える半導体の競争 2026年第4四半期リバランス Part2

Main Imageコンヴェクィティ  コンヴェクィティ
記事要約

    ■ロジックの積層が装置需要を広げ得る
    HBMの積層数減少は短期の接合需要を弱め得るが、ロジック回路の積層は別の需要源となる。複雑なパッケージは、1個当たりの検査・計測への支出も増やすと予想する。

    ■顧客構成と製造技術の商業化を確認
    オントとカムテックは能力が重なる一方、SKハイニックスとサムスン電子への露出が異なる。インテルの技術には顧客向け支援、歩留まり、量産規模、納期の実証が必要だ。

    ■光接続の成長と光源の希少性を区別
    内蔵光源、CWレーザーと変調器の分離、マイクロLEDは、特定の高出力レーザーへの依存を減らし得る。ルメンタムでは近い将来の需要増より長期の価格決定力を懸念する。

    ■微細化以外へ移る製造の価値を重視
    台湾積体電路製造の全売却を維持し、ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスの比率を1%へ増やした。タワーは技術への確信を保つ一方、スペースXの配分増も踏まえて集中を抑え、6.1%から4.75%へ減らした。

この記事は約 36 分で読むことができます。(記事文字数:約 17,800 文字)

Part1はこちら


1. ファーウェイが示す技術の変化

ファーウェイは上場していないが、その進歩は中国の技術エコシステムを強化し、エヌビディア(NVDA)など欧米企業との競争を変え得るため、私たちは注視している。主な理由の一つはロジックフォールディングの研究だ。チップ製造を変え、欧米メーカーが同様の技術を採用すれば、私たちが保有する装置企業への追加需要を生む可能性がある。光学技術の進歩も、接続とパッケージングの改善がAIプラットフォーム間の競争へ及ぼす影響を評価する助けとなる。

ファーウェイシリーズで取り上げているとおり、ロジックフォールディングは回路の2次元配置を、垂直に接続した層へ実質的に「折り畳む」技術だ。平面上では離れていた回路部分を上下に置き、ハイブリッドボンディングで接続して、信号の移動距離を短くする。トランジスター密度を高め、信号距離を短縮することで、既存プロセスで性能を改善する別の手段となり得る。採用が広がれば、接合装置、検査、計測の需要が増え、BEセミコンダクター(BESI)、カムテック(CAMT)、オント・イノベーション(ONTO)などの保有企業が恩恵を受ける可能性が高い。先端パッケージングと次世代HBMによる近い将来の需要に加え、長期の成長機会を延ばす可能性として捉えている。

ファーウェイはレーザー、光学部品、パッケージングを管理しており、別々の企業の製品や利益率に合わせる必要が小さい。そのため、システム全体に最適な内蔵レーザーを選ぶ自由度が大きい。部品を一体設計すれば低出力の内蔵レーザーを使いやすくなり、希少な高出力の外付けレーザーへの依存が減る。これが低コストと導入遅延の減少につながれば、ファーウェイが利用できる市場の顧客には、エヌビディアのアクセラレーターやブロードコム(AVGO)のカスタムチップ・ネットワーク製品を中心とするシステムに対する、より強い代替手段が生まれる。両社が割高な価格を維持する力を弱める可能性がある。

ファーウェイの7.2Tb/sのHi-ONE光エンジンは、この挑戦を支える接続技術の進歩を示す。光チップと電子チップのハイブリッドボンディングにより、小型の光モジュールに高帯域幅を収められる。プロセッサー間の接続改善はAIシステムの計算能力を効率よく使う助けとなり、個々のチップ性能以外でもエヌビディアとブロードコムに対抗する手段をファーウェイに与える。エヌビディアについての分析で述べたとおり、中国の開発企業はファーウェイインフラ上のAIサービスを通じて、国際顧客へこの恩恵を届けられる可能性がある。米中のハードウェア供給網が分離しても、ファーウェイの競争上の影響は、同社の装置を購入する国の範囲を超えると考える。


ロジックフォールディングの役割


【補足】

平面上の回路を上下の層へ配置し直し、信号が移動する距離を短くする方法だ。微細化以外で性能や電力効率を改善する可能性がある一方、接合や排熱、安定した量産の課題は残る。


光学統合を理解するために


【補足】光チップと電子チップ

光チップは光によるデータの送受信を担い、電子チップはその駆動や制御を担う。両者を小さな空間で、高い帯域幅を保ってつなぐことが統合の課題だ。本文は、個別部品の性能だけでなく、部品を組み合わせてシステム全体を動かす能力が競争を左右すると論じる。


【補足】ハイブリッドボンディング

チップや回路層を高密度の電気接続で直接つなぐ接合技術だ。接続を細かく、多く配置できれば、狭い場所で大量のデータをやり取りできる。一方、各接点を正確に合わせ、信頼性を確保する必要がある。細かな接続ほど、位置ずれや欠陥を見逃せる余地は小さくなるため、接合装置だけでなく検査・計測も重要になる。


2. 接合装置と検査計測への投資


BEセミコンダクター HBM懸念を上回るロジック需要

BEセミコンダクターの保有比率を1.87%から2.5%へ引き上げる。顧客が積層数の少ないHBMへ移る懸念により、株価が下がりすぎたと考え、下落局面で買い増す。投資家は、HBMの積層数が減るとBEセミコンダクターのハイブリッドボンディング装置の採用が遅れることを懸念している。私たちは、ロジックチップの需要が初期のHBM市場機会を大幅に上回り、メモリ積層の高さ低下の影響を補って余りあると考える。

