NVIDIAの予想PER16倍を問い直す Pt.4:供給不足が支える利益率と2028〜2029年の試練

■市場予想と成長率の差
NVIDIAの約70%成長に対し、市場とウォール街の予想は約68%です。筆者は、近い評価水準にあるBroadcomの方が、市場予想を上回る余地が大きいと見ています。
■供給制約が支える利益率
演算用半導体とパッケージングの能力が足りない間は、NVIDIAは費用の上昇を価格に転嫁できると筆者は予想します。非正規市場での上乗せ分は再販業者が得ます。
■調達と顧客保証の違い
約5,305億ドルという負担額は、3つの合計値を足した数字です。製品の供給を確保する調達契約と、顧客を支える保証・クラウド契約を分けて見る必要があります。
■2028〜2029年の試練
筆者は、中国の量産で供給不足が解消し、価格競争が強まる確率を約45%と見ています。その時期にOpenAI向け保証やクラウド契約の負担が重なる点を課題としています。
1. 成長率の大きさだけで、投資判断は決まらない
技術面の課題は低いPERで補えるのか
公開モデルの開発や光接続での遅れは、NVIDIAへの投資判断を変えるほど重要なのでしょうか。私たちのチーム内でも、意見が分かれています。
強気の見方では、こうした課題は中心的な問題ではありません。NVIDIAは70%超の成長と巨額の研究開発資源を持つ技術の先導企業であり、株価が利益の何倍かを示すPERも低い。したがって、周辺の懸念があっても投資判断は変わらない、という主張です。
NVIDIAは、重要な技術すべてで先頭にいるのか
私たちも、NVIDIA(NVDA)の強みは認めています。ただし、その中身は1つずつ検討する必要があります。
システム全体の性能や光技術、Huaweiが採用する先端のパッケージ技術でも、NVIDIAは先頭にいるのでしょうか。私たちは、すべての重要分野を主導しているとは考えていません。技術を先導する企業の一角ではあっても、競合に対する優位性は以前より縮まったと見ています。
約70%成長のどこまでが織り込み済みか
売上高が5,000億ドルを超えようとする企業が70%成長するのは、驚異的です。しかし、株価にどこまで織り込まれているかも重要です。私たちは、市場の評価、ウォール街の予想、自分たちの見通しを比べるMSUという枠組みで、この差を見ています。
市場とウォール街はすでに、NVIDIAが来年約68%成長し、2028年度の売上高が約6,920億ドルに達すると予想しています。8月の決算発表前の予想成長率は44%でした。私たちと経営陣が見込む約70%との差は、ごく小さくなっています。
Broadcomでは、市場予想との差が大きい
Broadcom(AVGO)とNVIDIAは、フリーキャッシュフローに対して近い倍率で評価されています。フリーキャッシュフローは、事業で得た現金から、設備投資などを差し引いた残りです。両社の評価倍率は、直近12カ月のフリーキャッシュフローの約44倍です。
ただし、私たちの見通しと市場・ウォール街の予想との差は、Broadcomの方が大きいと考えています。ホック・タンCEOは、AI売上高が来年再び倍増し、約1,150億ドルになると予想しています。
市場とウォール街は、Broadcom全体の売上高
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