米景気は5年ぶりの勢い——PMI58.4と金利上昇をどう読むか

■国債利回りの上昇が株式市場に波及
米5年債入札の低調な結果を受けて利回りが5%を超え、10年債利回りも一時5.14%まで上昇しました。原油高も重なり、株式などのリスク資産は下落しています。
■9月の総合PMI速報値は58.4
8月の56.0から上昇し、米企業活動は2021年7月以来の速さで拡大しています。サービス業が主導しつつ、製造業でも受注と雇用が増えました。
■成長の強さとインフレ圧力が同時に進行
ウィリアムソン氏は9月の活動を年率5%の成長ペースと推計。一方、燃料費と輸送費の上昇で仕入れコストの伸びは約4年ぶりの水準に達しました。
■筆者はイラン情勢の変化に注目
原油と金利の上昇が政権への圧力になると見ています。戦争の緩和・終結が実現すれば、利回りと株式市場の調整が転機を迎えるというのが筆者の見立てです。
昨日は原油価格と金利が再び上昇し、株式などのリスク資産は大きく下落しました。WTI原油は1バレル92ドルを上回り、米10年国債利回りは一時5.14%まで上昇しています。とりわけ投資家を驚かせたのは5年国債です。700億ドル規模の入札が低調に終わった後、5年債利回りは2007年以来初めて5%を超えました。 インフレを抑えるためにFRBの追加利上げが必要になるという懸念が強まっています。
ただ、私は債券市場の急落が、ドナルド・トランプ大統領にイランとの戦争からの撤退を早める圧力になると考えています。10月、あるいはそれより早く、市場の予想を変える出来事が起きるかもしれません。今朝も昨日の下落を引き継ぐ動きが見られます。

(出典: Finviz)
金利上昇の背景はインフレだけではない
私は、昨日の幅広い年限にわたる金利上昇には、インフレへの不安だけでなく、力強い経済成長も大きく関わっていると見ています。それ自体は必ずしも悪いことではありません。私が最も重視する、足元の景気を映す指標が昨日発表され、米国経済が非常に活発であることを示しました。
エネルギー価格が急騰している中では意外に思えるかもしれません。それでも私は、強い景気があれば、強気相場は一時的な借入コストの上昇を乗り切れると考えています。「一時的」と見るのは、戦争が終わりホルムズ海峡が再開されれば、供給制約によるインフレ圧力が和らぐと考えるからです。

(出典: Bloomberg)
国債入札と市場金利
【補足】入札の不調で利回りが上がる理由
国債の買い手が想定より少ないと、国債の価格は下がり、利回りは上がります。今回の5年債入札の後に利回りが5%を超えた動きは、政府の資金調達コストが上がっていることを示しています。
9月の総合PMIは58.4に上昇
S&Pグローバルが昨日発表した9月のサービス業・製造業の企業調査は、予想以上に強い内容でした。米国の企業活動は過去5年で最も速いペースで拡大しています。景気が後退に向かう直前、まして弱気相場に入る直前に見られる姿ではありません。
総合購買担当者景気指数の速報値は、8月の56.0から9月には58.4へ上昇しました。2021年7月以来、最も強い拡大を示しています。

(出典: Trading Economics)
PMIの数字が示すもの
【補足】PMI
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