HBM価格の高さは、推論に必要なメモリを減らす強い動機になる。スライディングウィンドウ・アテンションのアルゴリズムは、それを使う層が会話全体のキャッシュを持つ代わりに、小さな移動式のKVキャッシュを保持できるようにする。一部の実装では、局所ウィンドウはわずか128トークンだ。モデル設計によっては、キャッシュ要件を大きく減らし、小容量のHBM構成を魅力的にできる。

私たちの業界情報では、顧客は12層や16層ではなく、4層や6層のメモリダイの積層を求めている。積層数が少なければ、層間の接続数も減る。ハイブリッドボンディングを使う場合、完成スタック当たりの接合工程が減る一方、残る接続は必要な仕様を満たさなければならない。積層数が少ないと、従来のはんだ接続でもパッケージの高さ制限を守りやすくなり、省スペースだけを理由にハイブリッドボンディングへ移る必要も小さくなる。そのため、1パッケージ当たりの接合作業が減り、新装置の採用が遅れ、BEセミコンダクターの近い将来のHBM機会が弱まる可能性がある。

ただし、ロジックフォールディングは別のハイブリッドボンディング需要を生む。ファーウェイ節で説明したとおり、回路の一部を垂直に接続した層へ配置し、信号距離を短くして処理速度と電力効率を高める。推論システムが必要とするHBMが減っても、これらの利点は魅力を保つ。この方法を採るメーカーは、回路層を極めて高い精度で位置合わせし、接続する必要があり、メモリ積層以外の装置需要を支える。

中国以外のファウンドリがロジックフォールディングを採用するにつれ、接合装置需要は初期のHBM市場機会を大幅に上回り、積層数減少の影響を補って余りあると予想する。新しい用途が進展する間も既存の先端パッケージング投資がBEセミコンダクターを支え、今後数年ではロジックフォールディングが追加受注の大きな源になると考える。市場はHBMの積層数に注目するあまり、プロセッサー自体の製造に必要となる接合装置の量を過小評価している。これが下落を利用して買い増す理由だ。


HBMの積層数と接合作業


【補足】

積層数が少なければ、メモリ層の間の接続も減る。接合装置にとっては短期の需要減少要因になり得る。ただし、ロジック回路の積層は別の接合需要を生むため、メモリとロジックを分けて考える必要がある。


メモリ積層と接合を理解するために


【補足】HBMとメモリダイ

HBMは高い帯域幅でデータを供給するメモリで、本文では複数のメモリダイを積み重ねる構造を論じている。ダイは個々の半導体チップを指す。積層数を減らすと層間の接続は減り、パッケージを低くしやすくなるが、残った各接続に求められる精度や信頼性まで不要になるわけではない。


【補足】KVキャッシュと局所的な注意

KVキャッシュは、回答生成で以前に処理した情報を再利用するためのデータだ。スライディングウィンドウ方式では、会話全体ではなく直近の限られた範囲を使う層を設け、保持する量を減らせる。本文の128トークンは一部実装の例であり、すべてのモデルで同じ削減率が得られるという数字ではない。効果はモデル設計による。


HBMと先端パッケージングの検査計測

半導体生産の増加とチップ構造の複雑化は、引き続き検査・計測に恩恵をもたらすと考える。検査は欠陥を見つけ、計測は寸法や材料特性を測って製造が仕様を満たすか確認する。生産量の増加は装置を増やし、微細な接続と厳しい許容誤差は、各ウエハーやパッケージに必要な検査・計測作業を増やす。

2.5Dから3.5Dへのパッケージングの移行は、この成長を加速すると予想する。ブロードコムの3.5Dは、垂直積層したロジックダイと、プロセッサー・HBMを横に並べてつなぐ接続を組み合わせる。検査すべき接合面と微細接続が増える。ブロードコムとファーウェイの比較で取り上げた接合ピッチの微細化も、位置合わせの誤差の余地を狭める。1つの欠陥が同じパッケージの複数の高価なチップを損なう可能性があり、組み立て完了前に問題を発見する価値が高まる。

ファーウェイとBEセミコンダクターの節で述べたとおり、中国以外のファウンドリによるロジックフォールディングの普及は、こうした要件をより多くのロジックチップ用途へ広げる。機会が育つ間、HBMと既存の先端パッケージング投資は近い将来の需要を提供する。生産増と1パッケージ当たりの検査・計測要件の厳格化が相互に強まり、検査・計測支出がチップ数量より速く増え、オント・イノベーション、カムテック、ノヴァ(NVMI)の成長機会を延ばすと予想する。


パッケージの複雑化を理解するために


【補足】2.5Dと3.5Dの違い

本文の2.5Dは、プロセッサーやHBMを横に並べてつなぐ構造だ。3.5Dは、その横方向の接続にロジックダイの垂直積層を加える方式として説明されている。上下の接合面が増えるため、チップの生産数が同じでも、1パッケージ当たりの検査箇所と精度への要求が増える可能性がある。


検査計測企業ごとの違い


オント・イノベーション

オント・イノベーションの保有比率を0.42%から1%へ引き上げる。同社はチップ製造中の先端ノード計測と、先端パッケージングの欠陥検査・3D計測を組み合わせる。製造装置はロジック・メモリチップのトランジスター構造や薄膜の厚さを測る。パッケージング装置は欠陥を見つけ、バンプの高さ、シリコン貫通ビアの深さ、パッケージ内接続の寸法などを測る。したがって、ロジック・メモリの製造と、それらを積層・接続する構造の管理の双方に関与する。

