VIX急上昇に備える:中間選挙前の9月相場と第4四半期のシナリオ

■中東情勢が再びリスク要因に
トランプ大統領がオマーンへの爆撃を示唆したことで原油価格と長期金利が上昇し、リスク資産価格は下落しました。9月は歴史的に軟調な月であり、中間選挙前は特にその傾向が強まります。
■大統領の姿勢を変える2つの要因
原油価格のさらなる上昇と長期金利の上昇継続が株価の重荷になれば、トランプ大統領は中間選挙を前により融和的な姿勢に転じると見ています。
■VIXの低下は油断ではなく強気の表れ
個別銘柄間の相関性が低いことがVIXを押し下げており、これは投資家が銘柄選別を進めていることの表れだと判断しています。
■9月の調整は第4四半期に向けた好機
VIXが長期平均の19に接近・上抜けする展開を想定していますが、これに伴う株価調整は、四半期決算発表を控えたリスク積み増しの好機になるとみています。
中東情勢が再びリスク要因に浮上
第2四半期の決算シーズンがほぼ一巡したのを見計らったかのように、投資家の関心は再び地政学リスクへと向かいました。トランプ大統領が、同盟国であるオマーンに対し、米国がイランを交渉の席に着かせようとする動きを妨げるのであれば爆撃も辞さないと威嚇したことが、この動きに火をつけました。原油価格は上昇し、長期金利は年初来の高値を更新し、S&P500(SPY)・NASDAQ(QQQ)・ダウ工業株30種平均(DIA)はいずれも下落しました。
8月の残り期間は、プロの投資家が休暇を取り取引量が細るため比較的静かに推移する可能性がありますが、9月はより波乱含みの月になりそうです。過去の統計を見ても、9月は特に中間選挙を控えた年においてパフォーマンスの悪い月とされてきました。ただし、そこでの下落は、第4四半期にかけての良好なパフォーマンスへの地ならしになるはずだと私は見ています。

(出典: Finviz)
トランプ大統領の姿勢を変えうる2つの要因
トランプ大統領には、イランと交渉する意向を示す気配が今のところありません。60日間の停戦期限は失効しましたが、軍事行動は再開されていません。一方、レバノンでの戦闘は再び激しさを増しています。
私の見立てでは、大統領に方針転換を強いる要因は2つあります。1つ目は、現在の水準から原油価格が意味のある形で上昇することです。2つ目は、インフレ懸念を一因とする長期金利の上昇が続くことです。この2つの上昇が9月に入っても続き、株価の重荷になるようであれば、大統領は中間選挙を控えて、これまでよりもかなり融和的な姿勢を取るようになると私は考えています。

(出典: Bloomberg)
【補足】ホルムズ海峡と中東情勢が相場に与える影響
ホルムズ海峡は世界の海上輸送される原油の約2割が通過する要衝で、この海域を巡る緊張が高まるほど、原油価格と、原油高が誘発するインフレ懸念を通じて長期金利の双方に上昇圧力がかかりやすくなります。逆に情勢が緩和に向かえば、この2つの重荷が同時に軽くなるため、株式市場にとって好材料として働きやすい構造になっています。
FRBの利上げ観測は後退、VIXの低下は強気のサイン
中間選挙前にFRB(米連邦準備制度理事会)が短期金利を引き上げることについては、私はさほど心配していません。労働市場の
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