中間選挙の後、株価は6カ月で必ず上昇してきた 求人は急増、半導体は下げ止まりへ

■半導体株は下げ止まり、市場は資金の循環へ
3日にテクノロジー株が反発し、半導体株の下落が止まりました。筆者は決算の上振れが底固めを助けると見る一方、新しい主役が現れつつあり、資金の循環が進んでいると述べています。
■中間選挙の結果が市場に落ち着きをもたらした
民主党が全米で圧勝し、トランプ大統領は結果を受け入れると表明しました。債券利回りと原油価格が低下し、株価は寄り付き前に急伸しています。筆者は、投資家が経済の基礎条件に目を向けられると見ています。
■求人件数は750万件へ、離職率は2.1%に上昇
9月の求人は33万件超増え、レイオフは18カ月ぶりの低水準でした。増加分はすべて小企業によるもので、離職率の上昇は賃金の伸びと消費の支えになると筆者は見ています。
■中間選挙後の6カ月は14回すべてで上昇
1970年以降の14回の中間選挙で、S&P500は6カ月後に毎回上昇しました。筆者は歴史が繰り返されると見ており、マグニフィセント7以外へ資金を分散する姿勢を続けています。
1. 半導体株の反発と、中間選挙後の市場
半導体株は下げ止まりへ、主役は交代する
テクノロジーセクターは3日に反発し、半導体株の下落が止まりました。ただ、AI関連銘柄が過去最高値を取り戻す道のりは、市場のセンチメント(心理)が変わるまで長くなりそうです。投資家は、支出の伸び率が続くという確信をもっと強めたいと考えており、AIから売上高と利益という目に見える成果が出ることも求めています。3日の取引終了後に発表されたアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)とスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の決算が予想を上回ったことが、半導体株の底固めを助けると私は考えています。ただ、新しい主役が現れつつあり、今日の相場は資金の循環が合言葉です。

選挙結果は市場に落ち着きをもたらした
ハイテク関連銘柄が反発した分、ここ数日、市場全体をけん引してきた他のセクターには利益確定の動きが出ました。原油価格の下落は続いているにもかかわらずです。3日夜の中間選挙の結果が大混乱を招くのではないかという懸念は強くありました。しかし債券利回りは原油価格とともに低下しており、株価は寄り付き前に急伸しています。民主党は全米で圧勝し、最も強気な予想さえ上回りました。トランプ大統領は結果を受け入れると表明し、「彼らと協力することを楽しみにしている」と述べました。この予想外の落ち着きによって、投資家は経済と市場の基礎的な条件に再び目を向けられるはずで、その内容は引き続き良好です。

【補足】フィラデルフィア半導体指数とは
米国に上場する主要な半導体企業で構成される株価指数で、半導体株全体の値動きを見る代表的な物差しです。上の図は日次の騰落率を示しており、10月末にかけて7%前後の下落が2回あった後、11月3日は2.5%前後上昇しました。
2. 求人件数が急増、自発的な離職は3年超ぶりの高水準
小企業が求人を押し上げた
労働省が発表した9月の求人労働異動調査(JOLTS)では、求人件数が33万件超増えて750万件となり、レイオフ(一時解雇)は18カ月ぶりの低水準になりました。PMI(購買担当者景気指数)の報告や個人消費の強さに注目してきた人にとっては、意外ではないでしょう。消費が雇用の伸びを生むからです。 さらに心強いのは、求人の増加分がすべて、私たちの主な雇用の創出元である小企業によるものだったことです。

(出典: Trading Economics)
【補足】JOLTSとは
米労働省が毎月発表する求人労働異動調査(Job Openings and Labor Turnover Survey)の略称です。企業の求人件数や採用、離職、レイオフの件数を調べるもので、労働市場の需給を見る指標として使われます。
離職率の上昇は賃金上昇の兆し
JOLTSで最も注目すべき数字は離職率でした。離職率は2.1%に上昇し、離職者数は3年超で最大となりました。これは心強い兆しです。労働者が、今の仕事を辞めても、より高い賃金の次の仕事を見つけられるという自信を深めていることを意味するからです。低い水準から自信が高まっており、賃金の上昇を予感させます。 それが消費の水準を支える助けになるはずです。

(出典: LSEG Datastream、ロイター)
3. 民主党が上下両院を握っても、株価は過去に上昇してきた
中間選挙後の6カ月で、株価は14回すべて上昇
この記事を書いている今、「青い波」はむしろ津波のようで、民主党が下院と上院の両方を握る情勢です。一部の投資家は反射的に株を手放したくなるかもしれません。しかし、市場は分割政府のときに最も好成績を収める傾向があることを思い出す必要があります。以下のデータは1週間以上前にも共有しましたが、あらためて触れる価値があります。1970年以降、中間選挙は14回ありましたが、S&P500は毎回、6カ月後に上昇しています。 並外れて強い決算と、トレンドを上回る経済成長率を踏まえると、私は歴史が繰り返されると見ています。

【補足】中間選挙と分割政府
中間選挙は、大統領の任期の中間にあたる年に行われる選挙で、下院の全議席と上院の約3分の1が改選されます。分割政府とは、大統領の政党と、議会の多数派の政党が異なる状態を指します。
4. 分散を保つ、成長の主役はマグニフィセント7以外へ
マグニフィセント7の増益率は鈍化している
今後は、分散を保つことが鍵になります。企業決算で最も注目すべき動きは、私が年初に予想していたとおり、マグニフィセント7(大型ハイテク7社)の増益率が鈍化する一方、S&P500の残り493銘柄では加速していることです。この7社はテクノロジーセクターに占める比重が大きく、テクノロジーはS&P500で最大のセクターであり続けます。私は戦術的に、テクノロジーの比率を指数より低く、残る10セクターを高くしており、時価総額加重のS&P500(SPY)よりも、均等加重のS&P500(RSP)を選んでいます。

(出典: FactSet)
【補足】マグニフィセント7とは
アップル、マイクロソフト、アルファベット(グーグルの親会社)、アマゾン、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、テスラの7社を指す呼び名です。時価総額が大きく、S&P500全体の値動きへの影響も大きい銘柄群です。上の図では、9月30日の水準でマグニフィセント7が33.6%、残り493社が27.8%だった増益率が、現在はそれぞれ22.6%と32.6%に入れ替わっています。