オント・イノベーションはHBMと先端パッケージングの検査・計測でカムテックと直接競合するが、顧客構成は異なる。オント・イノベーションはSKハイニックス(000660.KS)の設備投資計画との結び付きが強い。カムテックはサムスン電子(005930.KS)のHBM生産ラインで優先的に選ばれる供給企業として、サムスン電子との結び付きが強い。オント・イノベーションの幅広い製品には、パッケージ内でチップを接続する配線層を形成するパッケージング用露光装置も含まれる。カムテックはこの装置を提供していない。チップ設計の複雑化によって、現在のパッケージング投資の回復を超えて支出を続ける理由が生まれ、私たちの確信は強まった。

リバランス時点でオント・イノベーション株は年初来約79%上昇していたが、直前3カ月では約18%下落していた。年間上昇の一部は、以前の先端パッケージング減速に伴う成長懸念からの回復だと捉える。長期の機会が十分織り込まれた証拠とは見ていない。AIインフラ全般の下落局面で相対的に底堅かったことは心強いが、バリュエーションに残る上昇余地については意見が分かれた。

私たちの評価シナリオは、近い将来に約43%の売上成長、その後は需要が持続すれば年約30%、あるいはさらに加速する成長を仮定する。ロジックフォールディングで延長される可能性もある長期のパッケージング投資サイクルなら、この前提を支持する。一時的な回復なら、上昇余地は小さくなる。

長期の最終段階のフリーキャッシュフロー利益率は約35%と仮定している。これは長期の収益性と現金化の改善を必要とし、EBITDA利益率が約30%だから自動的に実現するものではない。オント・イノベーションの比較的低いフリーキャッシュフロー倍率は、より高い売上総利益倍率と併せて考える必要がある。買い増しは、一つの割安に見える指標ではなく、需要の持続性と利益・キャッシュフローへの転換を根拠とする。


オントの評価を理解するために


【補足】計測対象と配線を作る装置

計測装置は、作った構造の寸法や膜厚を測る。パッケージング用露光装置は、チップをつなぐ配線層のパターンを作る。本文のオントは両方を提供し、カムテックは同じ露光装置を提供していない。どちらもパッケージング関連企業でも、売る装置の範囲は同じではない。


【補足】EBITDAとフリーキャッシュフロー

EBITDAは利払い、税金、減価償却などを差し引く前の利益の指標だ。フリーキャッシュフローは事業運営と必要な投資を踏まえた現金の余力を見る指標で、両者は同じではない。本文の長期35%のフリーキャッシュフロー利益率は、収益性と現金化の改善を仮定する。EBITDA利益率が約30%だから、フリーキャッシュフロー利益率35%が自動的に実現するわけではない。


カムテックの専門領域


カムテック

カムテックの保有比率は0.55%に据え置いた。中核となる専門領域は高スループットの光学検査と寸法計測であり、先端パッケージングに重点を置く。イーグルとホークのプラットフォームは、欠陥検出と、HBM、チップレット、その他の複数ダイを使うパッケージの微細構造計測を組み合わせる。

カムテックは欠陥発見に加え、バンプや銅柱の高さ、接続寸法、位置合わせを測定する。また、接点の高さがダイ全体で十分均一で、信頼できる接触が可能かを示すコプラナリティも測る。接続は見た目に壊れていなくても、低すぎたり高すぎたり、位置がずれたりする。計測は目に見える損傷だけを探すのでなく、こうした問題を識別する。

専用のマイクロプロフ計測システムも提供し、表面形状と粗さ、ウエハー厚と厚さのばらつき、湾曲や反り、シリコン貫通ビアなどを測る。これらはウエハー薄化、表面処理、積層の工程管理を支える。一部用途はパッケージング以外に、ウエハー製造、MEMS、パワー半導体へ広がる。

オント・イノベーションも多くの同様の計測を行うが、カムテックは小規模で専門性が高く、HBM検査・計測の一部用途で技術優位があると私たちは考える。業界情報によれば、カムテックはサムスン電子の優先供給企業だ。サムスン電子はHBMの品質と性能でSKハイニックスに追い付き、追い越すため積極投資している。先端装置により多く支出する姿勢により、カムテックには生産拡大と各生産ライン当たり装置支出の増加の双方から利益を得る機会がある。

このため、能力が重なる2つの保有銘柄でも顧客構成は異なる。オント・イノベーションはSKハイニックスの設備投資計画との結び付きが強く、カムテックはサムスン電子の追い上げと首位獲得の取り組みから利益を得る。幅広い製品を持つオント・イノベーションとともに、先端パッケージングにより集中した投資としてカムテックを維持する。サムスン電子の追い上げ投資も魅力を加える。


微細な接点を理解するために


【補足】バンプとコプラナリティ

バンプや銅柱はチップ間の電気接続を作る微細な接点だ。コプラナリティは、各接点の高さが十分そろっているかを示す。接点が見た目に無傷でも、高さが合わなければ確実に接続できない。欠陥の有無を探すことと、寸法が仕様どおりか測ることは別の作業であり、両方が必要になる。


【補足】シリコン貫通ビアとウエハーの反り

シリコン貫通ビアは、シリコンを縦方向に貫く接続だ。上下の層をつなぐ構造では、その寸法に加えて、ウエハーの厚さや反りも管理対象となる。表面が均一でないと、接合や位置合わせに影響するためだ。積層ではチップの表面だけでなく、厚さや形状の管理も重要になる。


