FRBは利上げを行わない:原油下落とインフレピークアウトによる政策金利の真相

■中東情勢緩和による原油急落と金利低下
外交交渉の再開によりWTI原油がバレル82ドル未満へ暴落し、インフレ懸念の減退とともに長期金利も低下しました。
■Big TechのAI設備投資拡大に対する市場の懸念
Alphabetに続きMicrosoftやAmazonなどの巨額AI投資(Capex)に対する収益化の遅れが懸念され、株価の重石となっています。
■ウォーシュFRB議長の下での利上げ可能性否定
7月FOMCでの利上げ観測(40%)に対し、フォワードガイダンス廃止や政治的背景、PCE沈静化から利上げゼロを主張しています。
■インフレのピークアウトと年末までの金利据え置き
6月PCEの低下予測および9月のBEA計算方法変更(コアPCE 3%未満化)により、FRBは年内金利を据え置く見通しです。
原油価格の上昇と金利の高騰によってトランプ政権がイランとの緩和交渉(デエスカレーション)をより合理的な行動方針と見なさざるを得なくなるだろうと私が推測した直後、外交交渉を再開させるために空爆が停止されました。
トランプ大統領は昨日、いつものように「非常に好意的な交渉を行っている」と主張しましたが、イラン側は交渉など行われていないと主張してこれを否定しました。いずれにせよ、大統領のより宥和的なトーンを受けて原油価格は10%暴落し、WTI原油は1バレル=82ドル未満で引け、ブレント原油はそれ以上に落として88ドル近辺で終了しました。ひとまず、任務完了といったところです。その結果、イールドカーブ全体の金利も緩やかに低下しました。

(出典: Finviz)
【投資家向けポイント】
地政学リスクの沈静化と原油価格の急落により、市場を覆っていた一時的なインフレ懸念は一気に後退しました。エネルギー価格の低下は金利上昇圧力を和らげる強力な要因となります。
株式市場の動きとBig TechのAI設備投資懸念
この原油安と金利低下は今週の株式市場のスタートに追い風を与えましたが、投資家は3日連続で半導体株を売り続けました。
先週、アルファベット(GOOGL)の素晴らしい決算報告は、同社が明確な収益化への道筋を示さないままAIインフラへの支出計画(Capex)を拡大したことを受けて、失望感をもって迎えられました。今週水曜日と木曜日には、投資家はマイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン(AMZN)の決算報告を同じ基準で精査することになります。
これらの企業が、この空前の巨額支出がバランスシートのリスクに見合う投資リターン(ROI)をもたらすと投資家を納得させられるまでは、同様の失望が起きても不思議ではありません。この状況が、今週予定されている政策決定会合(FOMC)の重要性をいっそう高めています。

(出典: Bloomberg)
【初心者向け解説:ハイパースケーラーのAI投資問題】
大手IT企業(Alphabet、Microsoft、Meta、Amazon)はAIサーバーやデータセンターに巨額の資金を投じていますが、市場は「その巨額投資がいつ利益になって戻ってくるのか」を厳しくチェックしています。単に投資を増やすだけでは株価が売られやす
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