ノヴァの材料計測


ノヴァ

ノヴァの専門領域は寸法、材料、化学の計測だ。光学・X線技術で半導体の形状、膜厚、組成を測る。化学分析システムは金属接続を形成するめっき液を監視し、その補充も支援する。完成構造の寸法だけでなく、品質を決める材料と工程条件の管理を助ける。

ノヴァはチップの寸法や材料特性の測定でオント・イノベーションと重なる。幅広い材料分析装置と製造時の化学状態を監視する能力により、パッケージ検査企業とは異なる役割を持つ。ロジックチップとメモリ積層が複雑化するほど、これらの能力は価値を増すと予想する。

私たちは欧米の半導体供給網には新しい担い手が強く必要だとも考える。懸念は装置大手のアプライド・マテリアルズ(AMAT)、KLA(KLAC)、ラムリサーチ(LRCX)、東京エレクトロンから、設計ソフトウェアのシノプシス(SNPS)、ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)、シーメンス、製造の台湾積体電路製造(TSM)に及ぶ。私たちの見方では、こうした既存組織は慎重すぎ、動きが遅く、資源が少なくても行動の速いスタートアップや意欲の高い中国の挑戦者に追い付けない。既存製品や過去の投資の利益を守ろうとすると、既存事業を脅かす技術に消極的になり得る。

私たちはノヴァを次世代のKLAと捉えている。メーカーが生産を管理し、歩留まりを高めるために必要な計測を提供する、はるかに大きな企業になる機会がある。材料と製造時の化学状態に強いことは、回路が垂直に接続した層へ移るほど難しくなる問題への対応に適している。工程管理支出のシェアを高め、次の半導体製造の局面を率いる企業の一つになることを期待して投資している。


検査と計測の違い


【補足】

検査は欠陥を見つける作業であり、計測は寸法、厚さ、材料特性などが仕様に合っているかを測る作業だ。見た目に壊れていない接点でも、高さや位置が合わなければ問題になる。3社は重なる能力を持つが、製品範囲と顧客構成は異なる。


3. 製造技術と光学部品の競争


インテル(INTC) 新規顧客が強めるファウンドリの投資仮説

インテルの投資仮説は、製造技術の進歩を信頼できるファウンドリ事業へ転換できるかに、ますます依存している。最先端では台湾積体電路製造が先行するが、私たちのチーム内の強気な見方では、インテルは市場の想定より近い位置にいるかもしれない。ただし、競争力のある製造技術だけでは足りない。顧客が信頼性を保ち、予定どおりチップを生産へ移すための設計ツール、実績のあるチップIP、技術支援も必要だ。

主に自社向けに製造してきた歴史は、この転換を難しくする。設計ルール、ソフトウェア、生産工程は内部チーム向けに作られ、最先端の大半の顧客は長年台湾積体電路製造向けに設計してきた。チップを別のファウンドリへ移すには費用と時間がかかる。AIは一部作業を減らす可能性があるが、移管を容易かつ迅速にできるという証拠は、まだ見ていない。

そのため、ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)との12nmの提携が重要となる。ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスは外部顧客へのサービス経験を提供し、より顧客に使いやすいプロセス設計キット、PDKの開発を支援する。PDKは、特定の製造プロセス向けにチップを設計する際のルールとモデルだ。外部顧客の要望を中心にプロセスと設計支援を構築することは、内向きの事業から生じる難しさへの実践的な対処になる。インテルはなお、受注につなげ、許容できる歩留まりで、量産を予定どおり行えることを示す必要がある。

テラファブ計画を主導するイーロン・マスク氏のテラファブは、インテルの製造技術に対する重要な外部検証になる可能性がある。ただし、従来型のファウンドリ契約にはなりそうにない。マスク氏はテラファブでインテルの14Aプロセスを使い、研究用工場はテスラ(TSLA)、最初の大規模施設はスペースX(SPCX)が主導すると述べた。テスラとスペースXは工場を自ら建設・運営する意向だ。そのため、公の発言が示すのは、インテルがテラファブを運営したり、すべてのウエハーをインテルの工場で作ったりする形ではなく、14Aの採用を助け、製造、チップ設計、先端パッケージングの知見を提供する形だ。

テラファブは14Aの大口外部利用者となり、インテル自身のチップ以外でも技術の価値を示す可能性がある。マスク氏の企業が資金を出す施設へプロセスをライセンスすれば、インテルが新規能力の全額を負担せず、技術・エンジニアリング収益を得ることも可能だ。商業条件と収益化の時期は不明だが、私たちはテラファブを、インテルの製造見通し全般の改善の一部と捉える。

私たちの業界情報では、アップル(AAPL)とグーグル(GOOGL)がインテルの製造サービスの顧客に挙げられ、グーグルのTPU機会は先端パッケージングに重点を置く。こうした関係は、要求の厳しい外部顧客に対応できることを示す機会を増やす。エヌビディアの50億ドル、ソフトバンクグループの20億ドルの投資は財務を強化し、ドナルド・トランプ米大統領による米国の半導体生産拡大の働きかけは政治的支援となる。この支援は、新規事業獲得に必要な能力と技術への資金調達を容易にすると考える。許容できる歩留まりと納期の実現はなお必要だが、顧客関係の拡大により、ファウンドリの機会がテラファブをはるかに超えるという確信は強まっている。

メモリ製造も、インテルの資産を活用する別の可能性だ。SKハイニックス向けに生産するなら、以前のメモリ事業から残る知見を使えるため、ゼロからの出発にはならない。それでも、技術要件と商業的な可能性は確立する必要がある。予測に織り込んだ寄与ではなく、調べるべき追加機会と捉えている。

メモリ価格の上昇はインテルなどのロジックファウンドリにも恩恵をもたらすはずだ。ロジックプロセスでもSRAMを作れるためである。SRAMのビット当たり価格は従来型メモリよりはるかに高かったが、メモリ価格がロジックファウンドリの価格より速く上がれば、差は縮まる。SRAMがすべての用途で従来型メモリを置き換えることはできないが、相対価格が改善すれば一部用途のSRAM設計の魅力が高まる。インテルは従来型メモリ生産への復帰だけに依存せず、既存のロジック製造能力で追加受注を得る機会を持つ。

保有比率3.74%を維持する。製造技術の進歩、テラファブによる14Aの検証の可能性、メモリ用途が保有を支える。ただし、最近の株価回復により、以前の下落後ほど買い増しは魅力的でない。


製造技術とファウンドリ事業


【補足】

外部顧客のチップを受託製造するには、製造技術だけでなく、設計に必要なルールやモデル、実績のある設計資産、技術支援も必要だ。本文はインテルの技術進歩を評価しつつ、歩留まり、量産規模、納期を実証する必要を残している。


ファウンドリの顧客対応を理解するために


【補足】PDKとチップIP

PDKは、特定の製造プロセスで設計するためのルールやモデルをまとめたものだ。チップIPは、設計に利用する回路などの知的財産を指す。顧客には、作れる技術だけでなく、設計から生産へつなぐ道具と支援が必要になる。製造技術の進歩だけでは、外部顧客の量産成功は保証されない。


【補足】歩留まりと量産の意味

歩留まりは、生産したもののうち仕様を満たす良品の割合だ。技術が一度動くだけでは、許容できるコストで大量に作り、納期を守れるとは限らない。本文がインテルに求めるのは、外部顧客のチップを、良品率・数量・日程の3条件を満たして製造する実績だ。


【補足】SRAMと相対価格

SRAMはロジックプロセスでも作れるメモリだ。本文では従来型メモリよりビット当たり価格が高いことを前提とし、他のメモリの価格上昇で、その差が縮まる可能性を論じる。価格差が縮んでも、すべてのメモリ用途をSRAMで置き換えられるわけではない。一部の用途で選択肢として魅力が増すという考え方だ。


ルメンタム(LITE) 高い期待とレーザー競争の拡大

私たちは2026年第3四半期の開始時点でルメンタムを全売却し、第4四半期のリバランスでもその判断を維持した。強気の投資仮説は、1.6Tトランシーバーで使う電界吸収型変調レーザーのEMLと、外部光源向け超高出力連続波レーザーのCWレーザーに強いことを根拠とする。安定した量産は難しく、厳しい仕様を必要とする顧客に認定供給企業が少ない場合、ルメンタムには優位性がある。私たちが懸念するのは、その優位に投資家がすでにいくら支払っているかと、顧客の依存がどれほど続くかだ。

株価にはすでに高成長と供給制約の継続が織り込まれていると考える。数四半期にわたる利益成長が、期待に追い付くだけのために必要になる可能性があり、好業績がさらなる株価上昇を生む余地は小さいと考える。競合が増産し、顧客が安く入手しやすいレーザーを使う設計を模索している状況では、魅力に乏しい。

最も厳しい仕様のEML用途以外では、高速光接続を作る代替手段が増え、競争が急拡大していると考える。EMLは1つのリン化インジウムチップ内で発光とデータ変調を行う。競合方式は機能を分け、CWレーザーが一定の光を供給し、シリコンフォトニクス変調器がデータを載せる。他のレーザー企業は、両機能をEML内に統合する難しい製造を避け、CWレーザーを供給して参入できる。顧客がこの設計を採用すれば、より多くの供給企業を選べる。ルメンタムもCWレーザーを販売するが、その市場の競争拡大は価格と利益率に圧力をかけると予想する。

私たちの業界調査では、シヴァーズ、アプライド・オプトエレクトロニクス(AAOI)、メイコム(MTSI)、ソース・フォトニクスなど、既存・新興の競合が10社超あり、いくつかはルメンタムより積極的に能力を拡張している。特に中国からの圧力は強いと考える。サプライチェーン情報では、メーカーがガリウムヒ素の生産ラインの装置を転用し、リン化インジウムの増産を加速している。光接続の需要が増えても、顧客が選べる供給源は増える可能性がある。

より強い強気論は、ルメンタムの超高出力レーザーは複製がはるかに難しいというものだ。しかし、私たちは「局所的な最適解にとどまる罠」を見ている。難しい部品の製造に優れていても、顧客はその部品をあまり必要としないシステムを開発できる。外付けレーザーの設計が認定供給者としてルメンタムだけに依存すれば、顧客は同社の能力制約を引き継ぎ、価格交渉力も弱まる。システムの導入速度は希少部品の供給速度を超えられない。そのため、さらに高いレーザー出力に料金を払い続けるより、設計を変える強い理由が生まれる。

ファーウェイとブロードコムの分析で述べたとおり、内蔵光源は別の方法を提供する。私たちの業界情報では、ファーウェイの内蔵CWレーザーは約200mWであり、一部の外付け設計が必要とする希少な超高出力部品への依存を減らしている。外付けは故障時に交換しやすく、内蔵には異なる保守上のトレードオフがある。ただし、顧客には手頃な価格で量産できるシステムも必要だ。私たちはファーウェイの方法が普及に向けてより合理的だと捉え、高価で供給制約のあるレーザーに依存する設計が主流になることに懐疑的だ。

このため、コパッケージド・オプティクスやニアパッケージド・オプティクスの成長だけでは、ルメンタムに十分な確信を持てない。どちらにも複数の光源構成があり、適した用途ではマイクロLED光接続がレーザーを完全に置き換える。光接続全体の成長率より、顧客がどの設計を選ぶかが、ルメンタムの長期の価格決定力を左右すると予想する。

LiDAR向けに開発された技術も、レーザーとシリコンフォトニクスの能力をデータセンター接続に応用する形で、光ネットワークへ進出している。既存の光学企業が担う市場に、新たな競合群が加わる。私たちはポートフォリオにLiDARへの投資を加えた。光ネットワークの機会も含め、その投資仮説はConvequityの2026年第4四半期リバランスシリーズのPart 2かPart 3で扱う。

光回線交換のOCSには別の機会がある。ルメンタムのMEMS型スイッチは、多数のポート、低い光損失、比較的長時間維持される接続を必要とするネットワークで需要が見込まれる。フーバー・アンド・ズーナーのポラティスは、MEMSミラーを使わず、圧電式の直接ビームステアリングでファイバー間の光を位置合わせする方式で競う。私たちはフーバー・アンド・ズーナーを保有に加えたかったが、できなかった。接続を速く、細かな単位で切り替えるネットワークでは、シリコンフォトニクス型スイッチが優位になると予想する。違いは単純に各経路のデータ量ではなく、経路を切り替える速度にある。MEMSも拡大するOCS市場の相当部分を担うはずだが、ここでもルメンタムには代替手段がある。

ルメンタムの近い将来の利益は需要増と不足の恩恵を受けても、長期の価格決定力には圧力がかかり得る。私たちは、レーザー供給の拡大や、最も高価な製品への依存を減らす設計を、現在の評価は十分考慮していないと考える。第4四半期リバランスでは、現在の不足が続くことへの依存が小さい投資機会に資金を残すことを選好した。


光源の配置と供給制約


【補足】

外付けレーザーは故障時の交換がしやすい一方、高出力部品への依存が課題となる。内蔵レーザーは必要出力や供給制約を減らし得るが、交換には別の難しさがある。光接続市場の成長だけで、特定のレーザー企業の利益が保証されるわけではない。


光源と光回線交換を理解するために


【補足】EMLとCWレーザーの違い

EMLは、一つのチップで発光とデータ変調を行う。別の方式では、CWレーザーが一定の光を供給し、シリコンフォトニクスの変調器がデータを載せる。機能を分ければ、EMLの難しい一体製造をせず、レーザー供給で参入する企業が増え得る。高速な光通信が増えても、特定方式の部品の希少性が続くとは限らない。


【補足】外付けと内蔵のトレードオフ

外付け光源は故障時に交換しやすい一方、本文の比較では高い出力と希少部品が必要になる。内蔵光源は低出力で設計できる可能性があるが、交換には別の難しさがある。保守のしやすさ、必要出力、価格、供給量を合わせて選ぶ問題であり、配置だけで全用途の正解が決まるわけではない。


【補足】光回線交換の切り替え速度

光回線交換は、光が通る経路を切り替える仕組みだ。本文では、多数のポートや低い光損失を重視し、接続を長く保つ用途と、経路を速く細かく変更する用途を分ける。1本の経路で運ぶデータ量が大きいことと、経路を速く切り替えられることは異なる性能なので、スイッチ方式の比較も分けて読む必要がある。


グローバルファウンドリーズ(GFS) 回復への小規模な投資

直前3カ月の約46%の株価下落を受け、グローバルファウンドリーズの保有比率を0.31%から0.5%へ引き上げる。もう少し増やしたかったが、新規銘柄のための余地が必要だった。価格の低下で回復への投資は魅力を増した。ただし、技術評価は引き続きユナイテッド・マイクロエレクトロニクスやタワー・セミコンダクター(TSEM)より低い。

光ネットワークにおける機会の一部は、タワー・セミコンダクターが需要を満たすだけのチップを作れないことに依存する。その場合、顧客はタワー・セミコンダクターの技術を好んでも、グローバルファウンドリーズに発注する可能性がある。しかしタワー・セミコンダクターは予想以上にうまく増産能力を確保しており、他社へ向かう理由は小さくなる。タワー・セミコンダクターが対応できないという理由だけでグローバルファウンドリーズが大きな事業を得るという仮説は弱まる。

アプライド・オプトエレクトロニクスは、不足がすべての供給企業に同じ利益をもたらすわけではないことを示す。その魅力は、他では見つけにくいCWレーザーの供給能力と、米国内のリン化インジウム製造能力にあった。好みの供給企業が納入できないため、競争力の劣るトランシーバーで顧客が妥協するというだけの話ではない。アプライド・オプトエレクトロニクスが満たせる具体的な需要があった。グローバルファウンドリーズが他社から同じ程度に入手しにくい能力を提供することは、私たちは確認できていない。

0.5%のグローバルファウンドリーズは、ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスの新しい1%の比率より小さい。回復の可能性に小規模で投資し、技術・戦略面でより有利と考える供給企業に大きな配分を保つ。


ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス 提携と成熟ノードの可能性

ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスは近い将来の製造提携と、既存技術の競争力を長期に高める機会の双方を持つため、グローバルファウンドリーズより選好する。株価は安値から回復したが、機会は最初の反発を超えると考える。保有比率を0.76%から1%へ引き上げる。

より近い成長要因は、インテルと開発する12nmプロセスであり、インテルのアリゾナ工場で2027年の生産を目標とする。ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスのファウンドリと顧客設計の経験をインテルの製造能力と組み合わせ、自ら米国工場を建てずに米国生産へアクセスできる。知的財産や売上の共有で利益を得る可能性もあるが、安定したロイヤルティ収入を見積もるには、商業条件の明確化が必要だ。直近の魅力は、この提携による顧客獲得と事業拡大の機会にある。

長期では、ロジックフォールディングによって、トランジスターの微細化だけに頼らず、高速かつ電力効率の高いチップを製造できるかもしれない。先の説明と最近のファーウェイシリーズで述べたとおり、回路を垂直に接続した層へ配置すれば、長い横方向の接続を短い縦方向の接続へ置き換え、信号移動の時間とエネルギーを減らせる。ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスにとっては、既存プロセスのチップの性能と商業的魅力を高め、台湾積体電路製造の最先端ノードに並ばずとも製造基盤の価値を延ばす道となり得る。

この方式は、十分理解された古いプロセスから始める方が管理しやすいと考える。ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスは接合、排熱、安定生産の課題を解く必要があるが、同時に全く新しいトランジスタープロセスを導入する必要はない。台湾積体電路製造の最新ノードへ適用すると、小さく複雑なトランジスターの製造と、多層の能動回路の接続という、2つの難しい変更が重なる。どちらかに問題があれば、良品率の低下、コスト増、顧客製品の発売遅延につながる。これは組み合わせるリスクの違いであり、台湾積体電路製造に3D積層技術がないという主張ではない。同社はすでに高度な積層技術を提供する。

商業上の動機も異なる。ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスには既存技術の寿命を延ばし、通常なら新しいプロセスが必要な案件で競う道となる。台湾積体電路製造は、その機会を最先端投資に期待する利益や、既存顧客の開発計画を乱すリスクと比較する必要がある。このため、ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスには成熟ノードのロジックフォールディングを強く推進する理由があると考える。ただし、これは将来の投資仮説であり、ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスが発表した計画ではない。

主な留保は株価の反発と、ロジックフォールディングの寄与まで何年もかかる可能性だ。安値時点ほど買いのタイミングが魅力的でないことは認める。それでもインテルとの提携は近い将来の買い増し理由となり、既存プロセスの競争力改善の可能性は、グローバルファウンドリーズの回復投資より大きな保有を支える。


成熟ノードの投資仮説を理解するために


【補足】成熟ノードと先端ノード

ノードは半導体の製造プロセスの世代を表す。本文でいう成熟ノードは、すでに理解と生産経験が蓄積したプロセスだ。ロジックフォールディングは、そこで作る回路の配置や接続を変えて性能を高める可能性がある。古い世代の工場が、そのまま最先端ノードの工場になるという意味ではない。


【補足】3D積層と投資の動機

既存プロセスの性能を積層で高められれば、成熟ノード企業は設備の価値を延ばせる。一方、最先端に大きく投資した企業には、その投資から利益を得る必要がある。本文は両社の動機を比較しているのであり、台湾積体電路製造に積層技術がないと主張しているわけではない。ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスの採用も発表済み計画ではなく、将来の投資仮説だ。


4. ファウンドリの優位性を見直す


台湾積体電路製造 不可欠な存在でなくなるリスク

2026年第3四半期の開始時点でTSMを全売却し、第4四半期リバランスでもその判断を維持する。台湾積体電路製造は最先端ロジックチップ製造の首位にあり、強い需要が現在の事業を支える。私たちの懸念は、性能改善の別の方法が育つ中でも、この優位が続くと投資家が確信しすぎている可能性だ。最も小さいトランジスターを作ることに優れていても、回路積層、チップ接続、光学部品統合から同じ割合の利益を得られるとは限らない。

ロジックフォールディングは、一部顧客の最新製造プロセスへの依存を弱め得る。垂直接続した回路によって、成熟ノードのチップが高速かつ省電力になれば、顧客が台湾積体電路製造の最新ノードに高い料金を払う理由は小さくなる。台湾積体電路製造は最先端工場と極端紫外線の露光装置に巨額を投じ、その投資から利益を得る必要がある。成熟プロセスの競争力を高める技術は、その事業に圧力をかけ、より低利益率の製造へ支出を移す可能性がある。ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスには既存工場と技術の価値を延ばせるため、この道を推進する、より明確な動機がある。

台湾積体電路製造の難しい判断は、次にどこへ投資するかだ。先端工場と成熟ノード工場がどちらも忙しくても、どの技術に資本と技術者を追加するかを選ぶ必要がある。成熟ノードのロジックフォールディングは新規事業を得る道だが、顧客が高価で利益率の高い最先端プロセスを避ける助けにもなり得る。一方、既存事業を優先すれば、競合が代替技術で地位を築く余地が広がる。

台湾積体電路製造は以前にも同様の判断に直面した。2009年、研究開発責任者の蒋尚義が先端パッケージングへの参入を提案した際、創業者の張忠謀は、パッケージングを低技術・低利益率の仕事と見て、当初拒否した。蒋研究開発責任者は、先端パッケージングは異なると説得した。トランジスターは大きく改善したが、チップ間接続は遅れ、その利点を制約していたためだ。張創業者は理解すると開発資源を承認した。それでも初期の顧客採用は弱く、社内で批判された。クアルコム(QCOM)からの高コストへの指摘が、より安いInFOの開発を促し、商業的な成功につながった。

ここから得る教訓は、卓越した製造企業であっても、業界で最も先を見通す組織とは限らないことだ。先端パッケージングへの当初の抵抗と、現在の能力拡張への慎重さは、私たちの見方では強いリスク回避文化を示す。その規律は利益を守るが、既存事業に挑む技術の採用を遅らせることもある。成熟ノードの競争力を高めるロジックフォールディング、ウエハー規模の積層、新しい光接続の統合は、微細化以外の能力へ半導体製造の価値を移す可能性がある。代替露光光源のような、さらに不確実な技術も、競合に別の道を開くかもしれない。初期の採算が既存事業より悪く見えるため、先端パッケージングの初期と同様に、台湾積体電路製造が一部の方向を退け、投資を不足させる可能性はある。商業的価値が明らかになる頃には、他の供給企業が重要な顧客関係と技術優位を築いているかもしれない。台湾積体電路製造は優れた製造企業のままでも、最先端の技術開拓にとって、以前ほど不可欠でなくなる可能性がある。

他の進展も、最新ノードでの首位以外を見る必要を示す。タワー・セミコンダクターのフォトニクス能力は、専門的な製造知見が強い競争力を生む例だ。セレブラス(CBRS)のウエハー規模のチップを積層する可能性には、独自の接合、冷却、安定生産の要件がある。また、テラファブに関連する自由電子レーザーの構想は、半導体製造向けの極端紫外線光源の供給方法を変える可能性がある。ただし、生産時期と採算はまだ不確実だ。各機会は、必要な能力と、それを提供するのに最も適した企業ごとに評価する必要がある。

中心となる問いは明快だ。性能向上が主に微細化から生まれるのではなく、回路の積層・接続によって増えるにつれ、台湾積体電路製造は同じ価格決定力と業界利益のシェアを維持できるのか。私たちは他の製造企業が価値をより多く獲得する現実的な機会を見ている。台湾積体電路製造が現在強いことだけでは、将来の競争上の地位も同程度に安泰だと想定する十分な理由にならない。


製造の価値配分を理解するために


【補足】極端紫外線と代替光源

極端紫外線は微細な回路の製造に使う露光の光で、本文の自由電子レーザーは、その光を供給する別の構想として登場する。これは量産時期と採算が不確実な可能性であり、商業化が確定した製造装置や、決定済みの収益計画ではない。微細化以外の技術を評価するときも、実現の条件を分けて見る必要がある。


タワー・セミコンダクター 光学の専門性と製造能力の拡大

タワー・セミコンダクターは、私たちが最も確信を持つ保有銘柄の一つだ。強みは、光でデータを送受信するチップと、それを駆動・制御する電子チップを組み合わせることにある。次世代光接続には、ますます小さい空間で、これらの部品がより多くのデータを交換することが必要だ。光ファイバーやトランシーバーの需要増だけでなく、この難しい統合が競争優位の源だと考える。

ハイブリッドボンディングは、高密度の電気接続でチップをつなぎ、小さなパッケージ内に大量のデータ転送を収める。光学部品をプロセッサーの近くに置くファーウェイの方式は、この統合の重要性を示す。私たちはこの分野のタワー・セミコンダクターの能力は、欧米の供給企業の中で実質的に比肩するものがないと考える。

タワー・セミコンダクターは予想以上にうまく製造能力を拡張している。顧客注文を自らより多く満たせるため、グローバルファウンドリーズなどの代替企業に残る事業は減る。タワー・セミコンダクターが需要を満たせれば、顧客が技術の弱いと考える企業へ移る理由は小さい。したがって能力拡大はタワー・セミコンダクターへの投資仮説を強め、同社が対応できない注文の獲得に頼る競合の仮説を弱める。

エヌビディアが光チップ製造の一部を台湾積体電路製造からタワー・セミコンダクターへ移しているとの報道もある。実現すれば投資仮説は強まるが、この報道は未確認で、台湾積体電路製造を有力とする別の情報もある。エヌビディアの発注が各社へどう配分されるかが明らかになるまで、私たちの確信はタワー・セミコンダクターの技術に基づいている。

将来的には、タワー・セミコンダクターの接合能力が積層ロジック回路の接続にも役立ち、フォトニクス以外の機会を開く可能性がある。私たちはロジックフォールディングの売上寄与を織り込んでおらず、顧客の採用時期も仮定していない。光チップと電子チップの統合が、より近い商業機会だ。

四半期に約25%株価が下がっても、6.1%の保有を維持したかった。しかし新規銘柄の余地を作るため、4.75%へ減らし、一部利益を確定した。スペースXの比率も高まっているため、少数企業への集中を避け、さらなる追加を制限している。タワー・セミコンダクターの技術への確信は引き続き強い。


製造能力と顧客の選択


【補足】

優れた技術があっても、必要数量を供給できなければ、顧客は他社へ発注する可能性がある。タワー・セミコンダクターの能力拡大は、自社の販売を増やすだけでなく、供給不足に期待する競合の機会を減らすという関係がある。

関連銘柄月間チャート

関連コンテンツ

Main Image

AIインフラの次の主役を探る 2026年第4四半期リバランス Part1

コンヴェクィティ

Main Image

SaaSの生存を採点する(Part 12):マンデー・ドット・コム徹底解剖③——経路2の生存条件とバリュエーション

コンヴェクィティ

Main Image

SaaSの生存を採点する(Part 11):マンデー・ドット・コム徹底解剖②——ハーネス・AI収益・席数課金からの転換

コンヴェクィティ

関連記事をもっと見る →